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naki's blog

教授がキョウジュたるゆえん_神ウルワツでテンライの巻_(2060文字)

Pererenan, Canggu, Bali 2018

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今回泊まっているビラ。

教授の知り合いのワヤンのご厚意ですばらしい時間となっている。

ありがとう教授、そしてワヤン!

ここに見えるボードは左から

キャッチサーフ・スキッパーフィッシュJOB Pro 6’6″

タイラー・ウォーレン、ビック・ドリーム・フィッシュ6’7″

エウレカGT5’11”

キャッチサーフ・バリー・マッギーProプランク7’6″

キャッチサーフ・スキッパーフィッシュJOB Pro 6’6″

この旅の、忘れられないボード群になった。

さて、ウルワツ。

先日の項、巻にも書いたが、

私のサーフィンの黎明期にお世話になった方が亡くなられて、

それを彼のバリの友人に伝えにこのウルワツの主というか、

伝説のサーファーであるマデ・カシムに会いにやってきた。

昨日も書いたが、

バリでは、名前が知られているサーフスポットは、

どこも大混雑でまともにはサーフできなくなってしまった。

けれど、ここウルワツに降りてくると、

なぜかやたらサーファーは少なく、

それは下手をすると1980年代と同じであるとさえ思えた。

ウルワツは、

沖に向かって左からテンプル、

ボミー、ピーク、コーナーと4つのピークがあり、

それはうねりの角度や大きさでそれぞれの波質を表現し、

さらには波が大きくなると、

それらがつながるという夢のような岬波。

Uluwatu Corner, Bali, 2018

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これは干潮前のコーナー。

オフショアに飛んだスプレーの後ろに教授とナッキーが写っている。

もしかすると、この程度のうねりの高さなら、

潮が多いほうが良い波にも見える。

それにしても美しい波であります。

1970年代から、

世界中のトップサーファーを魅了してやまない波。

Catch Surf Odysea® Skipper Fish 6’0″

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私が壱岐島に行ったときに知り合った教授。

高校を卒業後、自転車でオーストラリアを一周し、

その後は2時間睡眠で学費を稼ぎ出して

ニュージーランドのオークランド大学に行き、

そこで壱岐島出身のルミさんと巡り会い、

なんと4学部

(経済、生物、統計、海洋)を取り、

そのままオックスフォード大学の環境学部に編入し、

ついには博士号を取得。

さらにはそのオックスフォードで教鞭を取り、

波乗りがしたくて、

ここバリのウダヤナ大学での教授としてやってきたのは12年前。

キョージュというのはニックネームだと思っていたら、

こんなものすごいバックグラウンドがあることを今朝知った。

現在はチャングーのペレレナンとバトゥ・メジャーの間に自身のキャンパスを作り、

世界中からの優秀なるインターンに気候変動等を教える立場となったが、

その*ベンチャー精神は今も健在で、ありとあらゆることに取り組み、

そして毎朝サーフィンをするのが日課だという。

*venture 【自動詞】 危険を冒して承知で試みること

その彼は、

私がウルワツに行きたいと知るや、

さまざまな予定を調整してくれて、

バランガン、パダンパダン経由で連れてきてくれて、

さらには誰もが怯むコーナー波に

「大丈夫です。何度もやったことがありますので」

そんな自身と、日々やってきたコツコツ精神を発揮して、

さらには私のキャッチサーフで深いトラックを刻んでいった。

彼の夢の場所。

そして波乗りの到達点。

Catch Surf Odysea® Skipper Fish 6’6″

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こちらはサーフ歴2年のナッキー。

上記した教授に

「大丈夫。あのクドゥングのドロップを見ましたから」

そうやって自信を付けられ、

私には、

「全ては経験だから入ってくるといい」

そうやってコーナー波に向きあって、

なんと3本目には、

このフックにグラブレイルで張りついていた。

簡単そうに見えるが、

このコーナーの干潮で入ったことがある人なら

「まさか…、信じられない」とわかる。

フィンレス鍛錬の効果がここで表れた瞬間でもあった。

そうだったのか!←byタキビシ

ウルワツ先発隊。

教授、純さん、そしてナッキー。

この時点で潮が干き始めた。

Catch Surf Odysea® Skipper Fish 6’0″

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持ってきたキャッチサーフでは、

一番短い6フィートのスキッパーフィッシュ。

ジェイミー・オブライエンや、

カラニ・ロブたちも同様なことを世界中でしているが、

「キャッチサーフで夢波に乗る」というのが現在の私のテーマ。

今回は、満月直後の激浅となったコーナー波に乗った。

夕陽が落ち始めた頃、待って待って待ちまくった私は、

3つの高速セクションを抜けて、

マンライ(満足ライディング)を超えたテンライを得た。

このテンライというのは、

タキビシのお言葉で、

「天国に行ったかのようなライディングという意味です」

と昨日聞いた。

そして私たちは、

ウルワツの神、偶然、幸運、友情、示唆、教訓、

そして今までの経験に感謝したのだった。

夢波いつまでも。

ありがとう友人たち、

ありがとう波乗り。

ありがとうハッピーサーフィン。