新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

あそこからここまで1000m_船でストラトスまで波乗りに_美しい気持ちになった新しい波_カットバック・メヒカーノ_「オルガおばさんのキッチン」_(2505文字、短中編です)

おはようございます。

メキシコは、

ミタ岬の美しさに魅せられている船木です。

漁師町なので、至る所がこんな景色。

海好きにはたまらない。

泊まっている宿に三匹の猫が飼われていて、

これはバンダ(Banda)。

これがパンダ模様なのか、

のらくろ軍曹模様なのかはわからぬが、

バンダ楽団を連想できることは皆無なほど、

寡黙思考風猫です。

朝の波チェックで、ミタ岬からさらに一時間北上したが、

北西、北うねり共に小さく、すぐに戻ってきた。

それにしてもこの緯度とは思えないほど寒い。

こんな服装だったということを写真から気づいたが、

これで歩いても誰にも気にもされないほど、

現地風ファッションなんですよ。

で、

「俺のルーツはここにあったのかも?」

と推測している次第であります。

へへー。

そうだ、Dセンパイはなかなか忙しく、

来られないそうだ。

センパイに会うのを楽しみにしていたイスラエルが消沈する一幕も。

メキシコ大地改め、

ドン・エスコンディード大地は渋いメキシコ人代表のスタイル。

ドン・エスコンディードを訳すると、

「影のボス」

「裏番長」

このことをイスラエルに教えると、

メキシコにはあまり「裏ボス」という概念がないらしく、

大地のスペイン語を持ってしても理解していただくまでに

少々の時間を要した。

ドンエスコンディード大地の命名日はこちら↓

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/20038

(これからDE大地と表記しますね)

漁師の水揚げ風景。

鯛が多く獲れていた。

「船に乗って、波を探しに行きまショー!」

ということとなった。

岬の先、そして裏側まで行くと、

それはすばらしい波がゴマン(巨万)とあった。

あちらにもこちらにも、

岬波だらけで、

圧巻だったのはある岬。

そこは冬の、

北西イナリーズ波がこちらまで届けば、

「あそこからあっちまで乗れるノデス」

と指さした距離はざっと1000m。

あ、イスラエルは典型的なメキシカンの逆。

つまり誇張話人ではなく、

正確に教えるタイプの人であります。

恐るべしメキシコ、ミタ岬周辺。

サーファーなので、

波にかなり近づいての斜面質チェック。

俺たちは転覆しても泳げますから。

でもカメラ機材があったので、

あまり近づかない方がいいですね。

「イスラエルのお気に入り」

という岬と小湾のミックスみたいなブレイクで下船。

「よし、新しい波に乗るぞ?!」

と全員で意気込むのだが、

船のエンジンが全くかからなくなってしまった。

船が横を向いたまま波を喰らってしまうと、

転覆タイタニックとなるので、

船首を沖に向け続ける試練が待っていた。

無事にエンジンがかかり、

「ムイビエン(とてもよかった)」

とスキッパー(小舟の船長)は去っていった。

「アディオス?(さよなら?)」

この事件でDE大地の携帯が浸水するという悲劇があり、

しかしメキシコ携帯はしぶといのか、難を免れていた。

岸の丘に作った簡易基地。

日除けもあります。

このブレイクの名前を聞くと、

「ストラトス」

ということだった。

持ってきていたフルスーツを今日から着ることとした。

幻想というか、

「メキシコ本土の水は温かい」

「あそこが2月になれば、日本の8月と同じ」

という情報を鵜呑みにしていたので、

無理してずっとトランクスやスプリングで入り、

フルスーツは全面的に避けていたのだが、

とうとう現実を受け入れる日がやってきた。

「もしかしたら」

とボードケースに入れておいて大正解でした。

入水すると、やはりフルスーツ温度。

後半このスーツでも寒くなったほどの水温。

16度くらいだろうか?

波を岸から見ていると、

未知の美しさが次々と盛り上がっていた。

なるほどイスラエルが気に入っているだけあって、

ライト、レフト共に内側にベンドし、

きめ細かく、斜面に潜むポテンシャルが足に響き、

サーフボードまで凜としてくるほどの美しい印象の波。

唯一無二の波に乗り重ねていくと、

心が高揚し、かけがえのない時間となっていった。

「イスラエル、ありがとう!!」

ここで1970年代の大技である

『カットバック・レイバック・リエントリー』

を繰り出した。

少し長いので短くすると、

『カットバック・メヒカーノ(cut-back mexicano)』

としたがいかがだろうか?

イスラエルのノーズライドは本当に美しい。

まさにメキシコ版ジョエル・チューダーだ。

勉強になります。

こんなに日焼けしたんだ。

ジーンズが水に濡れて、

さらには砂だらけで不快だったが、これもまた思い出。

結局ボートはやってこずに、

長い距離を歩いてハイウエイまで行き、

そこからイスラエルのトラックで街まで戻った。

全員が無言になるほどお腹が空き、

向かったのは、

「オルガおばさんのキッチン」

という名前がないスタンド。

上はポーク・タコス。

スパイスを付けて焼いた豚肉をほぐし、

コリアンダーとタマネギをのせ、

トマトのサルサソースで食べると、

全身が震えるほどおいしく、

しばし放心してしまうほどで、

これがたったの100円。

逆上して10個追加しようと思ったが、

「止めた方がいいですよ」

と冷静なDE大地にたしなめられた。

↑海老と野菜の炒め物。

チーズと牛肉のブリオ(ブリトー)

メキシコ料理歴40年強というオルガさん。

そのブリオ巻きのシークエンスをここに。

↑具材をトルティーヤにのせたら、横を折り込みます。

折り込みながら今度は親指を使い、

手前側の皮をその上に重ねるようにします。

一度ここで圧着させ、

形を整え、

丸めるように転がして、

折り目をフライパンの上にのせて、

熱で封をして終了。

すてきなオルガさん。

料理は味もそうだが、

作った人を感じながら食べるとさらに最高ですね。

全面焼き、さらには上下も焼いてくれるほどの入念さ。

ドーゾ召し上がれ?!

さらにすごいのが、このオレンジジュースで、

なんとこれだけのオレンジをふんだんに使い、

生ジュースを作ってくれました。

こちらでは”Jugo de naranja”

「フーゴ・デ・ナランハ」

というので、メキシコに来たらお試しください!

喧噪の街に戻り、

バンダ楽団の音色にしびれている。

ということで、アスタ・マニャナ?!

(また明日?!)