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naki's blog

没頭する波乗りから見つけられる新世界とは?_(1048文字)

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201507_Chiba_3250

ノースタイガーの最上級波。

私が「ノースジェッティ」と名付けた波の蔵。

千葉北は黒い砂地の地形で、

なかなかこういうトップボトムの掘れた波質にはなりずらい。

けれど、うねりの向きと強さ、

堤防横に発生する流れがサンドバンクという地形を創れば、

このようにワールドクラスのバレルとなる。

普段のここを知るものにとっては、驚喜感嘆するほどの波がある。

しかも毎日ある。

この台風9号、11号といううねりが入ったおかげで、

私の日本滞在が突然熱を帯びたようになった。

ビームスカルチャートさんの個展へのアテンド、

そしてほぼ毎日どなたかとのミーティングをこなしているのだが、

空いている時間はサーフし、そして波質が良いため、

できる限り身体のコンディションを整えるようにしている。

先日20歳代に大好きだった波にたっぷりと乗り、

その頃の自分が蘇ったことはここに書いた。

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/64347

あの日、時間的にも体力的にも無理して海に行って良かった。

大雨警報だったけど、波に向かって良かった。

そう断言できるほど私は波乗り世界に満たされている。

それら波から得た記憶やインスピレーションが現在の燃料となってピカピカに生きている。

そう考えると波乗りって、遊びを超えた何かなのだと思う。

私はすでに競技サーフィングを支持していないので、

波に乗ることはスポーツではないし、遊びというには辛く、過酷な面もある。

しかしライフスタイルとするほど、軟弱ではないし、

こう書いていくと昨日の続きみたいになるけど、

これだけサーフにどっぷりはまっていると、

つまりーーもうほとんど残されていない体力を振り絞って、

電車を待ち、つり革につかまって、それから階段をよじのぼり、乗り換えをして、

駅からたっぷり歩いて仕事先の人にお会いして、

それからまた長い距離の電車に乗って、千葉に戻り波に乗っているとーー

波乗りの何か違う側面が見えてきた。

それは「欲求を超えた何か」なのだと思う。

波に乗りたい

そんなことを超えた何かだろうか。

「波に乗り続けて、次に見える世界」

そんな新世界のドアを探しているのだとわかった。

心境は夢心地でもなく、あいまいでもなく、

次のドアは目の前にあって、体の芯を振り絞れば、

鍵の開いたドアが見え、それを開ければ、そこには新世界が広く拡がっているのだろう。

そしてそこは波乗りの新世界ではなく、自分の人生の新世界である気がする。