タキビ神がタマサキ・モニースにいた。
私と佐藤くんは、
それぞれTheOnePureやクラシック、
最終的にはグライダー98で波に乗った。
佐藤くんは、
古代インド哲学者だ。
彼は独自の宇宙観に基づいて真理を追究し、
宇宙の広がりから生き方を学びつつ、
ネコを育てつつ、
波に乗ってBBQをする私の先生でもある。
昨日は午後から台風3号のうねりが入ってきた。
高さは1mしかないが、
周期9秒なので、
およそ倍ほどの波高になっただろうか。

ナッキーもいい波に乗っていた。
前述の佐藤くんもそうであったし、
タキビ神にいたっては、
オバケセットの「アタリ」の硬い斜面をログで駆けていった。
予想よりもいい波であったし、
けれどハズレ波も多くあった。
ハズレ波とは、
波の密度が少なく、
スカスカした印象があり、
かんたんに書くと、
押しが弱い波だった。
斜面は展開するのだが、
そこまでのものではない。
高さがあるので、
ついその波に誘惑されがちだが、
落ち着いて選べば、
アタリの輝きは読み解けた。
グルービーフィンのおかげでフィンを考察することが多くなったが、
こんなカットフィンのデザインを考えた。
キールの粘りと、
ビビッドな切り返しができるのではないだろうか。
映画を見に行った。
タマサキ(上総一宮)から市原までGoogleマップでは44分とあり、
実際には60分程度かかるのは、
茂原あたりの交通事情が反映されるからだ。
ブラッド・ピット主演のF1を観た。
開始直後からエンドロールまで時が瞬時に過ぎていった。
あまりの感動に私は5分間くらい放心してしまった。
こんなことは生まれて初めてだったほどしびれた。
私は評価は気にしないが、
あまりのすばらしさに本国アメリカではどう思われているかと気になった。
調べてみると、
ロッテン・トマトのポップコーン・メーター、
つまり観終えた観客の評価が97%とあり、
昨今のアンチ事情を考えるとありえない数字となっていた。
全米雑誌優秀賞を総合受賞したSlateマガジンというのがあり、
そのF1に対する記事が秀逸で、
なおかつ私の気持ちを代弁しているのでここに引用してみる。
ロッキー・バルボアがイワン・ドラゴを倒した瞬間、
映画館で思わず立ち上がってしまった。
あれは自分自身がロッキーになり、
人生をかけて勝利を追い求めた瞬間だった。
金曜日に公開された『F1』を観ている間、
私はそのことを頻繁に思い出していた。
ピットが若い自分を馬鹿にできるのは、
今の自分がもっと価値があることを知っているからだ。
この作品が何よりも優れているのは、
人生でめったに経験しないような純粋な感情、
閃きという単純なスリルに私たちを結びつけてくれることだ。
困難や偶然、
ゴールラインが永遠に続くように感じられる世界へ私は誘われた。
現実世界は複雑であり醜い。
しかしいまの私は、
この作品に抱いた感情を思い出せる限りは、
その現実に対して、
強度と耐久性を失うことはないだろう。
それほどまでに感動的であり、
人生の基盤となるような映画はこれまでなかった。
すると、
ブラッド・ピットは日本に来ていて、
私がたまに行く大井町の立ち飲み屋で乾杯していた。
このようなニアミスに私の心はさまざまに揺れ動くのだった。

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【巻末リンク:古代インド哲学者】
【巻末リンク2:人気号】
【サーフィン研究所テクニック&お知らせ特大号】ヨーロッパ中期予報気象センター_早い波の抜け方その8_クワイエットファンクさんの30周年記念ルアーになんとNAKISURF-SX7が!_(2088文字)
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