ひやぁ寒い。
威力のある北風が東をまとって、
房総半島を吹き荒れている。
鴨川マルキは風をかわす上に、
キリモミ早川さんが、
「良いですよ〜良い波です」
そう手もみして呼んでくださったのだが、
「でもやたら混んでますイモ洗いですイモが洗われています」
そんなことを句読点なしで聞き、
混雑が苦手なので部原(へばら)に行くことに決めた。
部原海岸は勝浦市にあり、
NAKISURFショールームがある一ノ宮から、
車で30分の距離であります。
その昔『丸井プロ』が開催されていたブレイク。
複雑な形状の、岩盤の上に砂が乗っかっていて、
基本的な地形は変わらないが、
潮位でもそしてうねりの向きにでも変化する波質。
昨日は土曜日だったこともあり、
メインは大混雑していた。
で、私は北側の誰もいないところに目を付けた。
こんな感じの波質だが、
たまに風が弱くなって、
そしてバラバラのうねりがまとまるときが狙い目。
最初無人で、
それから徳田さんとか、
タクミくんという懐かしい顔がどんどん入ってきた。
特にこの拓海(たくみ)くんは、
ノアと同じ歳で、
8年前に早川さんに連れられてノースハワイにもやってきたことがあるのです。
ノアと同じなので18歳になるという。
こんなにお兄ちゃんになって、
あれから8年も経つとは、
日々の移ろいは早いと再び実感する。
しかも波乗りもずいぶん上手になりました。
こちらは50歳であるが、
究極のショートボードがあるので自信を持って、
旬のタクミくんたちと同じ目線でセッションできる愉しさ、
そして鋭さが感じられたミートでありました。
私の大好きなフローターは、
吹き飛ばされるような岩盤ショアブレイクの威力と相まって、
真剣勝負のような様相を帯びてくるのだった。(笑)
Nation Hyper Sonic 5’7″
ずっとショートボードには乗っていなかったけど、
突然乗って、
こんなオフザトップができるとは思っていなかった。
瞬時に切り替わる視界と、
極限に感じられるほどの体感Gによって、
自分の少年時代がフラッシュバックしてくるほどの痛快さ。
ハイパーソニックは、
ライアン・イングルNATION博士が、
織りなすようにボトム形状を表現し、
さらには、
「ショートボードをもう一度再設計シマシタ」というロッカーによって、
「これでもか」
というほど早いテイクオフ性能になっていることを確認した。
「漕ぎ出し=始動」
この始動が早いおかげで、
他のサーファーとのかち合わせも一度もなく、
気持ちよく波に乗ることができた。
この位置(↑)からテイクオフを開始できるのは、
サーファーとして大きなアドバンテージだと思う。
漕ぎ出すと、ボードが浮き上がってくる。
この連続写真でそれはわかるだろう。
浮くのは揚力(リフト)だというが、
これだけリフトがあれば、
岩盤だろうが、
ショアブレイクだろうが波に乗るのがたやすくなる。
スルル
そんな感じで波の中に入りながらボードが浮いてくるから、
適正位置でテイクオフの動作をするだけ。
『不思議なコンケイブ』
竹内マリアさんに唄ってもらいたい。
そうすると、
こんなに掘れてくる場所でもフワリと波の上に入ることができる。
そして、どうやって斜面を滑るかを構築する愉しい瞬間。
ノーズ側に乗り、
波壁に張り付いて、
アマミアン・バックドアのつもりで乗りました。
先日先輩に
「ショートボードらしく乗りなさい」
そう指摘を受けたことを思いだして、
ハック系のカットをしてみた。
ラカ法王がこれを見て、
大変ご満悦であったことを付け加えておこう。(^ ^)
上がってくると、
Cole BD-3使いの大野さんが、
「これがそのハイパーソニックですか」
ずっとチェックしてくださった。
そのまま駐車場でみなさんと記念撮影していると、
このかわいい子たちとも一緒に写真に写ることになった。
この子たちは、それは上手に波に乗り、
さらにはしっかりとしたマナーだったことに驚いた。
左がカナちゃん、そしてリナちゃん。
彼女たちは共に12歳だということにまた驚かされた。
10歳から12歳のグループ。
他にもたくさんいて、
10人くらいでここに来ていたのだろうか。
オリンピックもそうだが、
ほぼ全員が世界クラスは間違いなく、
しかもニコリンサーフのマナーがあった。
「このまま楽しくサーフしてくださいね」
とハッピーサーフィンの種子を蒔くようにお伝えしつつ、
「日本の未来は明るい」と大満足した日でありました。
さらにこの二人は、
ボードを車に置くとまた海に戻り、
こうしてボディサーフィングをしていた。
こういうことはカリフォルニアやハワイでは良く見られる光景で、
日本だけがされていないのかと思っていたら、
その伝統というか、しきたりが受け継がれていて、
日本サーファーの未来は明るいぞ、
と、確信的に感じた日でもありました。
□
北東風が強く、
着替えの際に濡れた身体はすっかり冷えてしまった。
いわゆる体感温度は、
「零下30度かも」
そんないいかげんで大げさなことを言いながら
部原駐車場から徒歩3分のデニーズに行く。
ここは昔カリスマ漫画家の江口寿史さんがメニューの絵を描いていたのですよ、
昔話をみんなに自慢した。
たくさんの種類があるメニューの中からこのトマトパスタをいただくことにした。
「(生麺の)むちむちさが『鎌倉パスタ』と同一」
「よって同じ製麺所である」
業界的な感想を言ってしまったせいで、
デニーズ=鎌倉パスタ説をこれから立証しなくてはいけない立場になってしまった。(笑)
そうこうしていたら、
千葉北の道という道、
そして道なき道を走るという運送職務を全うし、
休日はこうして息子さんたちと、
またはソロでテイルスラッシュ等をされてサーフ人生を満喫する本刈屋さんご家族がお隣にやってきた。
「ぼくたちは3年生と5年生です!」
はきはきと答えてくれた波乗り好きな兄弟にキャッチサーフのステッカーをプレゼント。
上総一ノ宮駅前にある弊社ショールームに戻り、
「魔物か妖怪だらけのNALU誌を率いる」
豪腕編集長の寺内さんにご来店いただいた。
パプストというアメリカのみで展開される庶民派ビールが、
デッキパッドになっていることをいち早く発見された寺内さん。
これによって彼はレッツパーティ社を深く尊敬するにいたったほど、
そういうことに詳しい人でありました。
寺内さんのことをTerraさんと呼ばせていただいているが、
彼の特技は釣りで、しかも元バスプロ。
釣りの話をしたが、
それはまるで江川さんが野球の話をされるほど理路整然としていて、
そんなことにも驚かされました。
最近のリグの名前はもちろん。
出自までご存じなのにも二度驚かされました。
Terraさんがノースハワイに来たら、
きっと世界記録のバスを釣ってしまうのだろう。
そんなことまで感じさせるほどに理詰めのフィッシャーマンでした。
これで現在NAKISURFショールームの読みものは、
こんなラインナップとなりました。
今月号の私記事はNALUとBlue誌に寄稿しています。
ぜひご覧になってください。
【ちょっぴり特大号、後編】私と娘の奄美大島サーフ旅編のBlue誌発売日_先輩たちの教えと啓示、岡本さん編_夕陽鎌倉_ドラちゃんと洋平さん_かつ禅師とキャッチサーフ・ミーティング_(3473文字)
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北東風が吹き止まないので、
また勝浦方面に行ってきます!
すてきな日曜日に。
そして暖かくしてお過ごしください。
Have a fantastic day!!
◎