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【サーフィン研究所】暴風雨_カイコー先生に感激する_(1170文字)

雨が止まない。

これは雨が降り始める前の一瞬だ。

ご近所の森田さんとハイラインを一緒にやっている画だが、

漁師である彼もまた「今年も天候が変やね」という。

海水温が上がり過ぎて、

海藻は生えず、

よって生態系全部に異常をきたしているという。

@urbanislandscietyjapan

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暴風雨、または豪雨、

猛雨、長雨が続いている。

佐賀県、

長崎県、

福岡県、

広島県が深刻だが、

他地域もかなり降っているので、

どこも被害が少なくあってほしい。

閑話休題。

強烈なる氏と出会った。

氏は、

まるい鼻が開高健(かいこう たけし)さんとそっくりなので、

こちらは勝手にカイコー先生と名づけた。

本物の開高さんは、

すでに鬼籍に入られている。

彼は戦後、

寿屋(サントリー)の宣伝部として、

キャッチコピーの名作をイチローさんや

ショウへイ・オータニのホームランのようにかっとばしながら、

空いた時間で小説執筆をすると、

かんたんに芥川賞を受賞してしまった。

その賞の裏書きを担保に入れ、

ベトナム戦争の最前線取材を自ら希望し、

特派された先で結果文字通り九死に一生(部隊200名中183名死亡)を得て、

苦悩しながらも、

好きな釣りをしながら、

酒を飲み、

食べもののこと、

そして戦争という痛烈なものを通過した体験や所行を書き続け、

それら全てを『開高文学』まで昇華させた作家である。

さて、

こちらのカイコー先生は元バンドマン。

ほとんどの楽器が演奏できる音楽好きであり、

酒を愛しつつ、

波乗りもびしりとなさる達人である。

若いときは、

空海に魅せられ、

仏法修行のために四国の山林、

そしてサンスクリットを学ぶためにインドを放浪したという。

まるで僧侶のようにさまざまなことを知るカイコー先生がこんなことを言った。

弘法大師・空海の言葉であるという。

「仏法はるかにあらず、心中にして近い」

この意味は、

「仏(神、真理)はあなたのまわりにある」

ということだろうか。

放浪達人のカイコー先生が悟ったのは、

難行苦行しても仏や即身を得られるものではないという達観だった。

なので、

不良に見える毎日を送られていても、

瞳は爛々と輝き、

海では、

分厚いリップ下からさっと立ち上がり、

そのまま波の中に吸い込まれ、

吹き出すスピットの霧から現れる。

陸でお会いすると、

笑いながら酒を飲みつつ、

空海や釈迦の言葉をさらりと発する。

それとなく「あまねく光」について聞いてみると、

「私は妄念や欲望を燃料として生きています」

そう言いながら笑った。

そうか、

あまねく光というのは、

純潔なものではなく生命そのものだと気づいた。

そんなことを教えてくれたカイコー先生は、

まるで虹色に輝いているように見えた。

【巻末リンク:ウイスキー】

【サーフィン研究所奄美支局】ウイスキーのススメ_(サーフィンの)真理と煩悩はどこに?_(1855文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyle!!