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【サーフィン研究所】風魔式!?ボンザー1973完成!!_(1656文字)

ついに!

ボンザー1971に続いて、

印象的だった1973年版のレプリカが完成した。

人気沸騰中の博物館シリーズの続編である。

これは、

「博物館のボードに乗りたい」
「しかも新品で」

というありえない要求をかなえてくれるものだ。

今までのところ、

前出のボンザー1971と、

ミニノーズライダー『MNR』がラインナップされている。

その第三弾ということになる。

特大号【サーフィン研究所】金狼ボンザー1971完成!!_(3015文字)

1970年代に使われていたボートクロスと樹脂(レジン)、

グラスオン・フィン、

ワイド・ラップ、

厚めのホット・コート、

そしてリーシュ・ロープ。

ボートクロスの粗い目が、

経年変化してレジンを吸った質感はもちろん、

47年前のサーフボードと同じ比重となっている。

今回の製作も前田博士で、

ここには大変な作業と考察があり、

ここにその完成形が提示された。

まるで託宣だと感じたことをここに記しておく。

センターフィンが大きくしてあるのは、

総帥のように自在にフィンを削りだそうと、

大きめの選択とした。

まずはこれで一度乗り、

フィン・チューニングをこれから施すという、

完成までの流れとなった。

よく晴れた日に完成した1973年版のボンザー。

博物館で見るだけではなく、

こうして乗ることができるのが、

NAKISURFの博物館シリーズです。

前田博士ありがとうございます。

すばらしい完成度というか、

1973年製ボードそのものです。

博士は、

私のワンオフ2+1をチェックしたかったそうで、

この変哲もないボードをずっと目を入れて確認していた。

かなりの閃きがあったようで、

こうして旧式から最新式を練り上げるというのは、

タイラー・ウォーレンと同じで、

良いシェイパーというのは常に耳を立てて、

目を開けているのだとわかる。

受け取ったその足でジェフリーズに行く。

あいにく風の影響を受けていたが、

50年前に誕生したボンザーというデザインが、

千葉の波を滑っていった。

忘れられないセッションとなった。

思いだしたのが、

最近の学説に多く見られる

「ボン=梵、ブラフマン:宇宙を支配する原理」

「ザー=3、参。欲界・色界・無色界の三界」

という思想のこと。

1971年版では、

そのテイクオフの早さに驚き、

その速度に膝は打ち震えたが、

やはり

このデザインが、当時なぜ定着しなかったのか?」

ということをまた考えていた。

自分なりの解釈というのがあり、

当時は、

「モダン・サーフィンへと転換する時代だった」

ということが作用したからではないか?

そう結論づけてみると落ち着いた。

というのは、

ボンザーは持続する加速性能なので、

ハックやクイックのトライフィン派とは、

異なる流派だったからであろうか。

忍者にも伊賀と甲賀、

そして風魔とあったが、

そんなことではあるまいか。

このボンザーが誕生した1970年代は、

サーフィン世界のベクトルがクイック・ターン(コンテスト主義)に向き、

ジェリー・ロペスのようなクラシカルなロングターン、

スキップ・フライのファイン・トリムは、

コンテスト崇拝の全体主義者たちから置き去りになったのだろう。

まるで風魔者たちの忍術道具のように。

それでも、

ボンザーに乗って、

こうした幻影のようなターンを残すものもあった。

良く見ると、

BINGのロゴが入っているので、

1973年以降の写真だとわかる。

マルコム・キャンベルは、

ボンザーを極限まで短くすることにより、

鋭いマニューバーを再考察したという。

近代サーフ世界では、

シングルフィン、

左右2枚の装着されたツインフィン、

そしてトライ、クアッドという形式があり、

ともに水中の板状のものによって水流の流れを変えることによって、

操作と加速を得られる仕組みである。

fin-flow780

『ボンザー』は、

先ほども書いたが、

風魔式のような消失したシステムの一つである。

乗ってみると、

継続する加速がもはや神話クラスで、

とすると、

そんな感覚になるこのサーフボードこそが、

そんな伝説とか言い伝えみたいなものだろうか、

そんなことをぼんやり考えていた。

Happy Surfing!!


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