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NATIONコネクターの誕生への歴史紐解_(1421文字)

The Connector 6’5″

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サーフボードの歴史を読んでいくと、

カリフォルニアの、

サンタバーバラからオーストラリアに引っ越したジョージ・グリーノウが、

『流線型で、細く、長く、しなるフィンを考案した』とあった。

その美しいフィンを使ったナット・ヤングが、

サンディエゴはオーシャンビーチで開催された国際選手権で優勝したのが1966年のことで、

さらにはそのフィンデザインが、

現在も続くサーフボードの性能に大きく寄与している。

それからややあって、

グリーノウはボードの中心部を凹ませ、

その両端にはハードなエッジを付けたボードを誕生させた。

それはフラットなセクションでも止まることなく、

スケートし続けられる極端なシングルコンケイブと、

“もう一つの”ボトム面を融合させたエッジボードの誕生でした。

さらに、カリフォルニアでは、

キャンベル・ブラザーが、

そのエッジボードとほぼ同時期に『ボンザー』を完成させていた。

これはエッジボードのような円筒形の溝を、

シングルではなく、ストリンガーの両側に彫りこみ、

そして新しいタイプの細く長い、

三角定規のようなサイドフィンを

「サーフボードの極端なウイング」

として機能させ、

さらにはセンターシングルフィンの前頭部と、

サイドフィン後部を1/8″(3.175mm)でかみ合わせることによって、

完全なる水力水流を発生させるという、

類い希なる究極的なデザインがこのボンザーでした。

The Fletchers Cambell Brothers Bonzer

@rvcasurf

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しかしながら、

サーフィンというのは、

この後、姿をプロスポーツとして変えていき、

「基準値がある演技」

「技術点」

という要素が主流となり、

さらには、3フィンの出現により、

サーフィンは直進性やスケート力よりは、

回頭性の高い、

つまり円弧の小さいものが主流となった。

さらにはボード浮力をぎりぎりまで切り詰めることによって、

波のポケットに留まる性能を得て、

滑走よりも回転性が重要視されていった。

その間、

これらのエッジボード、ボンザー、

果てはシングルフィンライダーは、

隠れるようにしていたが、

15年前くらいから始まったオルタナティブ・ムーブメントによって、

隠されていた銘品が次々へとリバイバルが始まった。

で、そんな中このNATIONコネクターは、私のアイディアから誕生した。

上記したグリーノウの『止まらないボード』

ボンザーの『完璧な水流』。

これらふたつを混ぜ合わせ現代のサーフボードを作って欲しいと、

ライアン・イングル博士に依頼し、

コスタリカ出発日に6’5″版が完成し、

私はこのコネクターと1月に渡るサーフトリップに出て、

結局一度もどこも壊さずに無傷でカリフォルニアに凱旋した。

コネクターの調子は上記したものを体現できるものであるし、

毎日5時間以上も岩場でサーフして、

しかも干潮時、スーパームーンのロータイド。

ここでは水深30cmというものまであった上での無傷だから、

かなりの意味で幸運なるボードだと認識している。

たまにそんな守護神みたいなサーフボードを手に入れるが、

まさにそんな気持ちであります。

新型サーフボードは多数誕生するが、

こうして幸運をまとった逸品は少ないように思える。

サーフしていて、こういうことは奇跡だと思う。

けれど必然。

人生はこうあるべきだろうと確信したサンクレメンテは、

嵐の翌日快晴強風夜。


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