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【今日のコラム】Pro Shop_バックドア・シュートアウト_木製脚立に創刊当時のPopeyeを思い出す_(2123文字)

このブログの本意である

「つれづれなるままに記してみる」ことにする。

こういうのは、

雑誌のコラムで書くことなのだが、

週刊誌の依頼がまだないので、

ここで消化したいのでもあるらしい。

そう自己分析してみた。

よくPro Shopとあるが、

その定義はなんだろうかと考えてみた。

すると、

何かのプロフェッショナルが起因していて、

それは彼/彼女だったり、

またはそのようなサービスを指していたり、

それらに関係する商品を扱っている等々とあった。

なので、

プロショップ、プロストアというのは割と広義なのかもしれない。

現在、大きなうねりがハワイや北〜中央カリフォルニアに届いている。

ハワイ・ノースショアではパイプラインが、グレイトとなり、

ちょうど偶然『ダ・フイ・バックドア・シュートアウト』が開催されていた。

ジャパンチームもそうそうたるメンバーが出場していて、

ちょうどキャッチサーフのオフィスでライブビューイングしたが、

Keito Matsuokaのレイルワークの完璧さに、

見ていた全員が10点を出したらなんと11点もオフィシャルで出ていて、

そんな採点方法にコンテストでありながら、

反旗を翻している立場というか、

そんな気持ちが噴きだしているようにも見えた。

さて、バックドア/パイプライン波のすごさ、

すばらしさ、

けれどワンダフル波は稀。

その稀を見極めていくグレイトサーファーたち。

もっと言うと、

「ワンダフルを稀にしない」

という強引さがあるスーパーサーファーたち。

優勝したコア・ロスマンやJOBとBIこと、

ブルース・アイアンズたちの凄さに驚かされた。

クランブル(ばらける)しなければ、

『だいたいクローズアウト』ぽい波に進攻していき、

もしかするとメイクしそうになったり、

または11万点でバレルアウトしてくる。

それぞれの波を見極める眼力もさることながら、

波の中に入る位置、

イニシャルパドルの強さ、

そしてインパクトパドルの激烈さといったら、

それぞれがいかようにも表現していた。

上空からのドローンショットと相まって、

達人たちのさらなる極みを目撃する歓びがあった。

使われていたサーフボードだが、

ミニガンタイプが見られ、

少し長い系だったり、いわゆる普段のボードだった。

気づいたのが、

1世代前ならサーフィンというのは、

サーフボードだけでするものだった。

せいぜい手を差し入れて、

軸にしたりちょっぴりの抵抗とした程度であろう。

それが今は、

サーフボードの接水面はもちろん、

腕や背中などを使って、

体術のように波に対して抵抗を出して、

自発的に失速させて、

バレル(波蔵)内の上部を目指したり、

長く留まろうということをしていた。

今回のパイプラインは、

うねりの向きの悪戯で、

ピンチアウトが多かったようにも思える。

ピンチとは、

波蔵が閉じるときに下から閉じる、

つまり上部の穴、

ハイラインでしか脱出できないことをいう。

だが、メイクしている手練れを見ると、

本来出てくるべき(画面上で注視している)箇所より遙か下方、

さらには崩れて泡になっているところを突き抜けてバレルアウトしてくる。

それも幾度も見た。

これを検証してみると、

手練れ、妖怪、スーパーマンたちは、

正しいライン(この場合はハイ)よりも、

それまでの波斜面トルクが1番あるところで、

速度をマックスに付けることを選んだ結果だろう。

彼らは高速で振り落とされそうになるレイルとなんとかしながら、

泡層をふわりドコドコと滑りつつ、

前方の壁状になった泡を突き抜けているのであろう。

閑話。

年代中古屋と言えばいいのだろうか。

そんな渋いお店で、

昔のペンキ屋さんが使っていたであろう木製の脚立を見かけた。

新装NAKISURFに置きたくてつい購入してしまったが、

ここで思いついたのがこんなアイディア。

アプリか何かで、

「ページをめくるように各地のショップの俯瞰画像が毎日アップされ、

それにズームイン等もできたら、世界規模で貿易ができるぞ」

という案だが、

国をまたぐ輸出入の大変さは長年かけて知っているので、

話はここで閉じていく。

こんなモノ話を思い出すと、

連鎖的にポパイ誌の創刊号から50号が発刊されていたころの昂奮を思い出した。

当時の男は、モノ集めがしたくてしたくて、

ならばこんなモノあるよ、

そう現地でのオモシログッズを誌面から探していた。

結果フライフィッシングに夢中になった。

毛針を作る歓び。

それは私世代の話だが、

ポパイのような情報誌があそこまで楽しかったのは、

あの頃の情報量の少なさに由来しているのだろう。

TV、雑誌、映画、新聞、本のみ。

携帯電話はもちろん、スマートフォンもインターネットも何もない。

それにくらべて現代は情報量が多く、

私も含めてすでに常に満腹になっている。

のみならず中毒性もあるらしく、

その情報が切れると、

『動悸/目まい/息切れ』状態となる。

ふと、

どこかの箱に書いてあった効能が浮かんだが、

あれは救心だっただろうか。

でも私の救心は波に乗ることだと気づいて、

そこにはデジタル機器もなく、

昔ながらの人による伝達だけが存在していると気づいた夏日の翌日。

昨日25度もあったが、

今日はそんなことはないようで寒い冬の日。

春よ来い。