Bonzer 1971 / 6’3″
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タイラー・ウォーレン謹製のドリーム・フィッシュがあり、
最近は波が出ると、
そのフィッシュからの輝く滑りに魅せられていた。
そのあいだボンザーは、
ガシラハウス神棚の前に封じていた。
ボンザーに何が蓄積され、
何が流出し、
何が変わったのか、
そんなことを知りたくなって持ち出した。
「使っていなかったボードを持ち出す」
という衝動は、
波と混ざりあい、
『透明な充実』という本質を紡ぎ出してくれた。
こんな小説文体になるのは、
カタサバ先生からのインスピレーションで、
(巻末リンク)
先ほどまで「おそ松くん」を読んでいたからだろうか。
「おそ松くん」は、
土佐道路のブックオフで、
なんと竹書房版の第一巻を発見したのだが、
この少年サンデー連載当時の昭和37年は、
今とほぼ何も変わらないことがわかった。
カタサバ先生の書かれていたエピソードは、
年代から推察して、
3巻くらいではないかと思われた。
もっと書くと、
先日『宇治拾遺物語』を現代語にしたが、
その際にも800年前、
1200年前も日本人の思想は、
いまと何も変わっていないことに気づいたのだ。
長くなってしまったけど、
この1971年の——49年前のレプリカも、
現在のサーフボードも実質的には同じだった。
浮力体が自由に波を滑ると、
私の心が澄んで開いた。
サーフィンとはこのようなものだろうか。
さて、
こちらはブルードラゴンのショアブレイク。
サーファーならば、
これがかなりワイルドなのがおわかりになるだろう。
ここに見えるのは20代の女の子。
この子は、
カップルで来ていて、
やたらとうれしかったのか、
弾けてしまって、
このようにタイタニックの真似ごとをショアブレイクでしていた。
ここはテトラ群が始まる箇所で、
もし、
ここで波にすくわれて流されてしまうと、
ものすごい流れに吸われて、
一瞬で100mほど西側の沖に行ってしまう。
この覚悟というか、
イメージがないと、
パニックとなってかんたんに溺れてしまうだろう。
サーファーであって、
サーフボードにつかまっていてもそんな調子なんだから、
こんな服で、
ド
ン
とやられたら命に関わるだろう。
だがこの子は、
人間力がないのか、
この視界と、
波が発する重低音の響きに相対しても怖くないようで、
このタイタニックごっこをずっとやっていた。
危ないぞ。
幸運なことに、
彼女に悪さするセット波が来ずに、
このカップルは無事に駐車場方面に帰っていった。
(いざというときのためにウエットスーツは脱がずにいた)
海は危険です。
そんなことがさらにわかるようになったのは、
ブルードラゴン波が、
いわゆる魔獣波だからだろう。
奄美の魔獣波を思いだした。
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【巻末リンク:カタサバ先生最新作】
Happy Surfing!!
◎