あけましておめでとうございます。
いかがお過ごしですか。
こちらの元日は、日本のお正月と違い、
ちょっとした祭日か、下手をすると平日。
そんな日です。
Tyler Warren’s Instagram
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この4日間くらいはタイラーと一緒にいる。
彼がちょうど、
稀代のサーフボード・コレクターであるバグスから、
この1966年のデビッド・ヌイーヴァ9’10″を借りてきてからになる。
これがなんとほぼ新品コンディション。
ニューヨークあたりのコレクターが所有していたのだが、
何かの縁でバグスのところまでやってきて、
それをタイラーが借りてきたというのが成り行きだ。
ワックスアップを始めると、
アロハ・スコットがめざとく見つけ、
「Wow wow! それにワックスを塗ってしまうなんて….」
「いいのデス。美術品じゃないんだから」
「おいおい、美術品以上だぜこれは」
「そうですかね」
「66年と言えば、49年前のボードだぜ。しかもヌイーヴァモデルで、
ほぼ新品ときている。このボードはこのままピカピカでいられたんだ」
「笑止。スコット、サーフボードは乗るものデス。飾っておくものではありません」
「そうだけどな….。もったいないと思ってしまったんだよ、タイラーくん」
アロハ・スコットについてはこちらを↓↓↓
タイラーの幼なじみのシェーン・マクファーソンが、
先日のピザボードではない新品シングルフィンを持っていて、
しかもダイヤモンドテイルのタイラー・シェイプ。
ピザボードについてはこのリンクを↓↓↓
大ジマン大会となって、
シェーンの頬は、終始緩みっぱなしだった。
タイラーは、
15分くらいかけて、
この貴重なサーフボードに夏用のワックスを1個全て塗り、
その上にCool/Coldのトップコートを施していた。
水温は低く、14度か13度くらい。
北のリンコンと何も変わらなく、
エルニーニョの温水は、
新年と共に去っていったようだ。
スコットの全てのボードは、
タイラー・シェイプだとは知らなかった。
こうして地元のファンがたくさんいるのは、
すばらしいこと。
初乗りの舞台となったフォードアーズは、
少し風が悪かった。
だが、タイちゃんはざわついた波面もなんのそので、
軽くハングテンで、うにょーっと乗っていった。
渋い(4V)。
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で、翌日。
他のブレイクはほぼフラットだが、
教会岬には腰プラス程度の波があると聞いた。
セットで胸くらいだろうか。
うねりがない日なので、
ちょっとした奇跡のようである。
そしてそして、
ついにここで、
49年前のノーズライダーの本領を発揮させたタイラー。
なんとハングテンしっぱなしで、
しかもそのスタイルと速度がすばらしかった。
彼の裏の顔は、
ウナクネ影皇帝ということを思い出し、
ウナクネ広報部長である私は、
「タイさま」
と、尊敬の念を持って彼の名を呼んだ。
これは動画からの切り出しだが、
今まで見たノーズライドで、
誰の、どのものよりもすばらしいものだった。
これにはタイさまもうれしさを隠せないようで、
この動画は、
「自身作品で使用させてクダサイ」
そういうので、進呈してしまった。
なので、彼がどこかにポストするまで使用できないが、
気長にお待ちください。
Ethan Hunt (Mission Impossible)
どうしてこの時代の、
50年も前のサーフボードが、
真性マジックボードなのだろうか?
デザインやシェイプの何が違うの?
そう真面目に聞いてみると、
「うーん。デザインは現在のノーズライダーとほぼ同一で、
コンケイブの位置だけが大きく、そして長いです。
で、当時(今も)これをシェイプするのは、
角度や正確性も含めて本当にむずかしかったと思います。
現在再現できる人も少ないのではないでしょうか。
”(伝説のサーファーだった)デビッド・ヌイーヴァのためのボードだ”
シェイパーはそう意気込んで削り、
工員たちも誇らしく、敬意を持って製作したボードだからでしょうか。
そんな推測をしてみました」
なるほど、
マジックボードなのですね。
しかもあまりサーフされることなく、
コレクター家の壁に飾ってあった過去を持つマジックボード。
「シェイパーは誰なのでしょうか?」
「うーん、これがわからないのデス」
「推測としては?」
「推測するに2人程度いますが、今はなんとも言えないので調べてみます」
「不思議だね」
「はい、すごい事実だと思います」
セッション後はランチに行こうと、タイさま御用達のSCカフェに。
タイさまは、
こんな得体の知れないメキシカンプレート。
入っているのがわかるのは、
チーズとビーンズ、
焼いたハッシュポテトにアボカドとライス、
そしてサワークリームだろうか。
SCカフェ用のNAKISURFカレンダーを進呈するタイさま。
クリスチャン・ワックの写真に喜んでいる画。
私のここでのオーダーは入り組んでいます。
「片面焼きの目玉焼きを焦がしてください。
それにベーコンとほうれん草を他の野菜と炒め、
ご飯の上に乗せて丼としてください。
あ、トマトサルサも付けてください」
そんなカスタムオーダー。
このSCカフェには、
キャッチサーフのジョシュ・エドワーズがバイトしている。
というのは、キャッチサーフは休日が多く、
クリスマスイブから明日の日曜日まで10連休だという。
さすが業界をリードするだけあって、余裕が感じられる。
そのあいだ稼ぐジョシュは働きものです。
私のスペシャル丼が完成しました。
名付けてウルトラ謹賀新年丼。
タイさまがこれを見て、
目を丸くしていたこともここに書いておこう。
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話は変わって、
でもまだ食べもの話。
サンオノフレに棲みつく妖怪たちをライダーとして集めた
『サンオノフレ・サーフカンパニー』というものがありまして、
私の大切なクライアントであります。
その年末パーティがあったので、有無を言わずに参加してきた。
左からペソズのベースでもあるシーピー、
Seeaのカリナ・ロズンコ、
ベン・カドーザ、ダニエル・ジョンソン、
そしてノア・カドーザ。
ノアとベンは双子であるため、
見分けが付きづらい。
だが、この夜は帽子の色で名前を呼び分けられたので、
自分がなぜか誇らしかった。(笑)
これは私のプレート。
マヒマヒ(シイラ)と野菜をあんかけ風で炒め、
スパニッシュライスとビーンズ、ワカモーレを添えて。
これをトルティーヤで巻いて食べる料理。
メキシコ料理は、
ちゃんとしたお店で食べると、
おいしくてうならさせられる。
ちなみにここはラ・シエスタというお店。
1956年創業とあるので、
ヌイーヴァボードよりも10年古いという不思議な符牒。
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先週リンコンに行ったときにライアン・イングルに借りたドリームクラッシャー。
『先週のMVP』
そんなメモを貼って返却しておいた。
私やタイラーが乗ると、ワックスはボード全面にこう使います。
なぜならワイプアウトのときにボードを掴むからです。
テイルをつかんだり、ノーズを取り押さえたり。
ハービー・フレッチャーは歯も使っていたという猛者と聞いた。
私シェイプのオーダーが入ったので、
この正月休みを利用して削ろうと、
6’0″Rというブランクスから、
5フィート半程度のディスク系を作ります。
今年もグレイトサーファーたちとサーフボードのことを勉強し、
歴史あるボードをテストしたり、
さらにはハイパフォーマンス系の完全版をライアンと開発していきます。
詳細はここでお伝えしていきますね。
今年もどうぞよろしくお願いします。
それではまた明日ここで!
すばらしい三が日としてくださいね。
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