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【サーフィン研究所:連載】彼女の島-8_(667文字)

【サーフィン研究所:連載】彼女の島-6_(324文字)

【サーフィン研究所:連載】彼女の島-7_(403文字)

〜7号までのあらすじ。

1970年代、

ノースショアに住む主人公は、

タウンに向かう途中で美女と一緒にタウンに行くことになった。

彼女はマウイ島に住んでいて、

ワイキキでサーフする約束を取り付けると、

「ぼく」は物語のストーリーが浮かんだ。

8.

軽い食事を求めてカカアコに寄ったのは、

アーバン・アイランド・ソシエティと、

ポルトガル料理のおいしいお店がここにあるからだった。

パンチボウル・ストリートを右折して、

海に向かっていく道路のひとつ手まえのわき道へ、

ぼくたちを乗せたフォード・ランチェロは入っていった。

ほんの少しだけ走ると、

左側に木造平屋建ての青い屋根の建物があった。

ドアの縁だけが屋根と同じ青、

白い壁は民家そのものだ。

看板すら出ていないのだが、

スライド・ドアを開けると、

せまい店だが、

4人掛けのテーブルが3つあって、

カウンターにも3人も座れるようになっていた。

店主が調理場から手を拭きながら出てきたので、

「2スープ、オールソー、

2ダブォチーズ・サンドウィッチ、

プット・イン・ザ・バッグ」

と、ぼくは言った。

そして店主は、

「YEP」 とこたえた。

三文字でできている平凡な一言による返事だったが、

ハワイに生まれ育ったポルトギーの発音としては、

完璧だった。

その完璧さのなかに、

ぼくは懐かしさを覚えた。

「それからタイ・アイスティもふたつ」

「OK」

店主はカウンターの角にある注文用紙にインク・ペンで符号のようなものをざっと書き、

エイプロンを締めながら調理場のドアの向こうに姿を消した。

窓の向こうには、

林に向かってカメラをかまえる夏子が見えた。

(9に続く)