コラムの依頼があって、
サーフ・ブレイクと書いていて気づいたが、
「サーフ・ポイント」と言うサーファーがほとんどだろうか。
Catch Surf® Skipper Fish Ⅵ 6’0″
Nakisurf Original Twin + Vektor VMK
at Misakimachi, Tosa
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多くの人が混同しているが、
サーフィンをする場所は、
岬に沿ってブレイクする場所だけをポイントと言う。
なので、
この辺りでは室戸岬だけがポイントであり、
徳島県まで行ってもシークレットくらいしかポイントはない。
土佐の西にいくつかあるが、
サーフポイントというのは、
そのくらい少なくて稀少なのだ。
よって、
波に乗る場所はサーフブレイクとか、
サーフスポットと表記するのが正しい。
なぜこだわって書くのかと言うと、
ポイントというのは、
あくまで岬波として限定させておきたい思いがあるからだ。
「カリフォルニア州のサンクレメンテには、
たくさんの良波がある」
そんなことを聞いた。
それはまだ1980年代のことだ。
サンクレメンテには縁がある。
当時は私の用具のスポンサーはアストロデッキで、
その会社関連のコンドミニアムが、
(生活できるホテルのようなもの)
サンクレメンテのカラフィアにあった。
「3週間使ってよろしい」
そんなことになり、
LA国際空港から2時間近くかけて、
サンクレメンテまでたどり着いた。
どこでサーフするのが良いだろうか?
そんな良い波の街なら、
ハッピーサーフィンできる場所があるだろう。
市民公認の楽しくできる公園みたいな波もあると聞いていた。
まずはサーフショップに行き、
ワックスや小物を購入しながら、
「この辺りのサーフポイントを教えてください」
そう聞いてみると、
「うーん、この辺りならコットンズとチャーチくらいしかないぞ。
サーフ・ポイントなら北に行くと良い、
サンタバーバラ辺りにはたくさんあるよ」
そんな途方もないことになってしまった。
ちなみにサンクレメンテからサンタバーバラまでは、
170マイルもの距離だ。
これをキロメートルに換算すると、
約270kmも離れたところに行けと言っている。
サンクレメンテは波の宝庫ではないのか?
きっとこれは、
人種差別かローカル問題等で教えてくれなかったのだろうと、
そんなことで落ち着き、
この記憶を残した。
それから少し経って、
「サーフポイントというのは、岬波という意味」
だと知り、
あのときの意味がわかった。
ポイント=岬という意味で、
あの会話を思いだすと、
人種差別だったり、
ビジターへの仕打ちというわけではなく、
じつに正確なる回答だったとわかったのだ。
ちなみにこのときの店員がスティーブで、
とても仲良くなり、
彼が大学を卒業するまでよく一緒にサーフしたものだ。
さて、
ポイントというのは、
言葉的に何にでも根強い。
「グルメポイントを教えて」
とか、
「釣りのポイント」
というように使われている。
「勉強のポイントはここです」
そんな違う意味も含めて、
じつに多様に使える言葉だろう。
サーフィンに使用している元々は、
そんなことから定着した言葉だろうが、
流用しなくても、
サーフィンは独自の用語があるべきだし、
戦時中のように「波乗板」と言わず、
サーフボードと言っているのなら、
英語表現に拠(よ)るべきだというのがこの考えだ。
この話は長くなるのでここまでとするが、
深くサーフィンのことを知る人は、
サーフ・スポット、
またはサーフ・ブレイクと発音したい。
さればサーフィンに対しての深みがより増すはずだからだ。
Happy Surfing and Happy Lifestyle!
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