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【サーフィン研究所&ドラグラ特大号】スカイ アンド シー・ムロトもうすぐオープンします_ポピュリズムをかわしつつ、楽しくサーフする20の方法【後編】_(3303文字)

スカイアンドシームロト、

明後日15日よりオープンします。

HP等が間に合わず、

現在airbnbのみが稼動しています。

https://www.airbnb.jp/rooms/41458698?source_impression_id=p3_1578873348_G0cZHNjeO7fvzeVj

ここの共有スペース、

リビングルームには、

「沙門遍照金剛 文并書」

という空海の書が掲げられています。

この書は、

石碑から写したものなので、

正確には空海の書いたものとは違うのでしょうが、

三筆と数えられる空海の書で大好きな箇所です。

ビジュアルとしてフォルダーに入れておいたら、

空間デザイナーの橋口典代さんがこのようにプロデュースしてくれました。

沙門、

そして遍照金剛とは、

弘法大師が唐で密教を学んでいた際の灌頂名(かんじょうめい)で、

文ならびに書というのは、

「これから私(遍照金剛)が大切なことを書きます」

そんなはじまりの名文がここに。

私が滞在しているのは、

森の間で、

とても静かなのと暖かいのが特徴です。

安らぎ。

天気が悪かったが、

干潮時のみサーフできることを知った。

室戸岬周辺の波のワイルドさ、

岩とか全て含めて感動しました。

さて、

昨日の続編です。

まだの方はこちらをご覧になってください。

これが前編です↓

【サーフィン研究所&ドラグラ特大号】狼満月_ポピュリズムをかわしつつ、楽しくサーフする22の方法【前編】_(1963文字)

(前編からの続き)

具体例を示すと、

土佐にもあるTSUTAYAの本棚で、

世にあふれる大衆サーフ雑誌を拝見すると、

「小波でのトップターン攻略法」

「ちょい当てのコツ」

などをプロ・サーファーを使って特集していて、

「肩の方向を意識しろ」

「小波のテイクオフ かんたん習得法」

「ボードを最大限に走らせるコツ(前編)」

「レイルワークのHOW TO〜」

そんなテクニック重視の見出しが誌面を飾り、

本文には、

それらの内容がしっかりと真面目に印刷され、

読者はそれを懸命に読み、

自分がどこがいけないのかを肉体的に感じつつ、

精神的に追い込まれていく。

ご存じのように大衆的なサーフ雑誌の編集者の多くは、

時間的な制約もあるからか、

なぜかサーフィンをしない。

(大衆的ではない誌面を作る編集者なら本気でサーフしている人もいる)

もししていても「機会があるからサーフする」だけで、

自発的に「低気圧が近づいてきたな」とか、

「明日は波がありそうだから、暗い内に起きよう」

などとは決してやらない。

サーフ雑誌の編集者のだいたいは、

自社他社のバックナンバー、

ゴルフ雑誌などをペラペラめくって編集企画を立てていると推察される。

例えば、

「つま先上がり」

そんな字面から、

サーフィンに転化させて、

それをレイルワークとし、

球筋をラインとするのは日常茶飯事で、

「フォロー(スイング)」を

「手の動き」

として伝えているのだろうか。

さらに車雑誌から単語を拾ったりし、

それなりの文章にしているけど、

全部自分の言葉ではない。

疲れているのに、

寒いのに、

波乗りのために、

数時間の睡眠で跳ね起きるサーファーのド根性などはわからない。

しかし編集者も立派な仕事である、プロである。

極みを知らずに

「極みを目指せ」

「〜下半身の使い方〜」

そんなことを書くのは気が引けるけど、

得意の流行語などを使って、

文体も使い分けてパプリカ・ターン、

ちょい当てとか、

小波とやれば、

それを喜ぶ大勢の読者が見えてしまい、

仕事ははかどり、

雑誌は売れ、

編集長と飲むビールもうまい。

そんなことになっているのであるまいか。

さて、読者側の視点に入る。

読者は「プロサーファーが教えている」

ということに安心しているが、

演舞するプロサーファーならば、

そのターンはどのくらい大変か、

難しいかを知っている。

どのくらいかと言うと、

子どものころから海の側に住み、

波があるときは学校の前にサーフし、

学校から戻ってきたらすぐにサーフし、

休日は、

なるべく多くの時間を波周りで過ごす日々の結果がなくてはならず、

または社会人となる際に、

よりサーフィンに時間を費やせる仕事を選ぶか、

無職となり、

アルバイト程度で貧乏しながら懸命にサーフするか、

親か、誰かの援助を受けて、

真剣にひたむきにサーフした年月の集大成が、

誌面で連続写真で披露しているターンである。

読者はこれを模範とするのはいいのだが、

週に1〜2回しかサーフィンできないサーファーが、

連続写真の解説通りにやっても、

筋力やタイミング、

そして波が誌面とは違うからチグハグになり、

結果、己の能力の低さを再確認して、

ちょい当てができない自分は無能者だとか、

カットバックの失速に切腹したくなり、

さらにはプロサーファーのものと、

あまり変わらない浮力のボードを乗っていることもあり、

やがてはサーフィンって、

ちっとも全く楽しくないと知ることとなる。

それも始めて数年もすれば、

こんなことがやってくるのだ。

サーフィンとは、

テクニックも必要だけど、

ほとんどを占めているのは、

「”波”という太古からの大自然に自己を委ねるということ」

これが一番すばらしいとされる。

日本には、

その昔サーフマガジンやサーフィン・クラシックの誌面を焼き付けていた精神論があり、

そこに逸脱や冒険や、

達人や黒帯、道場と修行、栄光が要約されていて、

大自然と遊べる身体と、精神の崇高さを表現していた。

天才編集者のテラさんが、

この麗しいチームの生き残りであり、

それを今に伝える人であるが、今は先を急ぐ。

この思想は、

日本サーフィン界の潮流となった結果、

それを悪用されて、

悪しきローカリズムとなった(サーフィン研究所調べ)のだが、

これにも触れない。

長くなったので、まとめると、

自由主義のサーファーが、

大衆主義に巻き込まれない20の方法です。

1.ボードについて何か言われたら、ジャズ楽曲の話題とする。(コルトレーンとかいいですね)
2.乗り方についてたしなめられたら、大谷翔平くんの2刀流を目指しています。トップの位置がむずかしいですねと言う。
(またはラカ法王のようにニコニコ)
3.正しいことをしているのに、ローカル・ルールだとすごまれたら、フォースを使って逃げる(ジェダイ・オンリー)
4.言われなき暴力を受けたら、すぐに証拠をまとめて訴訟する。
5.駐車場所はポールポジションに停めず、少し離れたところで目立たないように。
6.行動も5と同じで目立たないように。ウエット等も目立たないように。(全体主義者は、あなたがどこが違うかを見ています)
7.映画はウエス・アンダーソンを観る。(全体主義者に人気がない意味と、映画の奥深さを同時に知ることができる)
8.ベストセラー作品は読まない。見ない。
(リリー・フランキーさんの東京タワーと、クマさん(篠原勝之)の「人生はデーヤモンド」は別)
9.大量消費するものには触れないようにする。
10.波情報が伝える有名、高得点サーフスポットには決して行かない。
11.大衆サーフ誌は読まない。
12.HOW TOものをYou Tubeで見ない。
13.競争主義者が横に来て、あなたの波を奪い始めたら直ちにそこから離れる。
14.ナンバープレートに1173とか、5532とか付けない。
15.サーフ帽とか、車周りのサーフラック、電動シャワー、サメ避けを使わない。
(これらの装備は、全体主義者のカミングアウトでもある)
16.朝陽と夕陽の時間にサーフすること。(自然の色彩を見よう)
17.直火焼きのものを食べること。(本物の火を見よう)
18.TVはあまり見ないようにする。
19.人気店だからと並ばない。
20.胸を張って生きる。

とここまで書いたところで20となったけど、

こっち主義のことならいくらでも書けることに気づいた。

とにかく、

サーフィンとは自由なので、

大衆主義によくある

「みんながこれを高評価しているから」

「雑誌に書いてあった浮力だから」

「仲間情報でボードを選んだから」

「波情報が40点付けたから」

という「から・から・から渦潮」には、

巻き込まれないようにしてください。

前編も含めて5000字超と長くなりましたが、

サーフィン研究所からの投稿でした。

Happy Surfing Forever!!