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naki's blog

私の波乗りの歴史_第16編_ウエイブ・ウオリアーズVHS_(1945文字)

こんにちは、

春真っ盛り、いかがお過ごしですか。

こちらはほんのりと西うねりが入ってきて、

少し波乗りライフにスリルがやってきました。

なんでもこの冬最後の西うねりだということもあって、

「初もの」はもちろん珍重されますが、

「最後の」というのもなかなか喜ばれるものだと気付いた。

さて、長く続いている連載は、

そろそろ終盤なのですが、

記憶が新しくなっていくので、

全く終わる気配がなさそうなので、

どこかで線を引き、

ありがたいことにこの出版のお誘いを受けているので、

その際に詳細を執筆しようと思っている。

それに加えて、

Blue誌のコラムの締めきりもやってきて、

さらにはNALU誌、SENSE誌とあるので、

そちらにも注力していこうと決めた今朝。

メキシコまで野宿旅にやってきて、

伝説のハービー・フレッチャーと会ったところまで書きました。

【もうすぐ終了の特大号】私の波乗りの歴史_第15編_メキシコ、ジョー・マクナリティとハービー・フレッチャー_(3578文字)

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ハービー・フレッチャーはアストロボーイズ、

つまりウエイブ・ウオリアーズの撮影にメキシコにやってきていた。

ーー現在もそうだがーー

当時から不良帝王のハービーのことである。

車の運転が派手なのはもちろんのこと、

当時は年配の人が乗るものだったロングボードで、

テイルを抜いたり、大波に乗ったりと、

それは斬新なサーフィンをしていて、

さらにはジェットスキーでパイプラインにも乗っていた。

彼本人は、その確固とした自信に満ちあふれていて、

「余は、ハービー・フレッチャーであるぞ」

そんな人だった。

私が日本でアストロデッキとライダー契約していたこともあり、

ハービーは、ボクの自作フロントパッド改造版というか、

バラバラ貼りアストロデッキにたいそう感心してくれた。

さらにボクのくるぶしの上には、

トライバル(種族)デザインの鳥型タトゥーがあるのだが、

(マンハッタンビーチでマイケルという友人に入れてもらった)

ちょうどその目の部分をノミに刺されて赤くなっているのを見て、

「お前はすごい。タトゥに偶然目を付けたのは初めてみたぞよ」

そう言ってたいそう喜んでくれた。

で、ボクはハービーさまとお近づきになれたヨロコビにひたっていた。

Christian_Arch

(当時のクリスチャン・フレッチャーとマットアーチボルド)

ボクとジョー・マクナリティはすばらしい時間をメキシコで過ごし、

最後にはコンテストに出て良い順位を得て、

凱旋するようにサンクレメンテに戻った。

翌日トレッスルズに行くと、

メキシコでビデオを回していたジミーと再会し、

「ハーブ(ハービーの愛称)は、お前の波乗りをモニターで見て気に入っていたぞ」

そういうので、私は舞い上がってしまった。

というのは、

このハービーが創る『ウエイブウオリアーズ・シリーズ』は、

当時を知る人ならばよくご存じだと思うが、

血が茹だるような興奮を与えてくれる傑作で、

それぞれの、

そしてハービーの波乗り魂がそこに焼き付けられた作品群である。

(私の聖書はいまだに『ザ・パフォーマーズ』。↓のリンクにあります)

私の波乗りの歴史_第4編_ハワイ到着_(1812文字)

さて、このウエイブウオリアーズに始めて出会ったのは、

上のリンクにあるハワイ・ノースショア滞在時に

アラモアナセンター1階の暗い角にあったタウン&カントリー。

当時はお金が全くなくて、

定価29.95ドルプラスタックス4%というのは、

何日分かの食費と同等だった。

でも、自分の研究費だと、

ワイメアからテイクオフするように購入したVHSテープは、

ロイ・ゴンザレスやディビ・フレッチャーのアートを散りばめたカラフルなスリーブに包まれていた。

本編は淡々としたナレーションが各サーファーを紹介し、

その次に続々とサンクレメンテ周辺の波でトップサーファーたちがサーフしていくものだった。

そこには、

マット・アーチボルドのレイバック

クリスチャン・フレッチャーの見たことのないエア

マーティン・ポッターのキレとフローター

デレック・ホーのパイプライン

恐ろしかったジョニーボーイ

さらには神さまトム・カレンも登場していて、

サーファーにとっては黄金以上の価値のある映像の連続だった。

astroboys-wave-warriors-3

このフィルムを見るだけで、

「沸騰できる興奮」というものに包まれた。

今はそう言葉にできるが、

当時は生まれて初めて見たサーカス、

またはスターウオーズ作品内のような世界だった。

この映像はそのウエイブウオリアーズから抜き出したポッツだが、

私の走りすぎる傾向を後押ししてくれたのがこのパートであり、

今見てもすばらしいものだと断言できる。

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明日に続きます。