平成から令和。
元号の切り替わりは四国にいた。
四国の偉人は、
坂本龍馬、正岡子規、 菊池寛、ジョン万次郎、
そして空海等々といるけれど、
令和にも偉人候補が多くいて、
その理由を考えていると、
『神話のような自然があるからではないか』
という仮説が立った。
海に迫る山。
そして神獣がいて、
海には魔獣波や妖獣波がやってきて、
山に神さまが恵みを与える。
EC Surfboards Cosmic Fonzer 7’2″
.
渾身のボトムターンに見えるが、
実際のところはそうではなく、
「休みターン」
という省エネターン。
その背景はここの猛烈な流れにある。
陸から沖のピークへまっすぐ流れるものは珍しい。
これは波付近に近づくかいなや、
沖に流されるという流力。
100mを10秒以下で走るのはサニ・ブラウンだが、
そのサニ・ブラウン系の激速。
ボルトに迫る勢いである。
普通のサーフボードだと、
この流れに逆らうことはできず、
現状維持がせいぜいだろう。
なので大きめのボードで近づいていく。
初日はキャッチサーフの6でなんとか進む程度だったので、
この日は増し増しの7’2”だった。
さらに大きなボードがあればよかったのだが、
車中泊の貨物バンだと、
キャッチサーフの7’6”が限界だろうか。
(屋根を改造すれば9フィート越えも可能)
話はそれたが、
そんな全力パドリングの結末にテイクオフがある。
波待ちなどはもちろんできないし、休むこともない。
波周りの流れたるや、
腕をさらに引き絞って、
背中を張り上げて絶えず波の内側に入っていなければならない。
波の内側へ
常に陸側へ
そんな執念と、渾身なる動作が求められる。
瞳には星飛雄馬のように炎が浮かんでいることだろう。
その状況でテイクオフすると、
「うれしさ」
よりも
「乗れたことの安堵」が勝るので、
『休みターン』というニュー・テクニックが出現するのだ。(笑)
Catch Surf ®ODYSEA Skipper Fish 6’0″
これが初日↑
.
岸から沖に流れる理由は、
川は、
流水量の少ない冬と春にかけて水路を狭めていた。
一級河川なので、
「細いが、とても深い」
玉石と砂利で形成された川の溝。
そこに低気圧でたっぷりと降った雨が、
各地のたまった水、
淀んでいた淵の内容を猛烈に流した。
70mmとかそんな量の雨である、
その翌日。
水色は川に近くなった。
満潮時は流れも少なく、
マネージできるが、
ひとたび干いてくると加速度的に流れを増していく。
波に戻れないから、
「あと1本」
そんな耐久パドリングが主体の根性試しとなる。
ブレイク周辺はこれほどまでに浅い。
超危険である。
.
やがて疲れ果てて誰もいなくなる。
上がってきたサーファーたちの評判もすこぶる悪い。
下手をしたら波を憎むくらいに流れが辛いという。
私はこういうときにサーフすることが多い。
週末はお昼くらいからだろうか。
そうすれば、
みんな上がっているか、
波は行き渡っているので、
グッドセッションとなる。
さて、車中泊だと先ほど書いたが、
今回の旅で重要な役目を果たした脇役をここに記しておく。
まずはポータブルスピーカー。
BOSE製だが、
特筆すべきは「強い」ということ。
これは何度もかなりの高さから落として叩きつけられたが、
全ての操作、音質を変えていない。
無事之名馬(ぶじこれめいば)である。
そしてモスキーx2。
空気を汚さない蚊取りとして使え、
3段階の懐中電灯としても、
そしてマッシュルームアタッチメントでランプにも使え、
一晩中使えてUSB充電というのもポータブルから取れるし、
欠点がないほどいい。
そして空海展のパンフレットからの思想の拡がり。
さて、
がしらハウスだからというわけではないが、
ガシラ(カサゴ)がよく釣れた。
釣り上げられると、
こうしてサバ手をするのが不思議だった。
釣りキチ三平 平成篇のモデルと言われているのが、
ここで何度も登場している玉ちゃん。
この玉ちゃんに聞いてみると、
ガシラは針がかりすると、
底の巣に入ってエラとトゲを逆立てるのですと、
釣り糸という敵から逃れる技ですと教えてくれた。
けれど、このガシラは
そこまで逃げ込めず、
技かなわずに上げられてしまった。
眼を拡大すると、
刹那の視界がこうして焼き付いていて、
その色彩は虹色だったことに感じるものがあった。
青龍寺の如意山が映っているのだろうか。
ちなみに幼魚だったので、
触ることなくアンフック(un-hook)して海に戻されました。
生きるもの
死ねるもの
生命から宇宙観を感じることが多くなった。
ちょうどNHKの中継を見ていたら、
大谷くんがホームランを打ち、
二塁打、三塁打を打ち、
挙げ句の果てにはサイクルヒットとなった。
野球ファンとしては、
マンガでも成しえなかった快挙だろう。
大谷くんはもしかしたら四国出身なのかと思ったが、
岩手だという。
宮沢賢治、石川啄木、吉田戦車、
そして菊池雄星も岩手出身だった。
この地にもすごい神が棲むのだろう。
とにかく大谷くんはすごいことになった。
さて、昨日の片岡さんのポストだが、
かなりの数のお便りをいただきました。
ありがとうございました。
全ては紹介できませんが、
数通をここに掲載してみます。
□
日本のローカリズムは小さ過ぎだと思います。
同じことを国民に当てはめると、
まずは日本にきた外国人の全てに
『ローカル優先』と言わねばなりません。
トイレを使うのも後回しですし、
電車の切符を買ったりも全部最後部。
下手をすると、
そんなところに行くな、
帰れ、電車から降りろと言われます。
電車だけではなく、
道路も商店、
全ての場所や行為に対して言わなければならないはずだが、
サーファーの言っているローカリズムは、
同じサーファーに対して、
人として敬わなければならない相手に
「この波は、俺たちローカルのモノだ」
と言ったり、
人相手ではない「上がれ」「帰れ」とまで言われます。
これこそは自分たちの都合がいい主張でしかないと思います。
もちろんローカルとは、
海を通じてお互いにリスペクトして楽しみたいのですが、
ローカル優先が極まったルールだと誰が決めたのだろうか?
日本のルールだと言いますが、
他所に行って、
例えば温泉等でローカル優先だと言われて出された人は皆無ではないのでしょうか。
人の、サーファーの真のプライオリティはどこにあるのでしょうか?
人と人との対話を望みます。(理想郷に住みたい45歳。男性)
□
片鯖センセ素晴らしい!
僕も猛烈に先生の意見を支持します。
今の世の中の考え方(日本的集団主義・マイルドヤンキー文化)の良いところ取りなのでしょう。
やれローカリズムだと言い、声高々にルール遵守しろと言っておりますが、守らせているのは自分達だけで楽しみたいということ=恥ずかしいことになぜ気づけないのか?
真のローカリズムが日本に根付く日が訪れるのを切に願います。(千葉県東金市在住、37歳。男性)
□
近所に頭のおかしいサーファーがいます。
私たち家族はここに何十年も住んでいるのですが、
その人は、
オリンピックなので(サーファーで)混雑する。
これでは秩序が保てないと、
急速にエスカレートしています。
この間は前乗りしたと言いがかりを付けたのですが、
どうやらその相手の友人がその道の人らしく、
大騒ぎになり、
それでも止められずに
殺すとか殺さないまで言って、
結局はどこかに連れていかれておとなしくなったそうですが、
普通にやっていればそんなことにならないのにと、
私たちは思いました。
そんな事件から戻ってきてからも大声を出して、
威嚇して波に乗りまくっています。
彼に同調すると、
ローカルのふりをできるということで、
周りもその人を称えたり、
少しでも目立つ人がいると、
その彼をけしかけて問題を与えたりしています。
これではその内に大変なことになります。
私たちにもその災いが降りかかってきそうで怖いです。
家にもいたずらをするタイプです。
もともと、
頭がおかしい人なので、
学校(同級生です)に行っているころからみんなに嫌がらせをしていました。
それが趣味みたいです。
サーファーが増えたからと言って、
こういうことができないようにと、
ローカルだからとそこまでではないと、
切に願うので勇気を出してペンを取りました。
※ここに書いたのは、ほんの一部の内容です。
ご移動中に申し訳ありませんが、
アドバイスなどありましたらどうぞよろしくお願いいたします。(匿名厳守でお願いします)
□
私も各地へサーフィンに行くのだが、
土地のものを敬い、
そして神仏にも足を運び、
海上や土地での無事を祈っている。
自分も海の前に住んだこともある。
夜中に騒音を出すサーファーたちが家の前に駐車して騒がれたこともある。
勝手に水を使われて大事なものまでびしょびしょになったこともある。
けれどそれはビジターサーファーだからではなく、
人としてなっていないから。
ビジターとかローカルという問題とは違います。
間違った行動をする人がいて、
それが危険ならば、
普段の生活のように人として、
ていねいに知らせるべきだと思います。
秩序が成り立たないとありますが、
サーフィンというのは、
海の遊びなので、
シンクロナイズド・スイミング
(現在はアーティスティックスイミングという )とか、
ラインダンスのように誰もが揃わなくて当然です。
さまざまな形のサーフボード、
さまざまな人がそれぞれに安全に楽しく、
この天界のような伝説世界で遊んで欲しいと願っています。
グッドサーファー集まれ!(ちょっと違うけど。笑)
それではHAPPY SURFING!!
◎