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ミッドレングスの至福サンオノフリー7’10” x 22-1/2″ x 2-7/8″_クリスチャン・ワックの1本_(3001文字)

クリスくんこと、

クリスチャン・ワックのサンオノフリー。

サイズは、

7’10” x 22-1/2″ x 2-7/8″

San Ono Free / Canvas

これは新解釈の7フィート後半のサーフボードだが、

ほとんどの波サイズをカバーできる秀逸なデザインがサンオノフリーなんです。

今まではこういうボードのサイズは決まって9フィートオーバーだったが、

世の中とっても佳きように変わってきました。

よりスタイリッシュで、

より詳細なグライドを楽しめるのがこのミッドレングス。

【金曜日スペシャル】

ノーズライディング世界チャンピオン4回

を誇るクリスチャン・ワックのロングボーディング、

いやミッドレングスの楽しさが詰まっているライディングを船木解説でお届けします。

サンオノフリー@サンオノフレ(フォードアーズ)

テイクオフしながらウオーキングでノーズに向かう。

速度がなくて、

どこにもテイルを引っかけられないのにティップ(ボード先のこと)

まで行けるのは、さすがクリスチャンのバランスだからでしょう。

ウオーキングバックで定位置に戻り、

ここからテイクオフとなります。

スタンスが決まったら、

進行方向、

ここでは右側のレイルに体重をかけていきます。

レイルが波壁にかかったらさらに加重して、

いわゆるボトムターンの姿勢に。

降下する速度と、

それまでのレイルの傾きによってボトムターンが開始されます。

ボトムターン、

つまり進行方向の波のトップに向かいながら、

波の中腹を過ぎたら、左側のレイル、

背中側のレイルを意識しましょう。

波の上部に来たら、

左側のレイルをテイル側、

ここでは右足だけを踏むようにして、

ボードを回すように左側に曲げていきます。

波が弱いので、

曲がりが終わってしまったので、

ノーズまでウオーキングしてボードが降下するように、

前加重とします。

ボードが降下したらまた右側のレイルを入れます。

レイルが波に入ったら

降下と共に右側加重します。

最初のターンと同じだが、

かなり急なRを描くターンを狙っているので、

体をギリギリまで波側に向けたまま

「タメ」ます。

波のトップまで行ったら、

左側のレイルに過重するのですが、

右足を強く進行方向に加重します。

左足はレイル側に、

後ろ足は強く加重して、

回転半径を小さくしていきます。

【重要】

ここでは左肩の位置が全てで、

行きたい方向にしっかりと押しつけるようにするのです。

そのままの流れでテイル押しつけを続けます。

左肩の押しつけも継続。

ここまできたら、

後ろ足は少し弱めて、

ボードが背中側に流れるように滑らせます。

簡単に言うと、

加重を弱めてふわりとさせる感覚です。

ここはこのターンのクライマックス。

背中側に波のフックと泡壁が迫ってくるので、

次のアクション、つまり右側加重の用意をします。

体を「後ろ」から「前」に切り替える感覚です。

泡にボードのボトムをヒットさせるべく、

テイルを踏みつけてノーズを上げます。

テイルを踏むと速度が落ちますが、

それよりもこの際どいセクションをメイクして、

押し出されて速度は回復するということを知っているのでしょうね。

泡波にボードがヒットした瞬間はテイル加重を意識し、

体の位置とバランスを変えないように努めましょう。

泡壁にボードが押されるので、

あらかじめ準備した右側加重となるように体勢を入れ替えます。

ここは膝を曲げて、低い体勢なら低いほど最良です。

泡から降りてきたので、

速度があります。

またセクション外に出そうになったので、

波のパワーゾーンに戻します。

最初と二回目のターンの中間のようなターンです。

二回目はハードだったので、

これはサラリとテイル過重で、

左のレイルに入れ替えましょう。

波の切り立ちが遅いので、

右足を踏んだまま、

そして左側のレイルを入れたままでしばし過ごします。

波が切り立ってきたらまた右側加重。

波面は緩慢で弱いので柔らかく乗る感覚です。

インサイドに入り、

セクションの距離が長く切り立つので、

ここからノーズライドに。

ウオーキングして、

一気にハングファイブ加重で加速。

そのまま右足でコントロールし、

トップ方向に上がってしまいそうなときは、

前足で抑えて滑走していきます。

速くて、スリルがあって、

不思議な感覚なんですよ。

まだ斜面が続くので、そのままそのまま。

斜面が切り立ってくるので、

どこかでノーズライド終了を見極めます。

ウオーキングバックで定位置に戻ります。

ここまで戻ったら、

前足荷重で、

最大の斜降下速度を得ましょう。

降り始めたら、

次のターン、つまり右側レイルを意識する。

このボトムターンだが、

崩れてくる波が迫ってきています。

かなり狭い半径でないと波のトップに上がれないので、

急激なテイル加重で失速気味で一気にトップに上がる。

波に押しつけるようにしたら、

その跳ね返りを利用して、ボードを降下させます。

返った後はとても不安定なので、

ボードのレイルが掴めるくらい低い体勢に。

降下は楽しい。

ロングライドもそろそろ終盤を迎えました。

降りながらテイルを踏んで、

進行方向まっすぐに向けて最速を目指します。

これで全セクション終了です。

マンライうれしき。

ここで句を得た。

波の峰 いくつ崩れて 夢の時

(解説)

波壁がいくつもいくつも沸き上がってはその姿を崩していく。

そういう千変万化する世界は、夢にも見た瞬間だ。

クリスチャンはそんな夢の滑走を感じ、

過ぎ去ったセクションを感じているのだろう。

「ハイ、マンライを見ていただきアリガトゴザマス」

とお辞儀をするクリスチャン。

律儀な22歳です。

「長く見ていただいたので、オマケもアリマス」

せーの!

.

.

.

.

.

.

.

「ホイ!」

「デキマシタ!」

sugoi!

ヘヘー!

大マンライの到来ですね(^-^)/

さりげなく自身のフィンもアピールするクリスチャン。

さすがです。

俺の大好きなサンオノフレのフォードアーズをクリスチャンが乗ると、

ここまで上手に乗れるのですね。

すごい291!

さて、フロリダから来て、

今日が初めてサーフするという男の子。

CANVASのミニノーズライダーに乗っていました。

6’10” x 22″ 2-3/8″

なんと、一本目からバックサイドで横に滑っていた。

思うに海沿いで育ったアメリカ人は、

小さい頃から波と遊んでいるので、

「初めて」といっても波打ち際で遊んでいたり、

スキムボード、ビーターをしていたりするので、

かなりの経験値を積んでいると思うのです。

さらには、

こうして進行方向に他の子が乗ってきたら、

すかさず方向転換をしたのにも花丸満点を出しました、

日本のように「こちらが優先だから」

といって無理に追従したりしません。

1本の波は長くて広いので、

みんなで乗れるようにという配慮をすでに持っていることに敬服。

日本もそうなるといいですね。

バレルやものすごく速い波ならともかく、

緩慢波で「ワンマンワンウエイブ」だなんて、

誰が言い始めたのでしょうか。

きっとコンテストからの流れなのでしょう。

日本も早く成熟して、

みんなで楽しく、

上手に安全にサーフできるようになりますように。

心から願います。

今日の夕陽はグリーンフラッシュをたずさえて沈んでいきました。

みなさんもラッキーな週末となりますように!

ALOHA!