西風。
これは湘南であれば、
ほぼすべてのブレイクで横風となる。
具体的には富士山の方から吹いてくる風だ。
伊豆は半島の地形なのか、
山の連なりが関係しているか、
少し南をひっぱってきて西南西風となる。
これは「セイナンセイ・フウ」と発音しているが、
伊豆のほとんどのサーフ・ブレイクでクロス・オフショアとなり、
その中でも白浜はドンピシャの風となった。
白浜の両側にはサーファーがちらほら入っていて、
中央付近が無人だった。
入ってみるとわかるのだが、
このサイズとは思えないほど流れが強く、
ふと気づくと、
白浜神社側に流されている。
右側の岩切方面は、
流れがそこまでないので、
中央に引っぱられてしまうと。
他サーファーは岩場に寄り続けていた。
中央にいるためには、
「ここの、この場所」と、
伊豆急ホテルの壁の角度で自身の位置を求め、
しっかりとパドルし続けなくてはならない。
小さいが、
長く続く波で、
なぜ誰も来ないのかというと、
『これは全体主義の操作によるものなんですよ〜』
と、
太郎くんと二郎くんにポイくんの声色で教えた。
(このことについては、巻末リンク1&2へぜひ)
その操作とは、
「人の多い方が波が良い」
そんな刷り込みというか、
飲食店の繁盛状況みたいなもので、
「無人(実際には私たちだけなので4〜5人)」
「子どもたちに教えている波」
そんなプレゼンテーションでは、
神社側に20人も入っていれば、
新しいサーファーは100%あちらに行ってしまう。
まれに、
私たちのいる中央にやってくるが、
見事に流され、
人が多い方に接流していくのは世の常である。
なので、
太郎くんと二郎くんには、
「人に惑わされず、自身の独自の視点で波を見る」
そんなことを伝えた。
とになく波情報の点数を頼りにサーフしている人が90%という状況なので、
これも仕方がない。
そういう選択をする人は、
混んでいるところが心地良いのだから、
それもまたサーフィンの時間のタイム(イーチ大瀧)ということでありましょう。
ならば、
波情報の発信者、
つまりパトローラーは副業で
『サーフブレイク指南』とやって、
「じつは今日はここがいいですよ。
ぼくたちが点数を付けない場所なので空いています」
そうやればダブルで稼げるということになる。
さて、千葉に戻ると、
大雨で東風が北風に変わるところだった。
上の画像はタキビ神で、
彼こそが独自視点でサーフブレイクを選ぶ目を持つ。
マリエル、ジュクオン辺りの勝浦地区は誰よりも詳しい。
ノース・ブバラカの昨年度の覇者(巻末リンク*3)であり、
ドラドラドラも単独を怖れずにパドルアウトする。
「ヒガシカゼはまれにトンプウと発音するんだよ」
そうイレギュラーなことをジローに教えると、
父ちゃんが「YMOですね」と、すぐに気づいた。
「ぼくが初めて買ったレコードはYMOでした」
そう続けた。
ではハッピー(細野晴臣さんがリーダーのハッピーエンドのこと)
も知っていますか?
そう聞くと、
「はい、アハナムジカ出身ですから」
そう高知カルト・ストアの名を挙げて、
遠くを見た。
父ちゃんが若き頃は高知にいて、
そのときのことが走馬燈のようにかけ回っていたのだろう。
父ちゃんは、
子どもが生まれたら最初は太郎と付け、
二人目はコジローにしようと思っていたことを話してくれ、
ハイカラMのこと、
宇賀くん、
北野しんじょうヤスくんのことを話してくれた。
全ては過去となり、
今は現在で、未来は誰もわからない。
そんな原則がわかると、
月齢がちょうど20となった。
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【巻末リンク:ポイくんとは?】
【巻末リンク*2:ジロー】
【巻末リンク*3:タキビ神が神格化する前】
Happy Surfing!!
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