新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

【サーフィン研究所】洋之介のビーチハウス _(1080文字)

葉山の真名瀬海岸のビーチハウスに行ってきた。

上の詳細アートもそうだが、

ここは佐久間さんの場所で、

彼は洋之介くんのお父さんだ。

洋之介が亡くなって、

佐久間さんが、

「富士山が見えるビーチハウスでBBQしましょうよ」

そう誘われていたが、

ここに来るまで16年もかかってしまった。

葉山のガラさん。

78歳となるが、

人生のほとんどをこのあたりで過ごされてきた。

波のことも詳しい。

「この西風はさ、うねりは大きくならないし、

もうすぐ風が変わるだろうけど、

すると五分くらいで小さくなっちゃうね」

ボードとウエットを持って、

風が変わるときにパドルアウトしようと思っていたのだが、

ガラさんがそう言うのならきっとそうだと、

あきらめてしまうほど説得力があった。

2006年の元日。

洋之介は、

今もあのままの姿で私たちの心に残っている。

佐久間さんは、

海遊びが大好きなようだ。

彼のアートの中にもサーフボードはもちろんのこと、

カヤック、

サバニ、

アウトリガー、

ゾディアック、

ウォータースキーなどがディスプレイされていた。

佐久間さんは一時期、

サーフィンのウォーターショットに夢中になっていて、

名機ニコノスでさまざまなサーファーを撮られていた。

なかでもこれは、

サーファーズ岬を滑る大野薫さんで、

彼もまた私が知るときのまま写真の中でボトムターンをしていた。

洋之介くんの弟泰介くんがやってきて、

さらには、

彼の奥さんのユウコさんと、

息子の太陽くんが来てビーチハウスは賑やかになった。

2年前に一緒に入ったヨーノピークの話となり、

あの日の波がまざまざと蘇った。

これはそのときの彼を菜央ちゃんが撮ったもので、

美しいボトムターンをする泰介くんが写っていた。

陽が落ちるころになると、

西風は止んで、

ガラさんの予告通り波はなくなった。

6歳の太陽と、

78歳のガラさんが一緒に遊べるのは、

ビーチハウスならではのことだろう。

ゲームより火が楽しいのは、

人の遺伝子に由来するものだろうか。

日没後は、

しっかりと富士山と、

観音さまが横たわったような稜線が浮き出してきた。

これはこの時季だけの、

大気がきれいなときだけに見えるものだという。

洋之介がすぐ横にいるような気がして、

そのことを佐久間さんに伝えると、

「あいつはどこよりも葉山が好きだったから、

きっとここにいるでしょうね」

そんなことを言って目を細めていた。

【巻末リンク:洋之介ピーク】

【サーフィン研究所スペシャル3】ヨノピークの教え_キャッチサーフは少数派の願い_(2727文字)

【巻末リンク*2:YONO】

【サーフィン研究所スペシャル】台風15号_洋之介くんの魂を継ぐものたち_ヨノピーク_(1629文字)

【巻末リンク*3:ガラさんが見つけた波】

【サーフィン研究所スペシャル2】台風15号顛末_ヨノピークの極み_(2312文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyles!!