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【サーフィン研究所】信仰と実在のクアトリーノ_総料理長のモナコ公国&伊豆波_(1485文字)

湘南に出発する前の千葉クアトリーノ。

すばらしい波質に、

後ろ髪を引かれる思いだった。

ここは砂鉄のバンクが形成され、

さらに複数(およそ2から3方向)のうねりが合わさると特級波となる。

だが、

その特級波への乗り手が、

賛美に値する波内面を得るには、

鮮烈な奔走と、

徹底的な失速のコンビネーションにその結実の答えがあるようだった。

Photo by @supertakibishiyasu

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タキビ神が撮ってくれた私@クアトリーノ。

あまりの無人ぶりにここは、

半ば信仰、

半ば実在のような場所だと感じ始めた。

それはまるでイーグルスが説くところの

『ホテル・カリフォルニア』であり、

宮崎駿さんが発句された

『千と千尋の神隠し』の劇中のような気分になってくる。

最近マンダラコーヒーが評判で、

長年に渡るNAKISURFファミリーのFgさんまでが、

この世界に飛び込んできてくれた。

コーヒーの研究に余念がないのがナッキーで、

一級焙煎士として、

大車輪の活躍はタキビ神である。

彼らの研究はすさまじく、

最近はレモンティからアールグレーという風味の流行があるようで、

私は違う方角のチョコレート風味の濃さに立ち戻っていた。

鎌倉にやってくる大きな理由のひとつは、

総料理長とお会いすることでもある。

私は、

『室戸おいしいもの研究所』や、

『マンダラ・コーヒー』の研究員である。

さらに日々において料理好きを自認しているので、

総料理長こと小島景さんの

『ささやきレシピ』を受け継ぎたいと感じている。

総料理長は、

鎌倉野菜にたゆまない視線を向けつつ、

季節という角度で作物を俯瞰されている。

その質量からの熱という境地を観想し、

野菜に直接触れて、

特定の印契(いんげい)を結んでいく。

「いま、セロリがおいしいよ」

総料理長の黄金のささやきを受けた私は、

一束の代金である200円を生産者さんに渡した。

このセロリはほのかに甘く、

うっとりとするような、

さわやかな香りがした。

総料理長の目指す求心をセロリが代弁しているようで、

それは味覚体験と合致しつつ霧散していくような感覚を受けた。

その後総料理長には、

『世界で最も裕福な場所』

と知られるモナコ公国の面積や、

その象徴とも言えるオテル・ド・パリ(Hotel deParis)内にある、

ルイ・キャーンズ(Louis XV)のこと、

それら5年間に渡る副料理長だった日々のかけらを語ってくれた。

Panoramic view of La Condamine, Monaco.

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総料理長フランク・チェルッティ(Franck Cerutti)のことはもちろん、

さらにはサービス・マネジャーのミッシェルとの*一幕や、

フランクと小島さんの師匠である

アラン・デューカス(Alain Ducasse)のことをうかがった。

(*ロシアの大富豪がキャビアを所望し、

それを彼らはどうしたのかという話)

総料理長は、

私たちと同じくらいサーフィンが大好きなので、

来週行くであろう伊豆の話をすると、

「ハタチのときに白浜に行ったきりだよ〜」

そんな37年も前の青い海の記憶を思いだされていた。

伊豆好きの私は、

誰も来ない海岸にやってくるバレル波のことと、

須崎のあふれ続ける温泉民宿のことや、

鍋田浜や爪木崎の美しさをお伝えすると、

どうにもとっても行きたそうだった。

Takiro at Izu

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Pope Raca at Izu

【巻末リンク:伊豆波】

【サーフィン研究所:特大号】伊豆西風のサーファーと銘ブリ_(2790文字)

【巻末リンク*2:これも伊豆】

伊豆の佐々木さん_サーフ写真家への対価_(2321文字)

【巻末リンク*3:伊豆の良波】

【特大号】伊豆下田波3日目_ター師範と奇跡のアッチー_(3456文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyles!!