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【サーフィン研究所:感動号続々編特大号】遣唐使空海と青龍寺_ブルードラゴンのみんな_空海ジロー_タイラー・ウォーレン2+1フィン・セッティング_(2619文字)

The Blue Dragon 2020 Summer

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(昨日、一昨日からの続きです)

遣唐使の学問僧として長安に到着した空海は、

猛修練の後、

真言第七祖である恵果阿闍梨(けいか・あじゃり)より

教法(みおしえ)を受け、

真言密教の伝承者として、

第八祖となる免許皆伝を託された。

元和元年(唐)、

大同元年(日本、西暦806)八月、

空海を乗せ、

上海付近の港から日本に向けて帰国の途に就いた。

留学生橘免勢
学問僧空海
日本ノ国使判官高階真人上言ス
前件ノ学生 
芸業稍ヤ成リテ 
本国ニ帰ランコトヲ願フ
便チ臣ト同ジク帰ランコトヲ請フ
之ニ従フ
(旧唐書より)

遣唐使船は、

半数近くが遭難、沈没している。

8月〜9月ともなれば、

ご存じのように台風がたくさんやってくる。

なぜこの時期に遣唐使船なのかは、

さまざまな説がある。

私が推したい説がある。

それは、

当時の唐を絶頂期に導いた第9代皇帝の、

玄宗(げんそう)に由来しているのではあるまいか。

遣唐使船は、

唐では重要な皇室儀式が秋に多く、

その贈りものや伝令人を乗せてくるため、

8月就航に合点がいくという説を立てている。

話は逸れたが、

遣唐使船の空海は、

2年前の入唐に際して大きな台風に翻弄され、

長安からはるか2400km東の、

長渓県赤岸鎮(せきがんちん)まで漂流している。

百済滅亡(660年、668年)後は、

東シナ海のルートしか使えなかったので命からがらの渡航だったのだ。

(赤と青のルート)

しかし帰国するには、

当時では航行は最上の手段であり、

またこれ以外の方法はなかっただろう。

「空海

大唐より還えるとき数々漂流に遭うて

いささか一つの小願を発す

帰朝の日

必ず諸天の威光を増益し

国界を擁護し衆生を済わんがために

一の禅院を建立し

法によって修行せん

願わくば善神護念し

早く本岸に達せしめよ」

(高野雑筆集より)

不動明王にこう念じ、

誓いを立てたとあった。

上の文章を現代語にすると、

「無事に帰国できた際は、

国を護り、

人々を済うため、

寺院を建て、

法によって修行いたします。

善神さま、

どうぞお護りいただき、

無事に日本の陸地に到着させてください」

すると、

嵐の海に不動明王が現れ、

剣で波を切って時化を凪に変え、

一行を救ったという伝説が残されている。

空海は、

不動明王との契りのことを嵯峨天皇に奏上し、

「有縁の地」

である土佐横浪島に青龍寺を創建したのだ。

ちなみに青龍寺は、

唐の大師範「恵果和尚」の寺にちなんで、

唐の青竜寺と同名であり、

空海が念を入れて木彫りした波切不動明王を本尊としている。

独鈷山。

青龍寺奥の院。

この空海稿、

ひとまず終わります。

The Blue Dragon 2020 Summer

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カタサバ先生つながりで、

空海の寺までやってくると、

生まれて初めて見る放射状の朝焼けがやってきた。

これも空海の仕業だろうか?

いまだに波が続いていて、

波チェックをしていると、

夜明け前からサーフしていたというジェット・アキラくんと、

辻裕次郎くんに会った。

裕次郎くんは、

公平さんを阿闍梨(あじゃり=師範)とするスゴウデサーファーだ。

彼のインスタグラムを見ると、

こんなスゴ波に乗っていた。

すごいなぁ。

ジェット・アキラは、

エアとGoProの達人でもあり、

勝浦リーフで私をボンザー1971を撮ってくれたことが忘れられない。

「ヨゲさんも来ていますよ」

そうとも言っていた。

彼らに会えるのは縁起が良いと、

嬉々としながらパドルアウトすると、

知った顔が見えた。

鉄兵さんだ。

たまちゃんにしんじょうヤスくん、

ハイカラMに川村さん、

クルミちゃんに山ちゃん、

ゼンイチくんに学くん、

よっちゃん、

ブッチさんたちがいて、

さらには前出した

「波切不動明王の生まれ変わり」

とされるノブくんまでいて、

セッションというか、

サーフ・サマー・ジャムは盛り上がり、

長時間サーフして目玉が焼けてしまった。

やたらと暑いので、

数本だけの約束で波乗りを撮ってもらった。

Tyler Warren “The One Off 2+1” 6’5″

Greenough Center 8″+Vektor VMK

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まるで小さい日のパイプラインである。

人生最長の、

泡の中を滑り続けるという体験をした。

画像は44枚もあるのだが、

ただの泡なので割愛するしかないのが残念だ。(笑)

インサイドまで泡の中を滑り続けた。

視界ゼロなので、

滑る感覚だけで、

時折フィンレスのようにレイルを立てて加速したりもした。

泡からなんとか抜けてくると、

前出したしんじょうヤスくんが一緒に乗っていて、

彼は信じられないという顔をして、

こちらを見ているのがうれしかった。

うれしかったと言えば、

ちょうど着替えを終えて、

空海のことを考えていると、

「かんたんでした!」

ジローくんの声がする。

え!?と見ると、

そこには父ちゃん=アキくんと、

タローくんが乗った車が停まったのだ。

「かんたんです!」

そんな心もちで、

陸路900km弱をやってきたご一行。

ジローくんとタローくんに、

「父ちゃんが疲れたときに代わってあげたの?」

そう言いながらハンドルを回すポーズをすると、

笑いながら首を横に振っていた。

波が大きいので、

ジローは見学だと言う。

空海二世、

つまり弘法大師2世とされるジローくんに道の駅で、

名物「IKEさんのプリン」を奉納すると、

「弾力があっておいしい〜」

と言いながら左利きでプリンプリンと食べていた。

まさかまたジローに会えるとは!

2日前の「夢波」ポスト以来、

「タイラー・ウォーレンの2+1の、

フィン・セッティングを教えてください」

と多くのリクエストをいただきました。

Tyler Warren “The One Off 2+1” 6’5″

Greenough Center 8″+Vektor VMK

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センターには、

ミラーからプレゼントされたグラスフィン(グリーノウ・8”)だが、

今回からサイドにVEKTOR新作VMKを使ってみた。

カーボン・ファイバーの剛性が根にあり、

先端にかけてハニコム・コアの複合フィン。

ティップに向けてしなる様(さま)が想像できる。

どこが良いのかというと、

やはりネバリをサイドフィンで表現し、

安定度はセンター・フィンに委ねるという感覚がある。

長くなってしまいましたが終わります。

暑い〜!

【巻末リンク:この三部作の冒頭】

【サーフィン研究所:感動号】空海の見た夢と私が見た夢波_(1476文字)

Happy Surfing and Happy Summer!!