天才名匠イングル博士(NATION MFG)のつくった最新式のサーフボード。
そして、
それに乗る奇妙奇天烈なサーファーと、
3人の友人たちの波瀾万丈のストーリー。
その一行が、トレッスルズのミドルスで西うねりに乗ると、
サーフボードが意識を持つという、その過程を描くSF海洋冒険小説。
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そんな小説の構想が浮かんでいる。
意識を持ったサーフボードは、
ど根性ガエルのピョン吉系なのか、
またはHAL 9000のようにするのか。
HAL9000=『2001年宇宙の旅』(2001: A Space Odyssey)
アーサー・C・クラーク&スタンリー・クーブリック
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その人工知能、または意識を持つはずのサーフボードを持って、
最近マイブームとなっているミドルス・トレッスルズに
all photo by @tuckertuna
到着すると、元NAKISURFのインターン、
今はTerasuの設立者およびCEOであるマックスが波に乗っていた。
マックスも気づいたようで、そのまま上がってきてくれた。
マックスは秋のあいだサンフランシスコの大学に行っていて、
今学期からポモナに戻ってきたので、
またマックスと多く会えるようになりそう。
マックスは私のドキュメンタリーショートムービー
『NAKIMENTARY(ナキメンタリー)』
を製作してくれたその人です。
http://terasulife.com/nakimentary/
ミッチくんが私のミッドレングスに乗ることになり、
マックスはラインナップに戻り、
私はウエットスーツに着替えます。
開発時は[NS3000]というコード名で製作された5’4″NATION。
複雑なボトム形状とプレミアムブランクス、
そして初期SDSで巻かれたテストボード。
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/58396
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https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/58485
完成して何度か乗ったが、
その後私がミッドレングス熱に冒されてしまいほとんど乗っていなかった。
ボード整理をしていたら発見して、
ツインスタビで乗ってみたいと閃いたのです。
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話は変わるけど、
南カリフォルニア流は、砂浜でウエットに着替える。
最初は抵抗があったが、そうしてから26年経って、
そろそろ砂浜着替えでは達人の域に達してきたと自惚れている。
昨年くらいからはさらに逸脱というか解脱して、
脱ぐときにキナコ餅のようにウエットを砂まみれとし、
それをそのままビニール袋も使わずにバックパックに入れている。
波乗りは海を楽しむもの、なので、海の砂も楽しんでいます。
マックスのウナクネ総帥ばりのチーターファイブ。
ミッチくんの
『トリムグライド
赤ペリカンとアクアティントと共にシングルフィン仕立て
ハンドシェイプを香らせてのウナクネ風』
という仏蘭西料理メニュー名風のグライド。
クラッシック(古典的)です。
村上春樹先生の『風の歌を聴け』の一節を思いだしたが、
今はここにそれは書かない。
干潮になってきて、
玉石が露出したブレイクを歩いてゲッティングアウト。
昔はこの玉石がコケと海藻でつるつると滑り、
さらにはウニや二枚貝で足を切るので、
干潮が好きではなかったけど、
最近はブーツを履いているのでわざと滑らせて、
足首のストレッチ&トレーニングとしている。
干潮に向けて波が大きくなるはずなんだけど、
風が吹いてくるかもしれないので、
待てずにtuckertunaさんとGoProセッションをする。
ショートボードのおもしろさはその速度感覚だと思う。
風を切る
海の上を飛ぶ
そんな感覚になれる瞬間は日常生活ではあまりないと思う。
それと、ショートボードのテイクオフはやたらとむずかしく、
波の中にある芯部分からしかテイクオフできないので、
沖を見つめ、波が入ってくると、
その芯を探すのに集中しきっている自分がわかった。
これがミッドレングスやフィッシュだと、
割とどこからでもテイクオフできるので、
そのアバウトさがユル系で良かったけど、
ひさしぶりのショートボードはそんな感覚を呼び起こしてくれた。
このオフザトップでは、
そのあまりの速さに
「勝手に音速越え(SONIC BOOM)」と感動してしまった。
これは正真正銘の一本目であり、
「普段ユル系のボードに乗っていて、突然ショートボード」
というトランジションができたこともその喜ばしきことを加算してくれた。
大マンライのNATION SONIC BOOMセッションでした。
このボードがいつか意識を持つようになるのですね。
まずは『デイジー・ベル』を聴かせないと。
今日のMVPはジョー兒玉さん。
干潮となって、
最大サイズのセットを完璧にグライドしていた。
彼は私が主宰する
『勝手にフォードアーズ・サーフ塾』の塾生であり、
ちょうど一年前にサーフィングを始め、
平均週一回程度の練習量でここまで上達したのです。
パチパチ。
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/55725
兒玉さんの次はシェイプボードのミッドレングスに挑むそうで、
その顛末記も兒玉さんさえよろしければ書かせていただきます。
すばらしい写真を撮ってくれたTuckertunaさんにもありがとう。
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オフィスに戻ると、KNEKT社から箱が届いていた。
KNEKT社のGoProトリガーは、
生産状況に不具合があり、
昨年11月末とされた入荷予定から遅れに遅れている。
LTはいまだに生産に問題があるようで、
完成予定が立っておらず、
今回は最上機種のGP4が納品されてきただけです。
いましばらくお待ちください。
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メルセデスの新車情報はまるで未来から来たニュースみたい。
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/60699
ハイパーループもそうだけど、
最近の世の中はどんどんと、
手塚治虫先生作品の構想に近づいてきた気がします。
そうなってくると意識を持つよいうことよりも、
飛べるサーフボードが欲しくなって、
冒頭の小説構想が突然しぼんでしまった。
また何か思いついたらここに報告します。
気づいたら2月ですね。
春までもう少し、
そして今年も残り333日のゾロ目です。
早いなぁ。
それではすばらしい日になりますように!
暖かくしてお過ごしください。
今日もNAKISURFにお寄りくださってありがとうございました。
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