オアフからノースハワイ島に向けて、
機は出発しました。
夕方5時半着だったのですが、
「どうしてもサーフしたい」と、
「フィンを取り付けながらトランクスを履く」
という離れ業を披露しながら日暮れのホワイトハウスに向かった。
東風にあおられていたが、適正なるサイズ。
時折、ダブル近いセットが混ざるが、
大きすぎて沖でブレイクしてしまい、
ダックダイブするだけの悦楽だった。
日没頃、ものすごい雨が降り、
そしてその雨雲をかいくぐって一瞬だけ太陽が姿を現すと、
ムラサキピンクの空の下に細く、
大きなダブルレインボーがぽっかりと空を覆った。
緑とオレンジが強い主虹がもう二本柱系の色彩豊かなものでした。
それを見たDセンパイは、
「俺たちさ、もしかしたら航空事故かなんかですでに死んでてさ、
サーフしたいという念だけでね、
ここにやってきて見ている浄土の景色なんじゃねえか?」
と難しいことをおっしゃる。
「でもよー、これは浄土じゃなくて、穢土の入り口でさ、
虚妄なる世界のお別れのような美しさといえばそう見えるな」
と下向きなことも言うので、いつかどこかの本で読んだ
「心は清浄なるがゆえに世界は清浄なり、
心は雑穢(ぞうえ)なるがゆえに世界は雑穢なり」
という言葉を思い出し、こころの持ち方ひとつで、
美しい景色は極楽にも見え、または地獄にも映るのだ。
と寝不足からひどく寒く、そんなことを震えながら感じていた。
(センパイには言わないでおいたが)
真っ暗になって陸に上がった。
Dセンパイは上がるときの岩場で転んで、
満潮を憎んでいたのを付け加えておきます。
そして、早朝。
夜明け前に起きて、
バッテリーが上がってしまっていたサビタをジャンプスタートさせ、
またホワイトハウスでサーフするが、
昨夕の10%にしか満たないサイズで、
南うねりは去ってしまったことを知った。
でも、昨日サーフしていてよかったですね。
とセンパイをなぐさめると、
「これでも俺にとってはデカイサイズだから十分だ」
と前向き発言。
干潮から潮が動いてきたのだが、
東風、つまり(サイドショア)横風が強くなってきたので、
上がって、オフショアであろう闘牛岬に向かった。
目論見通りにオフショアの闘牛岬。
最初ウエストボウルというインサイドコーナーでサーフし、
タチアガリが増えてきたので、
奥の8パームスという激浅ピークでさらにもうワンセッション。
Dセンパイは、
「ブルース・アイアンズがパイプラインで見せたようなワイプアウト」
をして俺を心配させたが、なぜかどこも怪我をしないで俺を驚かせた。
バックサイドテイクオフだったのだが、リップにボードごと張り付いてしまい、
そのまま波が切り立つだけ切り立って、
リップとボトムの炸裂に挟まれた形で、
波底に突き刺さったというスーサイダル系でした。
これもセンパイの身体能力の高さか、または悪運が強いのか。
その後も
「リーフ、ケーネー(関係ない)」
と弱気にならずに向かっていき、
すばらしいテイクオフをメイクしていたのだから、
全ては気持ちなのですね。
いつも勉強になります。
そして軽いランチを食べ、
そのまま今度はノアを連れてビーチハウスに向かい、
(写真を撮られるのがひさしぶりで、恥ずかしかったようです)
さらにもうワンセッション。
Dセンパイは、
「もういい加減にしろよ。
俺は寝ているからな。お前には時差ボケはないのか!」
と疲れからか、かなり不機嫌でした(^^)
薄いが、また虹が出た。
上がってきて一枚。
サビタも元気です。
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(お知らせ)
NALU誌が発売となりました!
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/21778
原稿執筆時も書きましたが、遂に出版されたのですね。
今号のスローガンの「一生サーフィン」って、かなりいいなあ。
Forever Surfing
うんうん、Tシャツになるな。
読んでくださるとわかるのですが、
内容は「ニコリンサーフの仕方」なんです。
今回は『波の見方編』4Pです。
ビーチブレイク、
リーフブレイク、
そしてポイントブレイクのそれぞれを紹介しています。
新編集長トミヤマさんのエッセンスがたっぷりと詰まった号です。
よろしければぜひお手にとってくださいね!
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新しい週が始まりました。
ある場所では梅雨が明け、
ある場所では梅雨となり、そんな季節です。
雨だからこそできること、
そしてこれから来る夏に向かって扇風機を買おうとひらめきました。
究極の節電は昔懐かしい団扇(うちわ)でしょうか。
水着で入れる暖かい海、
すいかに花火の夏はもうすぐそこです。
来てくださってありがとうございます。
明日またお会いしましょうね。
元気がない人は元気が出ますように!
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