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naki's blog

【野球ファン完全保存版特大号】ダルビッシュとエンジェルスの対戦ダイジェスト_王子邸前と日没サンオノフレでキャッチサーフ_(7093文字)

(ご注意)

今日は野球ネタなので、

興味のない方は、下部後半までお進みください。

「やばいです!あ、あのですね、

“今日は波が小さいので野球を見に行こう”

とエリックが言っていますが、行きますか?」

なんとダルビッシュ登板日のエンジェルス戦のチケットで、

しかも特別な席に座れるという。

「行きます行きます」

と句読点を入れずに電話を切った。

サンクレメンテからフリーウエイ5番でアナハイムまで。

その38分後。

今日も晴れ渡ったアナハイム。

土曜日のデーゲームは珍しい。

現在はレンジャース球団社長のノーラン・ライアン。

彼のポスターを見つけた。

現役時代は101マイル(約163km/h)の速球で、

通算5714奪三振というメジャーリーグ記録を打ち立てた。

引退時には53種類のメジャー記録を保持し、

1999年に野球殿堂入りしている伝説の投手。

(余談だが、現在のテクノロジーで速度を再計測すると、

なんと106マイル(約170km/h)出ていたともあった。

普段とは違い、

さらにこの第二入口に行き、

エレベーターで地下に降りて、

球場下のこんな美しい回廊を通っていく。

「NAKIさん早く早く!

試合が始まってしまいますよ!」

写真を撮るワタクシを急かすりょうさん。

レクサス・ダッグアウト・スイートの第三入口を通る。

やたらと厳重なのであります。

いったいどんな席に座るのだろうか?

さらに進むと、

ベンチ裏手の横に出て、

そこには第四の入口があり、

その10号室はエリックのものだ。

慣れた手つきでエリックが特別券を認証スキャンすると、

「ピピッ!」とドアが開いた。

ここはビール、コーラはもちろん、

ホットドッグ、ナチョスが食べ放題で、

専用トイレ、

TVモニターも二台、

冷蔵庫、

製氷機、

ソファがふたつある大きな個室。

エリックはこんなところに部屋を借りていたとは知らなかった。

ドアがあるので外に出て5段の階段を登ると、

エンジェルス・スタジアムのグラウンドが出現した。

しかもレンジャース・ベンチの隣。

「えー!こんなところに席があるとは知らなかった」

と興奮するワタシたち。

目の前でレンジャースの選手がウォーミングアップしている。

うおー、マイケルヤングだ!

イアンキンズラーだ?!

と中黒(・)なしで大喜びの俺。

りょうさんもほぼ絶句状態。

さらにはこうしてウエルカム・デザートワゴンがやってきて、

俺たちにふるまってくれるというサービス。

いつもこうして野球を見ているエリック。

何もジマンしないが、

ここに彼の席があることに一同驚く。

きっとものすごい人なのだろう。

でも正真正銘のエンジェルスファンで、

さらにはグッドサーファーのグレイトシェイパーなのだ。

アメリカは不思議な国です。

国歌斉唱し、

いよいよ試合開始。

ビジターチームのレンジャースからの打順は、

ダイナマイト打線の導火線、

イアン・キンズラー。

集中していて、やたらとかっこいい。

キンズラーは2006年にメジャーデビューし、

以来二度もオールスター選手に選出されるほどの

メジャーで最も強くボールを打つスタイルの二塁手。

足も格段に速く、

去年は32本の本塁打を打った新しいスタイルの一番バッター。

ソックスを膝下まで上げたレトロなユニフォームスタイルで、

バットを振り抜く好打者だ。

そしてネクストバッターズボックスに現れたのが、

現在メジャーで最も熱い選手とされるジョシュ・ハミルトン。

タトゥーだらけの彼のオーラには、

「おーーー!!!!!!!!」

と感嘆符を八個も付けてしまうほどの凄さがあった。

しかも32(サーフ)。

やはりこの人、わかってます。

ちなみに26ものタトゥーが彼の体に入っているという。

ハミルトンのことを説明しますと、

彼は高校時代(’99)にベースボール・アメリカ最優秀選手に選出され、

アマチュア球界最高峰のバッターとされ、

155kmの速球を投げる驚異的なピッチャーだった。

打撃部門でもミート、パワー、走塁スピード、守備力、

そして送球能力が最高水準だと、

『5ツールプレイヤー』というメジャーで最大の称賛となるが、

彼はその5ツールに加え、

投手部門でのエグイ超速球、

コントロール、スタミナという3ツールを加えた

『8ツールプレーヤー』として、

1999年12月、高校生野手としては、

アレックス・ロドリゲス以来となる全米ドラフト1位で、

デビルレイズ(現レイズ)から指名を受けた。

しかし、

そこからハミルトンは交通事故を起こしてしまい、

ドラッグとアルコール依存の人となり、

2002年には更正施設に入れられてしまった。

その後も度重なる素行の悪さで、

2004年に二度目の出場停止処分を受け、

これでついに球界追放となってしまった。

それから彼は幾度(8回)も薬物更正施設に入り

2005年の暮れまで野球から完全に離れ、

自殺を考える毎日だったという。

だが、ジョシュはこれでは終わらなかった。

気合いと根性でアルコールと薬物を絶つことに成功した彼は、

2006年の元日からトレーニングを開始し、

レッズにトレード入団(デビルレイズーカブス後)し、

2007年に開幕メジャー入りを果たした。

再び立ったメジャー初打席では、

その彼の嶮しかった復活をたたえ、

観客からのスタンディングオベーションがいつまでも止まなかったという。

じつにプロ入り8年の月日がここまで彼には流れていた。

翌2008年よりレンジャースに移籍し、

開幕から絶好調で、オールスターに初出場を果たし、

打率.304、32本塁打、130打点で打点王に輝き、

デビュー2年目で初の個人タイトルを獲得。

2010年は.359という高打率で首位打者のタイトル受賞。

そしてア・リーグMVP。

今年も絶好調で、

5月8日のオリオールズ戦をMLB.COMで偶然観戦していたのだが、

この日は彼が1試合4本塁打を放ち、

ア・リーグ新記録となる一試合18塁打を打ち立てた。

その4打席目の実況中継はこうだった。

「これでハミルトンがホームランを打つと4打席連続となります。
ピッチャー投げた!
打った!
飛んだ!
ボールは…入った!
ホームランだ!!
信じられマセン。
本当に打ってしまいました。
まるで空想世界のようなホームランです」

とアナウンサーはなかばあきれ、

そして笑いながら実況していたのだが、

それがものすごくその4打席連続本塁打の凄さを表現していて、

俺の記憶に残っていた。

ちなみに今年のオールスターでは、

史上最多記録となる1107万3744票をファンから得ている。

彼のことを応援する投票が1100万人以上って….。

紆余曲折を経たハミルトンストーリーは、

どうやらハリウッドで映画化されるようで、

こんなダーティで、

ものすごいスーパースターの登場がメジャーリーグにはある。

その彼はネクストバッターズサークル前で気負いもなく素振りをし、

そのまま舞うようにふわりと歩き、打席に入ると、

ボールを強く叩き、

逆方向にヒットした。

アレックス・ロドリゲス以上の打球スピードが野手の間を抜いていき、

あんなに柔らかく打って恐ろしい打球が飛ぶのを生まれて初めてこの目で見た。

あの打球速度は120マイルくらいだと、

エリックがぼそりと言った。

「ダルビッシュ投手は彼と同じチームで投げている」

そんなすごさを再確認した打席でありました。

そしてエイドリアン・ベルトレが現れた。

ドミニカ共和国出身の彼は19歳でメジャーデビューし、

翌年開幕メジャー入り。

ドジャース、

マリナーズ、

レッドソックスと渡り歩き、

昨年からレンジャースの3番サード。

このポジションは日本で言えば長嶋さん風だが、

メジャー流のスーパースイングを武器とした天才打者。

背番号も29(にく)イです。

ベルトレのスイングスピードが異常に速いのだが、

幸運にも彼のミートの瞬間を撮ることができた。

ミートの瞬間、

ボールがつぶれる鈍い音がした。

881(ヤバイ)世界であります。

次打者は人格者マイケル・ヤングで、

全盛時のイチローさんと首位打者を争った完璧とされる打撃職人。

彼は悪童ハミルトン入団時に、

周りの制止論を押し切って、

「チームが勝てる選手ならぜひ来てほしい」

と発言し、さらには悪評高いハミルトンを支えようと、

彼の入団記者会見に同席し、

「俺たちは君を支える仲間だ。一緒に戦おう」

と泣かせる言葉を伝えた逸話がある。

その彼の第一打席は流し打ちで、

エンジェルス・ピッチャーのサンタナからタイムリーヒットを放ち、

レンジャースが初得点。

次打者ネルソン・クルーズがアウトとなり、

攻守交代(チェンジ)となった。

ダルビッシュ投手がマウンドに。

興奮してきた。

エンジェルス打線は7月に入って絶好調で、

現在手の付けられない最高の状態であります。

前日もレンジャース相手に快勝していて、

お互いがア・リーグ西地区首位を争うというチーム事情もあり、

今日は負けられない重圧ある登板となったダルビッシュ。

30°越えの暑い球場。

各メディアが、

「ダルビッシュの立ち上がりが課題」

とか、

エンジェルス・メディアのマーク・グビザは、

「初回に集中して攻めろ」

という考察をしていて、

両チーム、

いや全米が注視したダルビッシュ投手のスタートだった。

エンジェルスの核弾頭マイク・トラウト。

彼は20歳になったばかりのピカピカ新人で、

現在打率は.354で、ア・リーグの首位打者。

パワーも守備もミートも、

送球精度も全て、

考えられることは全て特Aという評価。

さらには、

この体の大きさからは考えられないほどの異常なスピードを兼ね揃えている。

現在盗塁数は31でメジャー1位、

得点70でメジャー1位、

OPS(出塁率と長打率を足した数字)が1.016でリーグ二位。

一位は稀代のスラッガー、デビッド・オーティスなので、

これは仕方がない。

このOPSは、

現代ベースボールでは重要な数字となっていて、

イチローさんの通算成績が.784で、

アレックス・ロドリゲスでも通算.947という数字。

このOPSが.900を越えたら伝説打者だとされている。

もしかしたら1.000越えは達人を軽く超えているので、

超人的な数字と思える。

トラウトがいる限り、

ダルビッシュの新人王はありえないという。

そこまでの成人式超人くんと、

ダルビッシュのルーキー対決。

息を呑む瞬間。

顎から汗が伝わり落ちる。

体が温まっているのか、

ファストボールから入り、

次もファストボールを連続して投げたダルビッシュ。

三球目にこの縦落スライダー。

実況席ではきっとトゥエルブ・トゥ・シックス・スライダーだと言って、

回転数が3800だったと沸いていることだろう。

体の中心を支点として、

ねじるように投げるのは、

波乗りのパドリングと似ているなと思う。

トラウトは、

その次のダルビッシュの95マイルを超える速球に詰まらされて、

それでもレフトの元不良ハミルトンまでフライを打ち上げた。

1アウト。

2番打者のトリー・ハンターもポンポンポンと、

3速球で空振り三振。

すげえ。

そして元カーディナルスのスラッガー、

アルバート・プホルスが登場した。

彼は歴史をさかのぼってもメジャーで最高の打者の一人で、

10年連続で打率.300、30本塁打、100打点を達成し、

『2000年ー2009年で最も最高な選手』

という項目でメディアから表彰を受けている。

彼のスイング・スピードは飛び抜けて速く、

そのスイング軌道は「理想」と表現される伝説の怪物打者。

待ちに待った彼との対戦だからか、

レンズ越しに見るダルビッシュの顔が紅潮し、

真剣度が倍増し、

なぜだかこの対戦をうれしそうにしているように映った。

プホルスにも度胸と自信のファストボールで攻める。

瞬きできないほどの対戦。

ダルビッシュはこの世界で投げているのですね。

怪物プホルスをも力のないショートゴロに討ち取り、

ダルビッシュは、

鬼門だった初回をたった12球で終えた。

しかも「12球のうち9球がファストボール」

という強気の真剣勝負の内容に感動してしまった。

翌回はマーク・トランボから。

彼はここアナハイム出身の超大型内野手で、

名門エンジェルスの4番の長距離砲。

先週(7/15)のヤンキース戦で、

七回まで完璧な投球を見せていた黒田から、

逆転3ランを浴びせたニクイ選手が彼。

そのトランボがジャストミートしても、

ダルビッシュの剛球の前には、

ライトのネルソン・クルーズのグラブの上に落とすのが精一杯だった。

『次世代の首位打者候補』

と評価の高いハウィー・ケンドリックまでも、

空振り三振に斬った。

レンジャースが猛打爆発。

サンタナ投手は早々と2回途中で、

マイク・ソーシア監督にカーペンターへと交代を告げられていた。

そのまま3回まで7対0と一方的なゲームとなった。

一方ダルビッシュ投手は、

もしかしたら完全試合か!?

という勢いで投げていた。

こうなってくると、

試合の展開よりダルビッシュの投球だけが楽しみだったが、

この回の先頭打者エリック・アイバーに四球を出す。

完全試合はここで終了。

そして次打者ジョン・ヘスターに死球を与え、

「やば、いきなり崩れた」

と心配になって横を見ると、

超エンジェルスファンのエリックのうれしそうな顔があった。

そしてトラウトとの第二回目の対決は、

彼に軍配が上がり、

スライダーをジャストミートした美しい打球は、

センターに飛びタイムリーヒット。

ダルビッシュ初失点。

すごいよエンジェルス打線と若きトラウトくん。

しかし後続のハンターを空振り三振。

プホルスを低めの動くフォーシーマーで6-4-3のダブルプレイに取り、

この回を最小の一点でしのいだ。

今思うと、

唯一この回はダルビッシュが揺れ、

重要な危機をしのいだ数十球だったのだろう。

涼しい顔をしてベンチに戻ってくるダルビッシュ。

キャッチャーのトリー・アルバに声を掛けられ、

彼の背中を叩く瞬間、

「俺は大丈夫だ」

とでも思っていたのだろう。

でもなんだかうれしそう。

ここはベンチの裏なので、

誰も使っていないスイーツにホットドッグを取りに行くと、

打撃ケージでマイク・ナポリが一人ボールを打ち込んでいた。

彼はこの時点で2打席連続ホームランを打っていた。

打ってなおかつ練習する光景にこころ打たれた。

メジャーはやはりすごい。

トランボのバッティングのトップが好きです。

名将マイク・ソーシア監督。

いつかものすごい日本人が入団して活躍する日が待ち遠しいほど、

エンジェルスは良いチームだ。

8回表からホーキンスに代わって、

高橋がマウンドに。

日本人にとっては、

マンガみたいな展開にうれしくなる。

でも流れも悪いのか、

高橋さんも配球を読まれているように打たれてしまった。

順番が違ったが、

ダルビッシュは7回まで投げきった。

精度、スタミナ、速度、

度胸、読みはすばらしいを超えて、

ものすごいピッチングでした。

投球数が100球を越えた7回は、

「ランナーを出したら交代」

という取り決めがあったようで、

この回の先頭打者ケンドリックを歩かせたところで、

あのグレッグ・マダックスの実兄

マイク・マダックス投手コーチがマウンドに行き、

「レッツゴー・ユー!まだまだ行くぞ!!」

そう声をかけて続投表明。

これを意気に感じたのかダルビッシュ投手は、

後続のアイバーを見逃し三振。

コール・カルフーンをボテボテのピッチャーゴロ、

そしてトラウトとの第4対決は4シーマーで空振り三振。

前日登板し、

7回を1失点に抑えて快勝(12勝目)したエンジェルスのエース、

ジェレッド・ウイーバーは、

奪三振王のタイトル2010を取り、

そして5月にノーヒットノーランを達成したメジャーきっての投手である。

彼はベンチ前に陣取り、

投手コーチのマイク・ブッチャーの横で、

打球も追わずにずっとダルビッシュ投手の挙動に釘付けになっていた。

「一流は一流を知る」

そんな言葉が浮かんだ。

これがその最終投球のリリース。

ブレるような高回転をかけたそれはいい球でした。

結局レンジャースが9対2で快勝し、

ダルビッシュ投手が11勝目、

11奪三振をあげた日。

3安打のヒーロー&ナイスリードのトリアルバと、

2打席連続本塁打のナポリ。

上原投手もチームと帯同していて、

ゲーム後のハイタッチに参加していた。

早く良くなってすばらしいピッチングを見せてくださいね。

上原さんのピッチングはメジャーでも超一流です。

彼の3種類あるスプリットと、

メジャーでは珍しい伸びるフォーシーマーのコンビネーションがたまらない。

上原さんは、

巧みなピッチ・トンネルによって、

バッターには、

球速145kmが、160kmにも見えるらしい。

そのくらいすばらしい投手です。

エリック、

こんなすばらしい試合にご招待いただき、

ありがとうございました。

いつ見られるかわからないけど、

またここでベースボールが見たいです。

ダルビッシュ投手の投げたボールまでいただいた。

ゲーム後はそのまま王子邸前に行き、

さとるさんに新しいTシャツをお渡しする。

上はハングテン新色サンセット。

クラシックバードT。

リユニオン新作海賊七分丈&七分袖・スプリング。

そして日没頃にサンオノフレに行くと、

キャッチサーフのジョニーとジョエルがオディシー対決していた。

オディシー7フィートの自在を見せつけるジョエル。

キャッチサーフのやさしき営業部長です。

ブッチョーのターン。

ハングファイブにライムカラーが映える。

夕陽後の暗さがまたいい。

ボード&フィンがやわらかいので、

こうして砂浜に乗り上げられるのもハナマル。

関係ないけどフラッフィー。

気づいたら長くなりすぎたので、

今日はここまでとします。

ではまた明日!

長かったでしたが、

読んでくださってありがとうございました。


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