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naki's blog

【サーフィン研究所&ドラグラ・プロダクションズ】スカシー室戸で『波の歌を聴け』の表現特性_(2106文字)

Catch Surf® Skipper Fish Ⅵ 6’0″

Nakisurf Original Twin + Vektor VMK

182cm at 8Sec. S

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バリの高間教授とやりとりしていると、

トルストイからヘミングウェイなどのロシア〜純文学へと話は移っていった。

もっと書くと、

彼は熱狂的なハルキニストだとも聞こえてきた。

「ハルキニストとはですね、

『やれやれ』とか、

『もしもし』とメールやSNS等にタイプしつつ、

毎晩パスタを茹でているような人たちですよ」

瀧朗が電話口でそう教えてくれた。

よくわからないが、

そうであるらしく、

もっと書くと、

英語翻訳版ハルキニストに、

ダニエラ(総帥のパートナー)や、

その周辺のスノブとクールの中間くらいにいる人たちもそうであるらしかった。

(総帥については巻末リンクを参照ください)

ハルキニストについてドラグラ・ZOOMで話していると、

「ドラグラ・プロダクションズには、

ハルキニストが書いた原稿が届いているんですよ」

華厳さんがそんなことを言った。

ちなみに華厳さんは私たちの師匠であり、

国文に精通する昭和20年男である。

どれどれと見てみると、

ペンネームが村上鯖樹とあった。

いくらドラグラ・ファンでも、

「これではミヤサバ先生やカタサバ先生の真似ではありませんか」

「僕もそう思ったんですよ。けれど読んでみるとぐいぐいと」

「ぐいぐいと?」

「そんな文体が続くハルキニストだと思って、忘れなかったんですよ」

送っていただいて、

読んでみることにした。

波の歌を聴け

村上鯖樹

.

「完璧な波乗りなどといったものは存在しない。

完璧な波が存在しないようにね。」

僕がサンディエゴの大学に行っているときに知り合った人は僕に向かってそう言った。

僕がその本当の意味を理解できたのはずっと後のことだったが、

すくなくともそれをある類の慰めとしてとることも可能であった。

完璧な波乗りなんて存在しない、と。

しかし、それでもやはり波に乗るという段になると、

いつも絶望的な気分に襲われることになった。

僕が乗ることができる波はあまりにも限られたものだったからだ。

例えばこの波に乗れたとしても、

明日の波には乗れないかもしれない。

そういうことだ。

文章はずっと続いていった。

華厳さんに連絡して読んだことを伝えると、

「名作です」

そうきっぱりと言う。

「でも、オリジナルの文体の祖というか、

カート・ヴォガネット風はどこに行ってしまったのでしょうか?」

「そこなんだよ。けどね」

「はい」

「これは1章と38章が対になっているんだよ」

「対ですか…」

「そう。もっと書くと、この小説はオリジナルと同じで、

2章と39章が額縁構造になっているんだよ」

「ガクブチですか」

「そう、ナガブチじゃないよ」

華厳さんはそう言って笑った。

「で、華厳さんはどんな完結と読み解いたのですか?」

「物語は終わらないね」

「やはり終わらないんですね」

「世界を広げたまま終わる」

「へえ、私もそうでしたけど、

それでは読者はわからないですよね」

「そこなんだよ。それを読み解くのが文学であり、

それがハルキニストの愉しみなんだと思うよ」

「なるほどです」

よくわからないが、

文学とはそういうことらしく、

この小説の中の波乗りもそうであるようだった。

さて室戸。

いよいよ本日四国が梅雨明け(ドラグラ予測)だというので、

その記念の朝陽を撮りに行くと、

湿気の多い世界がそこにあった。

こんな書き方をしてしまうのは、

ムラサバ先生の文体が憑依したからであり、

しかし少なくとも、

書くたびに自分が啓発されていくようなものじゃなくちゃ意味がないと思う。

文学話はここで終えるが、

スカシーがある室戸市岬町は、

海に向かって正面に朝陽が上がる。

右手の南側を見ると、

龍に見える雲が浮いていた。

ちょうど御厨人窟(みくろど)の上空くらいだろうか。

夏休みとなったシギーGがやってきた。

彼は熱心な空海ニストであるので、

この空海が修行したと伝わる御厨人窟(みくろど)や、

室戸山明星院最御崎寺に行ってきた。

で、

前述したムラサバ小説の挿画が最御崎寺であるのは、

私も便乗してお詣りしたからだ。

白い波涛が吠えたてる室戸岬のいろいろの後は、

道の駅の名店

『キラメッセ室戸』に行った。

ここでは、

小島総料理長御用達の土佐備長炭のハネ(B品)が販売されていて、

おいしいもの研究所の所員たちは、

この銘炭でどんな食べものを焼くのかを思い浮かべるのだった。

「キラメッセに来るのがひとつの夢でした」

というシギーは、

逆上してこんなにお弁当や惣菜を買い込むのだった。

さらに室戸魚類販売の殿堂

『浦戸屋』に行き、

ハガツオを求め、

これが午餐のメインになった。

室戸編おわり。

【お知らせ】

私たちの大好きな、

宗安寺のSO-ANに東田トモヒロくんが来るとあり、

日付は7月30日の18時。

小さなベニューなので、

要予約でしょう。

088-844-6848 →SO-ANさんまで。

【巻末リンク:総帥について】

【ウナクネ大全】天上天下唯梵参独尊_アレックス・ノスト総帥は龍顔麗しく教会岬にお着きになった_(1887文字)

【巻末リンク*2:スカシー室戸】

【サーフィン研究所】スーパーフードの室戸パウンドケーキ完成とマンダラ・コーヒー編「芸者という誤記」_(1288文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyle!!