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naki's blog

【サーフィン研究所】初期無形流_(1729文字)

Catch Surf® Skipper Fish Ⅵ 6’0″

Nakisurf Original Twin + Vektor VMK

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もともとはこのブログに書いたのだが、

公開前に思いとどまって、

BlueやNALU誌コラムの原型になったり、

他コラムの内容にもなった重要ポストだ。

よろしければお読みください。

8年前は、

ショートボードに乗るというのも選択のひとつだった。

足に付く感覚がたまらなかった。

波の先めがけてボードを寝かせ、

飛び出してくる波先にボードをヒットさせることを至上の喜びとしていた。

バレルになっても、

波壁に柔らかく咬むので、

ボードと自身をつなぐフェザータッチに魅せられた。

波の下でも沈めていられるささやかな浮力。

安定というか、

定住というか、

このいわゆるショートボード浮力からは離れられないでいた。

だが、

それはいわゆるちゃんとした波なので、

背丈程度からの話だ。

これがひとたび子どもが遊べるような波の大きさとなると、

浮力がある物体、

ロングボードとか、

ファンボードが楽しいのだとある日気づいた。

すると、

こちらの世界はこちら流とばかりに、

それぞれの流派があり、

深く、極まった世界でもある。

夢想減速流というのがあり、

ジョエル・チューダーが尊師の座に就いた。

歴史や達人たちを尊び、

波乗人としての威厳と、

「遊び、ゆとり、視野」

を愉楽へと直結させている。

波と物体の相互関係。

レイルへの圧力とテイルストールにより減速し、

一度静止させ、

ノーズに向かって美しく、

確かに向かいながら生じる慣性力を操舵することを極みとする。

また『陰陽進退(マニューバー)』

の研鑽でも広く知られる。

ダクトテープという演武会で世界征服を目論んでいると噂されている。

初期無形流という原型があり、

これは波に乗られるようになった時代に萌芽し、

今までのあいだもずっと存在している流派で、

とにかく旧きに重きを置く。

これは、

古いければ偉いというもので、

ログはボックスとなり、

デューク、

アライヤ、

パイポと時代を遡ることを至上とする思想だ。

この極みは、

ポリネシアでの18世紀に遡る。

サーフィン萌芽時代は、

それぞれ地域のサーフ・マスターになることが重要で、

腕自慢は、

4つのサーフボード(パパ・ヒエ・ナル)

パパ・リイリイ、

パパ・オロ、

パパ・アライヤ、

パパ・キオオ

を使って試されたという。

初期無形流、

つまり古典派は、

フィン・レスでこの滑りを体現するグループに光が当たった。

DFW=肯定を称揚する会などが、

知られているが、

正式には

「逆手陰陽進退会」

というのが平成後期に出現した。

このDFWのサンフランシスコ支部には、

バリー・マッギーという画家兼師範がいて、

世の普及にはいたらぬが、

老若男女問わず、

恒久的に会員を獲得している。

そしてメインというか、

最も多くの信仰を受けつつ、

最も主流となっているのは、

『天眞正島源流(ASP:現WSL)』

だろう。

これは昭和頃に成立し、

「伝統」

「術理」

「体系」

「哲学」

「近代」

「映像」

「通信」

「技術」

「思想」

「歴史」

「競技」

まるで専門学校の科目のように幅広い門戸で運営している。

競技を前面に押しだし、

ツアーと呼ばれる世界戦等をブロードバンドで生中継し、

サーフ・メディアの天下を取り続けている。

昨年は、

天眞正島源流が夢想減速流と手を組み、

令和WSLでの名勝負となった。

シリアスな波に乗る流派もあり、

こちらは、

極心一本流(ジョン・ジョン・フローレンス)

若心眼流本體(ナット・ヤングから続くアグレッシブの系譜)

滑心流(ジェリー・ロペスですな)

伯新明派(イタローが現在の当主)

剛貫流(グレッグ・ロングやマクア・ロスマンに代表される大波派)

円心連合会(カノアくんや大原くんたちが所属)

達瀧流興祭派(独自の文化と系統。アレックス・ノスト)

カレン流スレーター派(トム・カレンを始祖、伝統とする)

一伝系JOB術(体術天才マスターが掲げた大旗)

立身新神深流(カイ・レニーを生き神としている)

まだたくさんの流派があり、

ここに書ききれないが、

「波に乗ることは、理法の修錬による人間形成の道」と信じて、

私は今日も心身を錬磨するのであります。