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naki's blog

波に化けたワニ_サーフィンの最大の敵は、知的勇気の枯渇である_(2222文字)

Catch Surf Odysea® Plank 8’0″

With Soft Fin

.

インポッシブルのパーフェクション。

ただただ、ひたすら滑走していく至福。

波に乗っている写真を撮ってもらい、

なんとなく見ていたら、

「波に化けたワニが、ふざけて私を捕らえよう」としていた。

こういうものは、

見える人とそうでない人がいるので、

「見える」アウトラインに色を付けてみたのが下段。

軽トラの良さは、

軽トラにしかわからない。

 

そんなコピーを得たが、

まさしくそんな気分である。

けれどこの軽トラのせいで、

「ローカルのふりをするな」と先日叱られてしまった。(笑)

そのなれそめ、そんなこんなをキヨくんに話すと、

「あいつらやばいっすね。もう何も言うことはありません」

彼もまた私と同じ気持ちであるらしかった。

瀧朗が湘南からと、

サンディエゴから純粋滑走者たちを連れ、

太東の瀬筒雄太チームと合流して、

ウナクネ式をジェフリーズで披露していた。

こうしてワールドクラスの波乗りを見ることができるのがありがたい。

瀧朗はシニカルな博識として知られていて、

それはまるで井上陽水さんの楽曲名のようであるが、

彼とサーフィン界の話をしていた。

じつは多岐に渡るが、

これぞというエピソードを要約すると、

こんなことであるらしかった。

「まずは現在のサーフ界の状況です。

重要な源泉がありまして、

これらは非常に多くのありふれた小さなこと、

つまりマイクロの集積から生まれています」

「ふむふむ。さすが」

「ネイザン・ストロームの滑走だったり、

アレックス・ノストのウナに代表される前衛的かつ歴史的なラインは、

ファイングライド(Fine Glide)の価値を表現しています」

「総帥!」

「彼らは、引き締めたモーメントのシークエンスに多くの平凡な行為を寄せ集めるのですが、

それらの行為は、その限りないほどの選択肢による集積によって並はずれたものになるのです」

「なるほど!」

「サーフ界には、正確かつ合理的に、

あるいは慣習的に結びついた基本的なターンの1つ1つは、

こうしてそれらの点や帰結を結べば、完全体になります」

「むずかしいね」

「何千人ものグレイトサーファーが、

各ブレイクの各瞬間ごとに、そのような立場にいます。

彼らが集める特殊な集合は、並はずれて大きなものになり、

それらがディスプレイすることは、

今やライフスタイルのロールモデル(模範)となりつつありますよね」

「本当にそうだね」

「メディアの理論家たちは、

このようなグライドがもたらす新しさを理論上ですら計測できないのに、

しようと、またはしたつもりになっているということもちょっとした悲劇です」

「またさらに難しいね」

「さらに、本質的に珍しい状況というものもあります。

たとえば、シングルフィンサーフは、

統計的にフィンが2枚以上ついたサーフィンよりも稀です。

フィンレスは、そのシングルフィンより稀です」

「そうだよね」

「はい、フィンがないボードで波斜面を滑走するのは珍しい状況であり、

それゆえ興味深いものです。社会的自由の範囲の外への、

つまり逸脱によって計られる、状況に付与される量は、

通常のサーフィンに対する一連の興奮よりも大きくなります」

「へー、そうなんだね」

「ドストエフスキーはご存じですよね。

この分野では、

『シチュアシオン』(Situations)がありますが、

それはジャン=ポール・サルトル(Jean-Paul Sartre)の10巻で構成される評論集ですが、

今読み直すと、それは虚構の統計しかもたらさないと、

先日この本を8ホテルラウンジ(サバリバ)で読んで感じたのです」

「すごいね」

「AIに代表される科学技術(テクノロジー)による管理が始まり、

全ての行為を記録する機械が近未来に導入されるでしょう」

「おお、その話はバリで教授としたぞ」

「そうでしたか。そうなると、私たちの隙間の自由はゼロに帰着します」

「え、ゼロ」

「なので、こうして遊びの本質であるサーフィン、

サーフィングという行為の中にも規範から大きく逸脱するか、

あるいは、しばしば、ほんの少しだけ逸脱するべきです。

ただ、この点で状況の2つに『違次元』が現れます」

「異次元でなく違次元とは!そうだったのか!」

「いいですか、ここからは重要です。

本質的な新しさを体現、

または挑戦するに当たって最初の困難はその集積の希少さです。  

サーフ界は、この前者を、社会道徳とか腐ったローカリズムや、

SNSでよく見られるサーフしない、

またはサーフィンを理解していない発信者によるこじつけだか、

願望を結びあわせたものによって管理して、

その逸脱、または異端を押さえつけようとしています」

「本当だ。その通りに感じるよ。そうだったのか!」

「現在の日本のサーフ界は、いまだに後者が主流ですが、

それをまだ十分にうまく管理していません。

平凡な小さな逸脱の新しいパターンによって、

前衛知識人が先頭になって、

独創的なサーフィンをするべきだと思われます。

ソウルサーファーの先頭であった先人たち、

例えば抱井さんたちの文献を読んでいくと、

この自由の象徴であるサーフィングの最大の敵は、

知的勇気の枯渇であり得ることをすでに予感していました」

「そうだったのか!」

「いえいえ。うふふ」

学校が終わってラカ39世が現れた。

それにひれ伏す私と、

まだ兄の置かれている状況を完全に理解していない二郎。

(二郎の日記はこちら↓)

二郎のハッピーサーフィン日記『ゴールデンウィーク』_(2132文字)

【ラカ制度についてはこちらを↓】

【特別特大号】ウナクネ・カノン(正史。ご注意:普通のサーファーは読まないでくださいね…)_(4038文字)

Happy Surfing!!