タイちゃん、
いやタイラー・ウオーレンは、感動的な波乗りをする。
ショーン・ステューシーを感服させる繊細なファインアート。
そしてサーフボード・メイキング。
「インスピレーションースケッチーデザインーシェイプ」
という流れをしっかりと綴じ込めたまま、
シェイプまでをしっかりと手がけ、
そこからはウエスというグラッサーにバトンを渡す。
タイラーの命を受けたウエスは、
グラッシング、ホットコート、サンディング、
グロス、ポリッシュを突き詰めていく。
すばらしいタッグである。
タイラーは、
持って生まれた才能があふれている青年だ。
というか、
あふれすぎていると言っても過言ではないだろう。
そして常に絶えずハードワークで日々を送っているプロフェッショナル中のプロ。
彼が最も好きなのがサーフィングで
流れるような、そして気品あふれる滑降。
それを表現すると、
「伝統と熟成、そして円熟」
そんなコピーが浮かんでくる。
タイラーの生まれた年1986年は、
彼の功績によってダナポイント、
サンクレメンテ地方が輝かしいヴィンテージとなった。
もしあなたが1986年に生まれであるのなら、
「タイラーと同じ年に生まれた」
と胸を張れることでしょう。
その性格は固い決意、
揺るぎない哲学の持ち主。
そして完璧主義で、楽しく、豊かでまろやか。
波乗りのスタイルは、
ログやミッドレングスに乗ると優雅華麗で、
ショートボードは力強くアグレッシブで高速。
彼がシェイプをはじめて、今年で14年目となった。
すでに熟成していて、
かぐわしく調和したテンプレットと、
起伏が溶け合って長い余韻を残す美しいシェイプライン。
アートの極地のハンドサインが施され、
そしてタイラーカラーと、
彼のデザインしたフィンが選択されてくる。
これこそが「冒険をする乗りもの」の極みだろう。
俺はずっと『タイちゃん恐るべし』と感じていた。
オルタナティブ・サーファー/シェイパーでは、
現代最高峰とされるタイラー・ウオーレン。
彼の思想と哲学の深みに触れてしまったが最後、
それは密教に似た秘めやかな教えと悟りがやってくる。
そうして考えると、彼のハンドサインは先見の明があり、
誓いの印を結ぶものかもしれない。
とすると、そのサーフセッションは、
現世利益を心願成就するものであり、
その祝宴の重要な役割を担うものであろうか。
波乗り、という冒険をする歓びの卓越性(エクセレンス)。
さて、そのタイラー・ウオーレンボード。
渾身シェイプを終ったサーフボード・ブランクスたちは、
それらはウエスのグラッシングファクトリーで、
誕生までのプロセスに入りました。
この工場は看板はもちろんのこと、
さらにはステッカーなども何もなく、
秘密の工房だとわかる。
実際に1週間も前にアポイントメントを取って、
限られた時間に電話をして、
それからようやく住所が送られてくるという念の入れかた。
これはウエスが偏屈や奇人というわけではなく、
彼ひとりでやっているスタイルということと、
全ての工程を流れとして没頭し、
集中して駆け抜けたいということだと教えてくれた。
5’6″ドリームフィッシュと5’0″ソープ、
5’5″ディスク、5’3″ダブルダブル、
クアドラティック・フォーミュラ5’10”
クアドラティック・エッグ5’11”
7’0″ファンクション・ハルというミッドレングス、
9’6″サリナス(ログ)ボードが一堂に会している貴重なシーンであります。
下の画像で水を飲んでいるのがウエス。
全ての工程をひとりで仕上げる超職人。
↑このカーボンストリップが、
ストリンガー代わりになっているのはスーパーソープ。
21世紀の名作バーオブソープの2014年版であり、
私のオーダーボードです。
ティントカラーのミッドレングスとフィッシュ。
いいね!
ロングボードの長さがあり、
美しきストリンガーとボランクロスの逸品。
こちらも芸術そのものであります。
↑クリアー仕様のボランクロス。
ディープブルー・ティント。
追加パッチの色の切り替わり方もすばらしい。
カットライン、パッチ、
そしてクロスと樹脂のハーモニー。
グラッシング作業で、
一番難しいとされているのがこのディープスワロウ。
ウエスはふわりと、
ブランクスにティントグリーンを巻き付けていた。
やはりタイラーが選んだ職人は、
味も技術も最高峰ですね。
そして、
もうすぐタイラー・ウオーレンボードがNAKISURFに届きます。
https://www.nakisurf.com/brand/tylerwarren/about.html
彼の真なるファインシェイプができる時間の関係で、
入荷は毎月10本だけという状況です。
すでにカスタムオーダーを4本いただいているので、
残り6本が弊社にラインナップされます。
モデルページ完成までお待ちください。
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“2014 North Hawaii Sunset Splash”
それではどうぞすばらしい週末をお迎えください。
今日もお越しくださってありがとうございました。
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