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【サーフィン研究所】村上春樹文体の孤独の旅路_小法王の確率論_(1044文字)

Sting 1973 Ben Aipa / Hiroyuki Maeda

6’2″ x 21″ x 2-1/2″

.

重い波を駆け抜けていた。

気がつくとそれは夢で、

波に乗っている感覚の余韻が残っていた。

夢を見たのはひさしぶりだった。

僕はそれが夢だと気づくまでにしばらく時間がかかった。

ドラグラ・プロダクションズに広報誌からの依頼があり、

それは村上春樹文体でサーフィンを書いてくださいとのことだった。

だったら*先週ここで取り上げたムラサバさんが適役だろう。

(*巻末リンクを参照ください)

本題に触れてすらいないが、

1973年デザインのスティングは、

シングルフィンとは思えないほどテイルを絞り上げられる。

で、

華厳さんにムラサバさんに連絡していただくと、

「孤独の旅路に出ています」

まるでニール・ヤングの歌詞のような返信があったという。

仕方がないので私が書くことになった。

冒頭部分だけというか、

「法王」関連がボツになったので、

こちらに掲載させていただきました。(笑)

一.

安芸方面に車を走らせていると、

「たたみ」の文字が目に入った。

これはラカ法王の生家〈サンエーハイツ〉の前が「たたみ屋」で、

僕たちはこの駐車場を使わせてもらっていた。

「たたみ」と見えたときはほんとうに嬉しかったですね。

思わずにこにこしてしまった。

こうして生活の中に「小法王」(小さいけど、法王に関すること)を見出すためには、

多かれ少なかれ自己規制みたいなものが必要とされる。

たとえば、

我慢してたくさん運転した後に飲むきりきりに冷えたスパークリングワインみたいなもので、

「うーん、そうだ、これだ」と一人で目を閉じて思わずつぶやいてしまうような感興。

それがなんといっても「小法王」の醍醐味である。

そしてそういった「小法王」のない人生なんて、

かすかすの砂漠のようなものにすぎないと僕は思うのだけど。

二.

安芸の先にある波に乗って、

タンクの水をたっぷりと浴びてスカシーに帰ってくると、

ハーディのスパークリングがとてもおいしい。

高知にいると、

ときどき藤沢の〈大新〉の冷やし中華が食べたくなる。

高知にもラーメン屋さんはいっぱいあって、

僕もときどき食べにいくけれど、

それはそれとして、

大新の冷やし中華というのはなかなか不思議に懐かしいもののひとつである。

【巻末リンク:ムラサバさんアーカイブ】

【サーフィン研究所&ドラグラ・プロダクションズ】スカシー室戸で『波の歌を聴け』の表現特性_(2106文字)

【巻末リンク*2:ムラサバ先生の名作】

【サーフィン研究所&ドラグラ・プロダクションズ】両界歌合戦の『ラカリマス・イブ』作詞家本人が語る想い_よいお年をお迎えください!_(3574文字)

Happy Surfing and Happy Summer!!