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naki's blog

ソフトサンド3日目_カイラにとっての大波初挑戦顛末記_(1935文字)

どこまでもクリアなソフトサンド詣でを続けていて、

本日が3日目。

ここは島の端、

しかも超辺境にあるのだ。

201411_SS_0122

ライト&レフト共にパーフェクト。

しかも溺れそうなほどの水の量はそのまま。

201411_SS_0126

南伊豆の極上版といったところだろうか。

さて、

今日は一緒に来ていたカイラが、

波を見ていたら

「今日、サーフィングしてみる」

というので、

「大きいよ。ここから見るとそうでもないけどそばに行くとこんな壁だよ」

と背伸びして手を伸ばすだけ伸ばしてみた。

「大丈夫。だめだったら戻るから」

「リラックスできる?」

「うん!」

「じゃあ、行こう!」

カイラにとって、

はじめての強波チャレンジとなった。

IMG_8251

チャンネルが向かって右から左にあったので、

それを教え、

ただあまり流れに乗りすぎると、

その向こうに見えるサンドバーのレフト(写真左)にひっかかるから、

流れに乗りながら、

しかも少し逆らってゲッティングアウトしていこう。

という作戦を授けた。

DCIM104GOPRO

ショアブレイクも背丈くらいあって、

こんな状態。

最初から気を抜けないセッションが始まった。

IMG_8295

ゲッティングアウトが始まり、

彼女の少し後から

「のんびりのんびり」

「ここは泡を喰らっていいからステイしよう」

重たく分厚い泡の下に潜りながら、

その合間にパドリングして、

ミドルセクションまでたどりついた。

そこでセットが来ていないのを見計らって

「全力全力、GOGOGO!!」

と激励しながら沖を目指した。

IMG_8471

こんな視界を見慣れないと、

少し怖いだろうか。

201411_naki_8398

5’4″

Twin+Stabilazer

.

ハワイの冬波、

しかも日本の北から来たうねりだけあって、

恐ろしいほどパワフル。

軽くワンターンすればボード最高速。

ツインスタビライザーでサーフできる至福。

DCIM106GOPRO

見た目は美しく、

素直ですてきだけど、

ひとたびブレイクしてリップを振りかざすと、

ものすごい勢いで海面に叩きつけてくる。

自然の驚異。

DCIM104GOPRO

こんな波に乗るのはひさしぶりで、

ひとりのサーファーが入っていて、

それはフレディの親友のティムだった。

ひさしぶりの再会とお互いの健康を喜び合い、

この夏にカリフォルニアに来たハリケーン・マリー波の話で盛り上がった。

カイラは無事に一本目の波に乗ることができて、

しかもダウンザラインして、

かなりショルダーまで走っていった。

波から外れて満面の笑み。

そしてかなりの数の波を喰らいながら再び沖まで戻ってきた。

すごい根性だ。

少しすると、

この日一番大きな5フィート(ダブル半くらい)のレフト極上波が来た。

彼女の位置が最善最良だったので、

サーファーの習性でつい「Go Kaila!」と叫んでしまった。

そこから彼女は素直に板を返し、全力でパドルしていった。

軽くダブルオーバーあるハワイ冬波である。

「やばいかな」

時すでに遅し。

”行くと決めたら一心不乱にパドルして、

後ろを振り向かずに躊躇しなければ絶対にメイクできる。

しっかりと強くパドルして、ノーズを下に向けてテイクオフすればいい”

教えた人が、

教えたことを胸の中で反芻していた。

DCIM107GOPRO

そして彼女は斜め下にボードを向けたまま波の前に消えていった。

ものすごい轟音、

青い海に炸裂した波は、

爆発したように高く飛び跳ねる。

「ああ、無理だったかな」

そう思ってしまうほどの激烈な波だった。

そして私は壮大に弾ける泡の上に浮き上がってくるであろう彼女のボードを探した。

いない…。

.

.

ずっといない。

.

.

 

まだいない。

え。

彼女に何かあったのだろうか?

そのくらいの時間が経った頃にカイラは、

かなり向こうの泡の上にボードと浮き上がってきた。

あそこまで行ったということは、

あの急傾斜をテイクオフして、

ボトムターンをメイクし、

さらにバックサイドターンをし続けたということ。

すごい!

それを見ていた私とティムは歓声と大きな拍手をして彼女を讃えました。

「カイラ、すごかったよ!」

「良かった」

「怖くなかったの?」

「こわかったけどすごいスピードだった」

「やったね」

「写真あるかなぁ?」

「きっとあるよ」

でも上がってきてすぐに確認すると、

残念ながらその波の写真はなく、

201411_Kaila_8478

この上の彼女が乗った一番小さな波がファイルに入っていた。

うー。

写真を撮ってもらうときって、

たいていこんなものです。

IMG_8512

2時間以上もサーフして、

無事に上がってきたカイラ。

サーファーにとってとても大きな日です。

彼女はものすごくうれしそうで、

そして充足感あふれる顔をしていました。

たっぷりの自信がついたことでしょう。

挑戦は勇気と根性のブレンドだと再確認したのは、

カイラが18歳の2014年秋。

201411_NH_8112

自分も何かに挑戦し続ける日々を続けたい。

そんなことを深く感じた。

カイラ、

おめでとう!

そしてありがとう。

サーフィングに、

波に、

海にありがとう!

ALOHA!

 


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