
私たちは、
レバレッジ・フィッシュに夢中になっていた。

それは土佐でも、
伊豆でも、
そして千葉でも同じだった。

じつはかなり前に、
自身のフィッシュ回帰を予想して、
前田博士にフィッシュのシェイプをお願いしていた。

数あるフィッシュの中でもサンディエゴ・フィッシュを選んだのは、
やはり伝統的なもの、
そしてもはやや伝説となったボードを所有したかったからだ。

1967年、
サンディエゴのオーシャンビーチに住む16才の少年は、
ロングボードのブランクスを半分にし、
短い物体を削り出した。

これがフィッシュ誕生の瞬間であり、
それ以来、
世界中のサーファーたちを魅了するボードデザインとなった。

私はミニボード中毒患者であったが、
更生していまにいたる。

ノースハワイでも短いレイルラインのサーフボードの魅力を伝え、
このボードしか乗れなくなっていた。

数年かけて、
なんとか原点回帰し、
のみならずタイラー・ウォーレンとクリスチャン・ワックの手ほどきを受け、

温故知新ということもあり、
長いサーフボードに夢中になっていた。

その心持ちで、
このサンディエゴ・フィッシュに乗ると、
「ターンの斬れ」
ということが感覚的に思い出せた。

のみならず、
あの日の自分やできごとまでがオーロラのように浮かび、
ノースハワイを思い出してターンしていった。

ここに居合わせた先生(目覚めた人)と、
SS氏、
そしてほんたうの山崎さんへ、
「10年ぶりくらいに、
上手にサーフィンができました」
ラインナップでそう伝えた。

サーフィンをしていると、
こんな感動もある。

感動のまま、
NAKISURFに戻ると、
こんなロゴデザインが寄せられていて、
これも原点回帰だと目を細めた。

前述したほんたうの山崎さんがやってきて、
ちょうど完成したTheOne64(190cm)の納品となった。

それはまるで空海が恵果より法灯を受け継いだように、
TheOneが山崎さんの胸に抱かれたのだ。

【湘南回想記】
雨の中ドラグラ会館に行った。

「雨に煙る」
という表現そのままだった。

雨のウェンズデーという大瀧詠一さんの楽曲があるが、
作詞は松本隆さんである。
「壊れかけたワーゲンの〜♬」
大瀧さんは、
そう歌いかける。

「海が見たいわ」
主人公たちはそう言って、
「降る雨はすみれ色」
となっていく。

こちらも雨が上がり、
総料理長が来られるはずのレンバイ方面に歩いていくと、
日産サニー・カリフォルニア(B310)が駅の方に走り抜けていった。

すると今度は、
山口百恵さんの楽曲が浮かんだ。
あの時代に戻りたければ、
この50年近く前の車を探して乗ればいいのだとわかった。

土佐から持ち帰ったものでおかずが揃った日は、
サバの干物と
冨永さんの漬けた梅干しと、
裏山のレモンと森田さんの畑で育ったブロッコリーに視界がうるんだ。

□
【巻末リンク:スティーブ・リズの偉業】
【巻末リンク*2:サンディエゴ・フィッシュ到着】
【巻末リンク*3:その雨のウェンズデイ】
Happy Surfing and Happy Lifestyles!
◎
