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ハイビスカスムーン_苦労なしで得られるものはない_運動神経の鋭い猿_尊敬する人は?

美しい満月。

もう一回り、つまり次の満月がハーベストムーンという名月になるので、天気が良ければ愉快なお月見となります。

ここはハワイなので、オフィス前のハイビスカスをシルエットに一枚。

花が咲いていればいいのだけど、太陽の明かりでないと開かないようだ。

もっと月明かりが明るければ開くのだろうか?

この月は朝3時のもので、なぜこんなに早く起きているのかと言うとこのオフィスにはエアコンがないので、朝涼しい時間に仕事をしてしまおうという魂胆なのです。

今日は起きてからしばらく読書をした。

読んでいるのは筒井康隆さんの『夜のコント・冬のコント』。

怖いくらい文体が鮮烈で痛快である。

これを20年前に書かれていたとは、と驚きと共に敬服する。

NALU誌が昨日届いていたので、抱井さんのコラムを3回繰り返して読んだ。

今回は「鴨川少年団」について書かれていて、そのやさしい時代へしばしタイムスリップし、抱井さんワールドに浸った。

気がつくと夜明けが近づいていた。

慌ててピストル6’6″とトランクスを車に積み込み、大好きなホワイトハウスに行くが、昨夜からやってきているトレードウインド(貿易風)のおかげで波の面がギザギザして、あまりよろしいコンディションではなかった。

それでも1時間入り、トランクスを干した足でノアとアニーを連れ友人宅に行く。

ここでノアがスケートボードをやり、俺は彼の行ったGランド、そしてウルワツにわらぶき屋根のワロンが一軒しかない写真を見てまたもやタイムスリップをする。

彼はデレックという名のホワイトハウスでは一番のウエイブライダーだ。
どんなに深いバレルでも彼はメイクしてくる。

そんな彼に「切り立ち過ぎた、いわゆる掘れすぎた波へのテイクオフの方法」についてレクチャーを受けた。

それはこんな内容だった。

1.立ち上がったら斜めを向くこと(レイルのみを使う)

2.切り立った時は前足荷重を強めに行うこと

3.パドルを1回でも多く漕ぐこと

4.アゴを使って、ボードを下に落とすように

5.低い体勢で

6.波によっては、それでも飛ばされるので、それは飛ばされろ

というワイルドなものだった。

なるほど、陸で聞いて、一緒に前足荷重をするとよくわかるしできるのだが、実際に波の上でこれを実践できるようにと、何度もイメージして繰り返して練習している。

ホワイトハウスでテイクオフが完璧にできるようになれば、世界中どこに行っても困らないぞ、とも付け加えてくれた。

ホワイトハウスはやはり強敵で、昨日はテイクオフした姿勢のまま、波のどこにも触らずに波のトップからボトムまで突き刺さった。

このデレックも3週間前に振り飛ばされて、鼓膜を破ってしまったんだそうで、サルも木から落ちるという格言を思い出した。

でも、こうして上手な人ほどひどい目に遭っているようで、これを英語の格言で

No pain, no gain.
(苦労なしで得られるものはない)

とある。

でも前出した抱井さんのメールには

「運動神経の鋭い猿は生涯を通じてほとんどケガが無いって飼育員が云ってた」

とあったが、俺たちは運動神経がまだまだ普通なのだな、と気を引き締める。

あの波で、怪我をしないようになれば一流なのかもな。

と窓の外を見たら今朝月の前で撮ったハイビスカスが大きく咲いていた。

(追記)
ESPNを見ていたら毎年恒例のリトルリーグ世界大会の中継があった。

日本対サウジアラビア(国際D組=4チームで総当たり戦)

日本の代表チームは「江戸川南」。

対するサウジアラビアは堅守の代表みたいな強いチーム。

日本の先発は180cmもある背番号24番で、俺は彼に「おっさん」というニックネームをつけた。

彼が最終回1アウトまでノーヒットノーラン。

結局、彼は自分のベースカバーミスで、ポテポテの安打を許してしまってノーヒットノーランはならなかったが、日本が完封勝ちを収めた。

おもしろかったのが、この24番君を紹介するコーナーがあり、そこには「尊敬する人は?」という質問に彼は「お金を持っている人」と答えていた。

とても純粋な回答で、そしてもの悲しくなった。

けれど「これも日本少年の縮図なのだ」と思い直す。

かんじんの試合ではドラマが色々あって、ここで書くとまた長い文章になるので短くします。(long story short)

好投だった相手リリーフピッチャーが味方のエラー(キャッチヤーx1,セカンドx3)で必要ない失点を繰り返し、最終的に火だるまで、監督がマウンドにアドバイス(激励か?)に来たら彼は泣き出してしまった。

その気持ちがよくわかった俺も泣きそうになりました。
チームプレイって大変なんだなあ、と彼に感情移入する。

サーフィンって個人競技なので「自分のミスは自分のもの」というのがやっぱり俺には合っているんだな、と再確認しました。

今日はTVからだけど、野球をする子供たちから強く、そして飛び上がるようなパワーをもらいました。

明日は朝7時(ハワイ時間)からカナダ戦なので録画します。


6 thoughts on “ハイビスカスムーン_苦労なしで得られるものはない_運動神経の鋭い猿_尊敬する人は?

  1. kotubo723

    究極のテイクオフ、凄いですね。

    私達の日頃の波とは次元が違いますが、ほんの少しわかった気がします。

    でもダメな時は飛ばされろと言うのは笑えますね。

    次回チャレンジしてみます!

  2. n

    来年の2月にハワイでのサーフィンを計画していますが、ハワイの海は全くの無知状態です。経験はようやく横に滑れる程度です。もちろんその日のコンディションによるとは思いますが、そんな僕らにおすすめのポイントはあるでしょうか?

  3. ふなき

    そうなのです。
    チャレンジしてみてください。
    小坪もすごい波がきますよね。
    これからシーズンです。
    きんちゃんの友人ですか?

  4. ふなき

    はい、そういう方にぴったりのブレイクがあります。
    闘牛、トムクンズ、リリコイ岬などをお薦めします。

  5. たけ

    ごぶさたしております。
    『江戸川南』は、かの松坂君の出身チームですね。
    しかも、グラウンドから荒川を挟んだ対岸には去年の『北砂』が本拠地をかまえており絶えず火花を散らしあってるって感じです。
    この辺はスーパーキッズの量産地でもあります。

  6. ふなき

    やはり松坂さんの江戸川南なのですね。
    北砂チームも強いので、荒川ウオーズと感じます。

    今年はどこまで行くのか、が楽しみであります。
    でも江戸川南の監督は選手に抑制させるタイプのようで、指示とかが前時代的で楽しくありません。
    サウジアラビアの監督の指示が前向きで大好きです。