昨日もお伝えしたが、
コスモス・サーフボードが始動した。
ありがたいことに、
早速NAKISURFの友人たち、
そしてファミリー・ユーザーからメッセージや質問が多数届いた。
彼ら、
彼女たちの興味の順にモデル名を書くと、
1.フィッシュ
2.ボンザー
3.TheOne
だった。
TheOneとあるが、
元々は、
タイラー・ウォーレンによって、
「究極のサーフボード」として作成された
2+1のアップデート版だ。
Cosmos Surfboards
TheOne (旧モデル名: The Mid-length 2+1)
6’8″x 19-5/8″ x 2-1/2″
Nakisurf Original Twin-Fins
.
この場合のアップデートとは、
サーフボードを全体的、
そして部分的に解体し、
それをより優れた造形のタッチを加え、
高度なクラフツマンシップで製作することだ。
コスモス・サーフボードのクラフトマンは、
エンスー度数が濃い前田博士だ。
7%とか9%といろいろあるが、
彼の場合は、
エンスー度100%と言っても過言ではない。
「ジ・オンリー・ハカセ・ノウズ・ザ・フィーリング」
サーフボード・ブランドに有名なタグライン(キャッチコピーのこと)があるが、
まさにそんなことだ。
エンスーとは、
ナベゾさんこと渡辺和博さんの提唱で、
「マニアのなかのマニアのこと」。
たとえば、
前田博士はグラッシングと、
ホットコートは、
室温や湿度を変えるほどこだわっている。
こうすることによって、
長時間かけて最適に完全硬化させるのだという。
私は、
数年間だけアメリカの大型サーフボード工場に住んだ。
工場で暮らしたのだ。
なので、
そこにやってくる、
または雇われている工員&職人たちの技術や勤勉さ、
または賃金や労働環境による不平不満をおよそすべてを知っている。
なので、
こうして博士のような前向きな人だけが、
サーフボードを制作するのはサーフボードにとって輝かしいことだと思う。
アメリカだからというわけではないだろうが、
「いいかげんにやる工員」もいるし、
家ローンの支払いに鬼の熱量をかけている職人もいた。
勤勉はいいのだが、
より多くの報酬が欲しいので、
多くの工場を掛け持ちして、
のみならず、
ボードが早く硬化するように部屋の温度と湿度を上げ、
硬化剤をPU樹脂が熱を帯びる寸前の量まで入れていた。
それで彼は一日に何十本もグラッシングしていたのだ。
幸運なことに彼は、
有名メーカーのグラッシングを担当していたので、
私がプロデュースするシェイパーのボードには触れなかった。
彼はこのことを
「秘密にしておけ」と言いながら自慢した。
こんなプロセスを経たサーフボードは弱くなるのだが、
膨大なプロセスの一部である彼の非というのはわかりづらいのと、
慢性的に人不足のサーフボード製造業界は、
彼をとがめることも、
また突き止めるようなこともしなかった。
話は逸れた。
2+1とTheOneのことだった。
この2モデルは、
同じ系統に属する。
仕分けをどうしようかと考えていた。
このデザインの元々は、
それまでのサーフボードの造型に敬意を払って、
タイラー・ウォーレンがマスターピースを完成させた。
今度はそれをモチーフに、
前田博士が私の使うフィンや体重などを考慮し、
オリジナルの真意を理解して、
さらにちょっとした流体デザインの機能を施した結集が、
「コスモス・サーフボード」だ。
だが、
商法的には大きな欠点がある。
なぜならば、
博士がたった一人で作るので、
完成までに少なくとも半年から、
または1年かかってしまう。
なので、
ビジネス的にはしんどいが、
そんなことよりもサーフボード・プロデューサーの集大成として、
こんな真摯なブランドを作りたかった。
30年以上もかけてついにたどりついた。
「次世代に継承できるサーフボード」
こんなことを考えたメーカーはなかったと思う。
だって、
サーフボードというのは、
数売ってなんぼの世界だから、
新モデルをどんどん作って、
広告とか、
プロやライダーに乗せてヤンヤやらないとならないのが、
この業界の常だったからだ。
だけど、
本当にすばらしいサーフボードが必要になったら、
コスモス・サーフボードだと思い出してください。
どうぞ末永くよろしくお願いします。
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Happy Surfing and Happy Lifestyles!!
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