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naki's blog

Cole interview 2007!

新年になって、ものすごいうねりが届いている。
少しグロッキー気味です。

今日はさらにサイズアップし、こんな波がブレイクしています。
イナリーズもそろそろ本気を出してきたようで、こうなるとなかなか手をつけられないのも実情。

実際に見ると、恐ろしく、写真で見るとマンガみたい。
信じられない。
これは8フィート(トリプルオーバー)近くある波のホスピタルセクション…。
サイドカレントがすごく、時速4マイル(約6.4km)で流れています。
かなり速く、今までの記録かも。
ショアブレイクで立っていられずに、足が付くと転ばされる。

さて、新春企画第一弾として、昨年末に行ったコールインタビューに今日コールと話して、一部加筆しました。

彼の確かで豊かなサーフボード理論がわかると思います。

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Cole interview 2007!

船木:
コール、今日はボードの話をしよう。
細部に渡って、誰にでもわかりやすく、詳しく説明して欲しい。
時間は大丈夫でしょ。
まずはレイルかな?

コール・シムラー:
どんな説明をすればいいんだ?

船木:
レイルって色々あるでしょう。
丸かったりエッジがついていたり、それってどうやって位置を設定、または設置しているの?

コール・シムラー:
じゃあまずはエッジの話をしよう。
たぶんNAKIの言っているエッジというのはタックエッジ(TUCK EDGE)のことだと思う。これはボトム面が少し角張っているのだけど、これは主にテイルに付けられていて、サーフボードをコントロールするのに必要だ。
でも、このタックエッジの面積、いや距離が多くなると、逆にコントロールが難しくなる対極の性質を持っているから少しやっかいとなる。
だからノーズからずっとフロントフィン付近まで丸いレイルで落としてきて、バックフィンでこのタックエッジをつける。
この角度も重要で鋭ければ鋭いほどターンの角度に敏感で、ある一定のターンでないと機能しなくなる。だからある程度丸めてあげてフォーギビング(許容範囲を広く)させるのさ。
このタックエッジのついている範囲が短くなると、サーフィングはよりスナッピー(切り返しが鋭く)となり。長くなると、食い付きすぎて、スピードが遅くなる。でもこれがないとヌラヌラした波乗りとなり、乗っていても波乗りがつまらなくなる。(笑)
俺はテイルから計って1.25’(約38cm)のところから始めるようにしている。
でも、ボードの性質でロッカーを多く付けたボードは少しノーズ寄りから始まり、テイルの少し前で止めたりもしている。
いつも言っているけど、ボードシェイプは数字じゃなくて、全てが合わさった協調、つまり交響曲のようなもので複合の美なんだ。
だから自分のサーフィンをスナッピーにしたかったら、タックエッジだけではなく、全てをいじる必要があるんだ。
オーダーカードに「タックエッジを強めで短く」って書いてきても、このユーザーがサーフボードに詳しいなんて思わないし、どうせ誰かの受け売りだろう、って疑うよ。
いいサーファーからのオーダーって、「こんな波乗りがしたい」って、かなり漠然としているから。(笑)

船木:
レイルの次はロッカーについて教えて。

コール・シムラー:
ロッカーも魔物だなあ。(笑)
まずはエントリー(始まり)のロッカーだけど、これはテイクオフするときに胸をボードに近づけて、低い姿勢になる。
その姿勢でエントリーロッカーがマキシムになるように設定している。
平らになるほど、最大限のボード浮力を使える。
ということはテイクオフやパドリングが速くなる。
そのまま本ロッカーに入ってくるわけだけど、ここはアウトラインが重要で、ロッカーはアウトラインと3D曲線でつながっているのはわかるでしょ?
俺が分析すると、オーストラリアのボードはロッカー、さらにはテイルキックが強いというのが特徴で、これはパワーのあるいい波ならいいのだろうけど、カリフォルニアや日本の波だとスピードが出づらい。
小さい波で速度と距離を稼げるのはこのロッカーバランスによるもの。
これは乗っていると気がつきにくく、ライダーはロッカーがある方を「ボードが動く」と評価しがちだけど、ビデオを撮影すると「実はロッカーがある方が遅い」ということが判明するだろう。
次にテイルロッカーだけど、リフトさせた方がターンしやすいのだけど、ありすぎるとターンの時にスプレイが飛びづらいから、この微妙なところを調整するというのがシェイパーの腕の見せ所さ。
ボードデザインによって、正しい量や角度のロッカーがあるからそれをボードデザインに反映させているんだよ。

(明日に続く)


8 thoughts on “Cole interview 2007!

  1. manga

    イナリーズ本領発揮ですね!
    8フィートで、このリップの厚さ!
    そして高速カレント!
    こわい…..(汗)

  2. kenboku

    おー、すごいですね。
    真ん丸ですね。
    エネルギーの塊。。。パワープラントですね。

    僕も一度はここでもまれてみたいです。ニカ。

  3. バリーのボンズ

    なんじゃこの波はー!
    トリプル??怖ぇ~。

    しかもビーチに立つとって書いてあるのでやったのかい??

    究極です!おみそれー

  4. Fg

    まさに川のような勢いですね!ひえっ?。お供え物は忘れずに?!! Cole interview、とても勉強になります明日も楽しみにしてます!!

  5. ふなき

    mangaさん、
    ANAのジェット気流よりはましです。
    このリップの厚さは危険です。
    ダックダイブしたら体が輪切りになります。
    駅伝残念、6分差でした。11時間12分7秒はすごいです。

    kenbokuさん、
    パワープラント、その通りで、これで発電したらすごい電力を得られそうです。
    ワイキキの電力を一発の波でまかなえます。
    もまれに来てください。

  6. ふなき

    バリーのボンズさん、
    ↑はきんちゃんですね。
    もちろんです。
    巻かれて、鍛えて、明日につなげています。
    アンディ・アイアンズもジェットスキーできていました。
    このカレントに立ち向かうためには、文明の利器がないとだめなようです。
    アンカーを置いて、という案もあるのですが、アンカーまでパドルができません。
    全開で漕いでも戻されます。

    Fgさん、
    お供え物は忘れずにです。
    コールインタビュー、また今日も電話で話して加筆しますのでお楽しみに!

  7. markee.

    たかが、1枚のボードですが、すごく複雑なラインで結ばれているんですね。
    とても感心させられます。
    イナリーズの水量は半端じゃないですね。
    何t?でしょうか。
    とても重そうです。

  8. ふなき

    markee.さん、
    これはお稲荷さまの怒りのようです。
    この下はきっと何十トンもの圧力がかかっているのでしょう。