Tyler Warren’s Shape Bay.
タイちゃんことタイラー・ウオーレン。
シェイパーにもいろいろあるが、
彼ほど経験が少なくて名匠とされているのは珍しいことだろう。
他シェイパーが羨(うらや)んでいるのだが、
じつのところ天才ではなく、かなりの努力家なのである。
すでに伝説とされる故テリー・マーティンに師事し、
それはものすごい長い時間を一緒に過ごしている。
さらには歴史的なボードはもちろんのこと、
各社のマジックボードを紐解き、
常にーーどのシェイパーであろうとーー良いボードだと聞けば、
力のこもった目で各部をチェックしていく。
いつかどこかに書いたが、
普通のプロフェッショナル・シェイパーは、
エゴというかプライドがあるようで、
他のシェイパーの作品は、
よほどでないと細かくチェックしていないし、しない。
そうやって細部や各部のつながりを見ていくことに加え、
タイラーは12フィートのログから4フィートのミニまでを
世界最高レベルで波に乗るサーファーでもあるので、
感覚的に何かをつかみ、
それを反映させる能力をテリーに教わったのだろう。
その彼の家にいると、
完成したてのサーフボードがウエス工場から続々とやってきた。
まずはエポキシ製のドリームフィッシュ。
これは彼の親友でもあるマット・ジョンソンに向けてのもので、
その完成度にタイちゃんはうれしさを隠せないようだった。
気付いたのが友人たちへのラミネート(ロゴ)。
友人たちの分は特に極力使わないようにしているようだ。
タイラーは、
「サーフボードはロゴではない」
そう唱えている一人だが、
つまりのところデザインやシェイプが重要で、
外見は関係ないと心から思っているのだろう。
例えば、
このボードにメジャーなブランドのロゴを付ける。
またはマイナーシェイパーのロゴを入れる。
それで見ても美しいか、
または良いサーフボードなのか。
持ち手に対してそう試しているようにも感じられる。
生きものみたいに美しく、
そしてかわいいフィッシュ。
私が写真を撮っていると、
このドリームフィッシュが彼のインスタグラムにポストされた。
これはタイラーのオーストラリアの友人がオーダーしてきたのだが、
大けがをしてしまったようで、
泣く泣くキャンセルになったドリームフィッシュ
5’5″x 20-1/8″ x 2-1/4″
Glass on Tyler Warren’s Twin Fin
同じオーダーのエッグ(ファンクションハル)
7’5″ x 21-1/4″ x 2-1/4″
TC(トム・カレン)モデル。
これは第三期の現在形。
特徴的だったバベルレイルは廃止され、
より丸みを帯びたフォルムになっていくのは、
海の、つまりは流体力学に倣っていくからだろうか。
ロービングによるリーシュ・ロープ
TW TC 5’9″ x 18-7/8″ x 2-1/2″
Future White box Quad
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TW TC 5’6″ x 18-7/8″ x 2-1/2″
Future Black box Quad
もしご興味のある方、
ご質問、詳しいご相談などは、
ショップメールまでお問い合わせください。
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私がここにきたのはNALU誌の取材でもあったのです。
で、まずはフィッシュの変革についてタイちゃんに聞いていく。
最近流行となっているトモボードに対しての答えはこのシェイプだという。
5’5″ x 19-3/8″ x 2-1/4″
見た目がさほど奇天烈ではないが、
シンプルイズベスト、そう語っているようにも見えた。
シモンズ系、つまりソープシリーズからフィッシュに移行し、
さらには高い性能を誇るという。
ソルトクリークやローワーズで乗って、
それはそれはのマジックなる感触を得たタイちゃん。
まずは当世の流行ボードがあって、
それに対してそれぞれがブラッシュアップしているのが、
本国のサーフボードデザインの状況。
いわゆる後出しジャンケンだが、
そうなってくると、
どちらが強いのかは歴然としている。
オリジナルシェイパーはその模索品を見てさらに後出しをし、
追従者はまたそれに、
そうやっていくことでボードデザインは最終完成に近づいていく。
乗る方の立場としてはこれほどまでにうれしいことはない。
イースター前日。
風がほとんどなく、
そして南が少し、
さらには西が入っているコンディション。
明日のイースターサンデーは人でごった返すのだろう。
Have a happy day to you!!
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