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【サーフィン研究所】タイラー・ウォーレン『ワン・オフ』の波運とは_ミニ・ノーズライダー・トリビュート_(2628文字)

気圧配置が超冬型となり、

『春の三寒四温』の2つめだか、

3つめの寒がやってきた。

千葉は、

まるで台風のようなオフショアが、

2m以上のうねりを吹き飛ばしていた。

Tyler Warren “One Off” 6’5″

.

タイラー・ウォーレンのワン・オフが、

いきなりこの波を得た。

私の感覚だと、

良いボードというのは、波運も良い。

しかも6’5″(約195cm)という

「少し長い」ボードなので、

この千葉ビーチブレイク特有の

「ゆるゆる・もろもろトップ」の下から下げて降りられた。

ここは一宮に多くある「名無し」のブレイクで、

4年前にとても良くなったときがあって、

その時はここを「マグナム」と呼んだが、

それっきりこの沖で波乗りをすることはなかったが、

ここが昨日、

キラリとするほど良い波がやってきていた。

ファースト・セクションからセカンドにつながり、

そしてサードは流れで激烈に掘れ上がるショアブレイク。

100mは乗れただろうか。

いやもっとか。

波壁を長い距離走り、

強風に目を細めると、

まるでバイクに乗っているような感覚となった。

このセッションでのフィン・セットアップ。

2にVEKTORの試作タブを付けた。

スリリングな春の愉しみをTW65(シックス・ファイブ)で得た日。

一度上がってから「海水浴場」に二郎くんを連れていくと、

横から見る沖のピークがやたら良さそうだったので、

二郎くんとのセッション後に行ってみると、

波壁ではなく、

直線で降りて、

インサイドのダブルアップで掘れ上がるという波質だった。

横に滑る至福を得た後だったので、

燃え上がらずに1本だけで上がってしまった。

寒いというのもあった。

【ご報告】

個別のお客さまや、

ここで何度もお伝えしてきましたが、

NAKISURFと共に進んできた

クリスチャン・ワックのキャンバスが売却されました。

かんたんに書くと、

ラベルだけの似て異なるものです。

アメリカなので仕方がないことですが、

少し切ない気持ちです。

現在クリスチャンは、

親友であるタイラー・ウォーレンのボードに乗っている。

これが当時のモデル・ページで、

今見ると、

10年は先を行く内容だったとわかる。

さすがクリスチャンだ。

ちょうど名作『ミニ・ノーズライダー』の話となった。

ノアも大好きだったあのミニ・ノーズライダーだ。

10年ほど前、

このミニ・ノーズライダーが日米を席巻した。

6’12″(7’0”)サイズ、

5’12”(6’0”)というたった2サイズのバリエーションにもかかわらず、

2000本以上も注文が入ったボードです。

今でもファンは多く、

「へたり始めたので、同じように新調したい」

そんな要望が入ってくるようになった。

そこで、

オリジナル・シェイパーのライアンに聞いてみると、

コンピューター・シェイプ・デザインのファイルがあれば、

テンプレート、

フォルム、

ロッカー、

シェイプ、

ボリューム等全てが再現できることがわかった。

そこでサーフボード博士の前田博之さんに相談してみると、

「やりましょう!」

と、

この名作をリ・ボーン(再誕生)させてくれることになった。

日本人のことをお分かりになればご存じのように、

大きなことは言わない(ビッグ・マウス)民族です。

そして確かでないと、請け負いません。

しかも前田博士は、

自身の信用もかかっているわけです。

こういう「なぞらえもの」は、

クリエイティビティもなく、

受けたくないことのひとつだと思うのです。

なぜ受けてくれたかを聞いてみると、

『歴史的ボードに際しての自身への探求心』

というのが、主な理由だったそうです。

フィン・セットアップは、

オリジナルと同様にシングル+サイドフィン(2+1)。

これは世界最高の機能(タイラー・ウォーレン談)とされる仕様です。

冒頭のワン・オフもこの仕様です。

7インチ以上のシングル・フィンを付けると、

クラシックなサーフスタイルへの直球となり、

または、センターフィンを5.5インチ以下とし、

ショートボードのサイドフィンを付けて、

ショートボードのようなマニューバビリティも実現可能。

Noah Funaki

.

または、

サイドを大きなツインとし、

小さなキールフィンで、

ツイン・スタビライザーとフィッシュ使い。

Tyler Warren

.

さらには、

普段はショートボードに乗っているけど、

緩慢で力のないブレイクでもサーフィンを楽しみたい、

という方にも最適です。

ノーズライダーなので、

安定度はピカイチです。

Leah Dawson / Seea

.

なので初級者から中級者を目指す方にも最適ですし、

パドリング力が高いので女性にもオススメできます。

この究極的なMNRは、

その独自のボトム形状によって、

増したボードサイズによる違和感がありません。

ヘタをすると、

ショートボードと同じ感覚の機動性を持ちます。

名作レイル『ナイフィー50/50(Knifey 50/50)』は、

ストリンガー中心からレイルに向かって、

テーパー状にボリュームを落としたスムースなもの。

コンティニュー・バブルコンケイブなど、

オリジナル・スペックをそのままを全て踏襲しました。

デフォルトのテイル形状は、

安定と機能性を兼ね揃えたキック・ストールテイルを採用。

(またはスワロウテイル)

そんなこともあんなことも全て、

前田博士にお願いしてシェイプが完成しました。

確認しに行くと、

ロゴマーク以外、

完全なる再現がなされていた。

驚愕。

新しいロゴ。

MNRと呼んでください。

確認後、

すぐに巻き(グラッシング)がなされ、

オリジナルと同じ4+4ozという軽い仕様。

グレー版も同時に製作していて、

これらは初回ストックとなります。

7’0″の長さの新生ミニ・ノーズライダー。

噂のキック・ストールテイル。

2+1の2部分が埋め込まれていて、

1はシングルフィンの溝なので、

巻かれてから掘り出される。

さらに、

私の実験というか、

博物館シリーズのBonzer1973もベースが巻かれた。

前回の1971から二年でデザインはどこまで変わったのか?

そんな主体に迫れるのは、

やはり実際に波に乗ってのイロイロがあるからだと思う。

【オマケ】

前田博士一派は、

東京は大井町のシティウエーブ(フローライダー)に夢中になっていて、

そのスペシャル・ボードがあった。

人工波なので、

夜間サーフすることもあるそうで、

その際に蓄光塗料で光るデザインが施されていた。

新時代。

Happy Surfing!!


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