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naki's blog

【新春スペシャル】神奈川県鎌倉市七里ヶ浜図_(2150文字)

相州鎌倉七里浜図

寛政八年 (江戸時代、1796)

司馬江漢(しばこうかん)

.

これを平塚のピースマンギャラリーで見て、

それを中村豪くんに転送した。

すると、

「うわ、葉山だ!」

そんなメッセージが届いた。

「でも七里浜図とあるよ」

「富士山が江の島のこっちにあるのは長者岬ですよ」

「本当だね」

そんなやり取りをした。

223年前の七里ヶ浜。

江の島のこちら側に富士山が見えるということは、

昔はここはとても広い砂浜で、

というより波打ち際が沖側にせりだしていたのだろうか。

それとも司馬江漢がスケッチでサバを読んだか。(笑)

中国の人は世界でも類を見ないほど記録に長けていると、

夢枕獏さんが書いていたが、私も同感であります。

ということで、

223年前は、

七里ヶ浜の波打ち際は沖側にせり出していて、

海に迫る山も同様で、地震だったり、

大波髙波で削られて、

現在の位置まで後退してしまったのだと断定してみた。

現在私の視界というか、

サーフィン研究所からの富士山。

ラカ法王とサーフしているとサバ手が多くなるのだが、

この日もトリム+サバ手で推進力を増して、

高速滑走を楽しんだ。

(サバ手については巻末注釈リンク*1を参照ください)

そこでわかったのは、

サバ手は富士山の形をしていたということで、

これからはフジ手と言うべきか、

呼ぶべきか否かを今週のウナクネ放談で

題目のひとつとしてみようと思った。

二郎くんなら「思いました」だろうか。

(二郎くんについては巻末注釈リンク*2です〜)

昨日のフリーマーケット。

なつかしの土井さんと一緒に廻って、

いろいろを得た。(詳しくは後日)

(土井さんのポストは巻末注釈リンク*3に)

感じたのが、

この鎌倉を湘南を愛する人が30年前よりさらに増えて、

それがすばらしいコミュニティになっているということ。

昔ももちろん同様のものがあったのだけど、

今はより多くの意識を持った人や知識人たちが集い、

文化を練り上げるようにして、

いわゆる高みに持っていっていることがわかった。

みなさんは波にもどん欲で、

そのフリーマーケットの終了時に、

駐車場前、

昔は正面(D先輩はマサモ)と言ったのだが、

そこに1本だけブレイクした波が来た。

きっと沖でオンショアが吹いていて、

陸のオフショアに整えられてやってきた奇跡の膝波1本。

だが、多くの人がその波に反応し、

ウエットスーツに着替える人だったり、

突然サーフィンするモードに入ったり、

時間がないとあきらめたりと悲喜こもごもだが、

ここではたった膝サイズ波が、

これほどまでの価値を持つということに驚かされた。

千葉では毎日ある。

カリフォルニアでもハワイでも膝サイズならば、

一年で364日はある。

自分がそうであった。

フラットは当然です。

湘南は波がありませんからね。

はい、パドリングの練習しましょう。

パルバル行って泳ぎましょう。

明日は気圧の谷が通過します。

腰くらいあるかも。

興奮して眠れません。

そんな毎日だった。

遠征で千葉や静岡に行くと、

見る波が輝いていたのを覚えている。

オンショアでも干潮でも、

もちろん満潮バックウオッシュでも。

地元の人はこんな波だよと言うが、

もう胸くらいあるのなら、

ボクは波も文句言いません。

1日中サーフしますという具合だったことも。

サーフィン研究所の上にパスタ研究所があって、

そこからの眺めがMeraviglioso(メラヴィリオーゾ)ですよ、

土井さんはぼそっとおっしゃった。

研究所から研究所までの移動は、

お墓の上の細く長い階段だった。

夢枕さんあたりなら、

このお墓と古民家を舞台に妖しい物語を書きそうだと思いながら、

切った石を積み上げた階段をえしえしと登った。

“えしえし”と書くのは、

決して椎名誠さんを読んだということではなく、

まさにそんな風に登ったからであります。

その研究所謹製の、

ウナクネ風のパスタとアサリ。

トマトソースだからロッソだ。

でも味はアラビアータ(all’arrabiata)だねと、

イタリアに詳しい土井さんが言う。

まあまあおいしい、

ショートパスタの食感と、アサリのそれが似ていて、

けれど微妙に、絶妙に違うのがすばらしかった。

けれど、サービスが凡庸。

場所とフードだけで勝負していて、

後は全て普通、

ギリギリなのが惜しいと話していた。

そうしないと、

今でも大混雑だからさらに混んでしまうことでありましょうと推測した。

けれど、もしここで全てに満点のイタリアンを供したら、

それは世界的にも忘れられない一皿となって、

末代までその人気を博するだろうということも。

とにかく、

この研究所は誇る風景はPerfetto(ペルフェット=完璧)であり、

土井さんの白ワインが進むにつれそれは、

Magnifico(マニフィーコ)だと弾け、

さらにはSplendido(スプレンディード=壮大、豪華、絢爛)だと、

すばらしい言葉の連結を見た午後でした。

研究所下にやってきた江ノ電。

パスタを研究したく、

サービスを気にしない人ならば、

この写真を目安に階段を登ってみてください。

七里ヶ浜駅から江の島側に250mくらい歩けばここです。

【巻末注釈リンク*1:サバ手とは?】

【巻末注釈リンク*2:二郎くんとは?】

【二郎のハッピーサーフィン日記】プレクリスマスセッション・ヘバラ編_(3393文字)

【巻末注釈リンク*3:土井さん】

“MANY LIVES, MANY MASTERS”_REPLAY!_土井さん_白フェラーリの林編集長_Blue誌編集部_ショールーム少し_マグマワックス2_荒浜わさびに京都慕情の短編です

Happy Surfing!!