【過去回想編】

石田さんのことを思いだしていた。

彼はもうこの世にいないが、

魂は、

各地の良い波の上を飛ぶようにグライドしているのだろう。

四万十市、下田。

巨大オブジェは、

クマさん（篠原勝之：ゲージツ家）作の「うつろう」。

.

この南の聖地で北斗七星時間を通過し、

寒い夜のあと、

朝陽が昇ってきた。

石田さんは、

私がポパイ誌をむさぼるように読んでいたとき、

ロスアンジェルスに住んでいた。

「高校時代はフットボールとか、

ベースボールをやっていたんですよ」

まるで片岡義男さんである。

昔は、

——今もそうだろうが——

「情報をつぶさに見たものに何かが宿る」

そんなことを信じていた。

実際には、

「情報をつぶさに」

古語で言うところの

「詳（くわ）しく」

つまり、

「見たものに何かが宿る」

というわけではなく、

詳細に、

真剣に見ているあいだに何かが宿るのだろう。

私は野球が好きで、

昨日も野茂さんのサンフランシスコ・デビューと、

松坂さんの高卒デビュー東京ドームをつぶさに見た。

そこで得るものは多く、

しかもそれら全てのピッチング・シークエンスや、

カウント、

対打者、

スピン、

速度、

ムーブメント、

ロケーション、

コントロールされていたのか、

力んだのか、

動揺したのか、

どうやって立ち直ったのか、

バッターとは何巡目なのか、

アウトカウント、

バッターとの相性、

審判の判定も含めて１球１球記憶した。

そのとき宿ったのは、

あのときの「石田さんの心もち」であり、

さまざまな教えと感動だった。

それらは今も自分の中に宿っていて、

石田さんフレンズやチルドレンたちも

こうして時折思いだしていることだろう。

そんなこともあって、

私が土佐清水に行くようになったのは、

２年前にさかのぼる。

行ってみると、

頑強というか、

骨太な石田さん岬の波と、

森ヤンと恵美ちゃんのハイビスカス食堂。

南端（足摺岬）には、

「観音菩薩が住む補陀洛界に最も近い」

そう空海が観じ、

嵯峨天皇に奏上した地の朝陽が昇る白浜まであった。

この１.６ｋｍにおよぶビーチは、

たいてい地形良く、

そこに美しい波がやってくる。

Catch Surf Skipper Fish 5’6″

DJ VCA Special

.

少年ふたりはボードひとつで、

次々にやってくる波に対峙していた。

彼らは、

石田さんのグランド・チルドレンたちだ。

良く泳げ、

ショアブレイクで数時間も遊べる海の子たちだ。

然一くんは、

「自然が一番」だという意味で命名された中学一年生で、

ゼンイチと読む。

私たちはゼンと呼ぶ。

仁太くんは、

ジンタと読むゼンのかけがえのない親友だ。

ふたりが遊ぶ海。

小さいころの自分が重なって、

涙があふれそうになった。

「いつまでもきれいな海でありますように」

石田さんがそんなことを言っていたのを思いだした。

ジローくんの最初の波。

「なんだ、かんたんだなと思いました」

そんな

「かんたんブーム」

はここから始まったようです。

これは２０１８年の５月。

つまり彼が小学校に入学して最初のＧＷ後半だった。

昨日、

かんたんジロくんのロッケン・ロールが、

【アクセスの多いＴＯＰワン】となった。

みなさまのアクセスに大きく感謝しております。

ナンバーワンだよ、

富士山やエベレストだよ〜と、

お祝いの電話をジローくんにかけると、

ちょうどカレーを食べていて、

「父ちゃんが作った〜。おいしいよ」

そんなことになった。

ああ、うれしい。

元気な子どもにはカレーが似合う。

私が子どものときは、

真っ赤な夕陽の中に軒先からカレーの香りが漂ってくると、

「我が家もカレーでありますように」

そう念力を飛ばすほどのメニューだった。

昨日の月齢２６日ごろ。

昨日のサンデーソング・ブックで、

山下達郎さんが冒頭でこうおっしゃっていた。

「私は、私のするべきことを行っていこうと思います」

同感である。

同感し、

さらには興奮しながらボンザーの水流を探っていた。

この水流は本流があり、

支流があって、

それを使ってレイルと連動させることもつきとめた。

Bonzer 1973 / 6’5″ x 20-7/8” x 2-11/16”

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こんなトラックを描くのがボンザーであり、

それはまるで、

大排気量のビッグ・シングルが生みだす太いトルクからの、

信じられないような加速だった。

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Happy Surfing!!

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