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【サーフィン研究所:出張編】黒潮町大方の砂浜美術館_マルヤ・ピークとマルヤ・トリム_(2763文字)

幡多郡黒潮町。

ここは関東地方で言うと、

伊豆のようなリゾートにあたるのだろうか。

ここまでは、

室戸岬のスカシーからは車で四時間半程度。

高速道を使えばもう少し早いし、

あの狭い浦ノ内を通らないで済む。

またはガシラハウスがある青龍寺から黒潮町までは90km。

南へみっちり走ると二時間半後には、

松林の美しく長い砂浜海岸が見えるだろう。

入野海岸だ。

ここは、

大きな林も魅力的な、

昭和ロマンチックなビーチブレイク。

夏となると、

この砂浜の一角で、

全国的にも知られるイベント

『砂浜美術館』が開催される。

あまりの大盛況となり、

すでにNPO法人となったほど、

町おこしの成功例として今に知られる。

この元々は役場職員が、

デザイナーの梅原真さんに

「町おこしの良いアイディア」を提供されたのだが、

例によって、

前例がないからと、

町からは、

たった少しの予算しかもらえずに見切りスタートさせた。

すごいのがこの役場職員のお二人だ。

お名前を畦地和也氏、

松本敏郎氏と言います。

彼らは他の役場職員にはないほど、

大方町の行政の一案に情熱をむきだしにし、

力業で成功へ導いたのである。

そして今では、

高知県を代表する真夏の大人気イベントとなっている。

さらに二人を支えたのは、

入野海岸の有志「さざなみ会」だ。

(「現在「砂美人連:さみっとれん」に改名されている)

彼らは「町を担う大波になろう」

そう掲げ、

ど根性でさまざまな苦難を乗り越え、

最初のイベント

「Tシャツアート展」と、

「砂の彫刻展」を成功させた。

1989年のことである。

この成功物語は、

努力と情熱の量と時間に比例しながら進んでいった。

流れ着いた漂流物を宝として、

全国各地で展示したり、

砂浜でするバーベキューを

「海賊たちの晩餐」

というテーマで迫っているのも痛快だ。

これは私たちが属する

『ドラゴン・グライド・プロダクション』

に相通じるものがあると、

河合和尚に同意を求めると、

「海賊のスパークリングワインです」

「はい——」

「LPの片面が終わるころは、次のサービス時間です」

そう話はわけがわからない方向にこんがらがっていくのは、

スカイアンドシー・カフェのオープンを控えて、

河合さんが複数のタスクをしているからだ。

夜明け頃には、

タヌ浦の波を見ていた。

膝、腰くらいの波がある。

前日は18cmくらいだったから、

波はかなり上がったということになる。

感動的な瞬間だった。

ただ満月満潮なので潮が多かった。

このバックウオッシュのヨレを考えると、

波サイズ的にも広い砂浜のところが良いかもしれないと、

10分程度北上し、

きれいなラッキョ畑の横を通り抜けていった。

この入野海岸旧道沿いには、

お好み焼きの殿堂『マルヤ』があり、

マルヤ線上にある稜線に合致している

『マルヤ・クレスト・ピーク』を松林を抜けて、

波を見ると、

タヌ浦よりも波サイズがやや小さいが、

バックウォッシュもなく、

ライトとレフトと分けるようにピークしてブレイクしていた。

良い波である。

長丁場になるといううれしい予感があった。

酒蔵館の旦那からいただいたクーラーバッグに氷を入れ、

昨日の残りものの巻寿司を入れ、

ウォータージャグとカメラバッグをしょって、

ボードを抱え、波打ち際まで行き、

そこに基地を作った。

Catch Surf ©ODYSEA Plank 8’0″

.

コスタリカではないが、

着てきたままの格好で波に乗るのは夏の愉楽だ。

ボードを持つだけでそのままサーフができる。

すると、

ターボーくんがやってきたので、

冒頭の記念写真を撮ったのは、

私と彼が同年であるということに由来している。

ターボーくんは、

トリムラインに入る、

またはトリムラインに乗せるタイミングで、

こう両手を開く。

「まるでガルウイングやね」

本人はそう言うが、

なかなかのものである。

私はこれを「マルヤ・トリム」と命名した。

私のトランクス姿に触発されましたと、

フィッシュ使いのひろき君が笑顔で教えてくれた。

それからトオルくんという、

ビッグフィッシュの達人もやってきて、

剣豪たちで『最高のセッション』は極まっていく。

風というのが存在しないと、

波はこうしてツルリンとなる。

ツルリンにレイルを切れこませ、

斜面にシュッターと滑るのは、

快楽以外の何ものでもない。

ナッキーの里は沖縄であるので、

沖縄からやってきた波というプレゼントだ。

波を壊さないように、

最小負荷のパドリングと速度で始める。

そんなイントロのサーフィンがあった。

20mくらい乗れる波もたくさんあり、

ときにはその倍ほどの長距離滑走まであり、

そんな歓びを燃料にサーフしているあいだ、

ターボーくんが

「(店の)仕込みやで〜」

そう言って上がっていってしまった。

「最高でした!また、やりましょう」

トオル君はそう言い残し爽やかに去っていった。

グレイトサーファーはすばらしい。

やがて、

ひろき君も満面の笑みで上がって行き、

少しすると、

緩くオンショアが吹いてきたので一度上がり、

Tシャツを乾かすあいだボディサーフで遊んだ。

時計を見ると、

サーフ開始から4時間も経過していた。

ちょっとした浦島太郎気分だ。

梅原さんは、

砂浜を遊び尽くすことをイベントとし、

こちらは

「波を遊び尽くす」ことを本日のテーマとした。

最近体が鈍っていたので、

これでかなり基礎体力が付いたと感じるほど、

ボディサーフで遊びまくった。

高校生のときほどの空腹感マックスとなり、

待てずに11時半の開店5分前に到着すると、

マルヤはすでに開店していた。

さすがである。

白い暖簾が良い。

これはスターウォーズの冒頭で、

オープニングロールによってエピソードの進展が示唆されるが、

マルヤも同じように暖簾で店の清潔さをアピールしているのだろう。

本日は、

トンチーWチーズ・ゼンイチ流に、

カスコンの2本立て。

マルヤは、

お好み焼きの範疇を越え、

メキシカンのような風味のトンチーWチーズを世に誕生させた。

これにハラペーニョを加えたら、

本国メキシコに行ってもコンデ・コマ並ですぞと、

業界最強説が出た。

これは前日の同場所。

曇天で、

セットで18cm程度でした。

フィンがなければ乗れました。

これも前日のターボー氏。

お洒落で愉快なグレイトサーファー。

そして清潔でおいしいお好み焼き殿堂

「マルヤ」のマスターシェフであり、

私たちの仲間であります。

「このマルヤTが欲しい」と言うと、

冒頭に書いたTシャツアート展でヒラヒラしたものであるという。

食後、

「あるね屋」が近くにできたというので、

行ってみると、

なんと超名店『ノスタル』の韓国のりまきと、

旨ダレチキンが、

あのチエ・フォントでバリバリ展開されていた。

早速購入して頬張ると、

「ああ〜」

あの日のノスタル風味が蘇るのでありました。

【サーフィン研究所】黒潮町の一日_(1656文字)

Happy Surfing and Happy Life!!