Catch Surf Skipper Fish 6’6″
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昨日の日曜日。
ご存じのように大嵐が、
未明から朝にかけて通過していった。
「風速35mだとか、40m」
そうやって静岡TVは言っていたのを聞いて、
そういえば去年の全く同時期もこの
「今年一番の嵐」だったと思い返していた。
天気予報は前日までは、
「終日、雨と風が強い」とあったが、
いざ起きてみると”曇のち晴れ”へと変更されていて、
ただ嵐を追いかけるような風だけが吹き荒れていた。
こういうときは、
普段波が立たないところに世界的な波があるかもしれない、
そんなロマンを持って各ブレイクを探っていったが、
オープンオーシャンは荒れて、水平線の彼方でブレイクしている。
「白浜は猛烈なオフショアで肩です!」
先発しているツナくんとシギーGよりそんなSMSが届いた。
他のサーファーが入っているところはあまり行きたくはない。
「西南西の風」
千葉ならば、
NAKISURF周辺が全てオフショアになる風。
うねりは東と北東のグランドスウェルに加えて、
荒れた海からの風波のトリプルミックス。
これこそはビーチブレイク日であろうと見当を付けて、
前日、鈴木直人さんから聞いたアソコに行ってみると、
すばらしい波がやってきていた。
水の色、
波のパワー、全てハワイのようであり、
実際は、左への流れがものすごいので、
あなどれないほどの強敵かも知れなかった。
ウナクネSX7か、
タイラーのボンザーに乗ろうとしたが、
両方共レイルにフィンが突き刺さったような傷を発見し、
この波質でレイルに傷があると、
キリトリ線が入った割り箸のように簡単に折れてしまうので、
およそ折れないキャッチサーフのスキッパーフィッシュを選択した。
さらにはオフショアが強いので、一番重い6’6″を持ち、
ジェイミー・オブライアン顔のつもりで集中し、
キリリとツナくんたちを見ると、
ふたりはなんだかやたら困っていた。
「どうしたの?」
「あ、(ボード)何に乗っていいのかわかりません」
「なんでもいいんじゃない?」
「あ、折れてしまいますか?」
「普通のボードだったら一本目で折れてしまうかもね」
「そうですよね。そうでした….。キャッチサーフなら折れませんか?」
「キャッチサーフならば、4364本目まで折れないかもね」
「あ、ではそーします」
そうやってイチローさんの現在の日米通算安打数で教えたので、
そこに触れて欲しかったが、
全く触れられず、シギーとツナくんは、
それぞれスキッパーフィッシュにフィンを付け始めた。
悔しいので彼らを待たずにパドルアウトすると、
やはりものすごい波で、
まるでパイプラインそのもの。
なるほど、大野マーくんやノリくんを始め、
前出の鈴木直人さんや各サーファーたちが、
なぜハワイの大波にきちんと乗れるのかを再確認した。
「無音になってね。自分だけの空間になるんだ」
ジェイミー・オブライアンのセリフを反芻させて、
JOBモデルということもあり、
彼になりきってのバレルアウトを果たしたのでありました。
ここ2か月間くらいは、
「ああ、波にひどく巻かれたい」
「波に叩かれたい」
「ものすごい圧力で飛び降りたい」
そんな快楽を知っている私の欲求が一気に満たされた。
しんのマンライであります。
(しん=心、真、深、神、信、芯、等)
そのまま上陸して、
昨日のタキビシではないが、
「これはですね。煩悩(ぼんのう)をですね、
解脱(げだつ)して、無上の悟りをひらいた状態です」
そんなめでたき気分となっていた。
Catch Surf Skipper Fish 6’6″
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ツナくんは、
「良い波って、大変なんですね….」
「どうして?」
「乗るためにはアソコまでいかなくてはなりません」
「そうだよね」
「出られるかな?あ…、だめかも….」
そうやって自信喪失風走れメロス文体+「…..」、
つまり語尾がテンテン点になるのはいつものことなのと、
ツナくんはハワイ波も経験しているので、
「大丈夫だよ。らー!と思い切って行ってさ、
レイルをグワシとつかめばなんとかなるよ」
そうやって、安心させるように、
パドルアウトのことではなく、
乗ってからのことをアドバイスしておいた。
事実、このパドルアウトが難関で、
幾度も沈められるという戦意喪失セットがおよそ3〜10連発やってきた。
ある特大セット3連+セット15連発では、
全員が下田港方面に流されて、
ペリーの乗る黒船に漕ぎ出した吉田松陰の気持ちとなった。
Catch Surf Skipper Fish 6’0″
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「死ぬ気で行きます!」
「死んではだめだよ。タント600新車だし、ちゃんと戻ってきてね」
「はい!なんとかやってみます」
やたらと明るくそう言っていたシギーが乗った渾身の1本は、
彼にとって向こう10年は語り継げるものらしく、
昨日のムーチョアロハビールがさぞかしうまかったことだろう。
そうやって温泉に再び入り、
大谷翔平くんが深夜3:15より登板するので、
BS番組表を見ると、
なんと前出のジェイミー・オブライアンのNHK特番がやっていて、
おどろきつつ、このタイミングのすばらしさにうっとりとしながら、
そのスマホと同調する360カメラで、
ジェイミー視線でパイプライン(バックドアだったが)を見ていた。
するとそれは、
まるで昼間乗った伊豆のアソコのような波でありました。
感情移入しやすく、感激した夜でした。
波に乗っていないと、
ここには来ていないだろうし、
そうして人や土地がつなぐ魂みたいなものを波を通して、
感じられたことを再確認した日。
嵐にありがとう。
伊豆にありがとう。
そして波乗りにありがとう!
Happy Surfing!!
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