うねりが南東に振れたので、
土佐西に向かうことにした。
到着すると、
いつもあるロック・サバ号はもちろん、
スマイリー・グリズリーが見えなかった。
本人に連絡してみると、
フェリーで南に下っているという。
しかもデュークTだ。
うれしい。
がぉー!
この小波のなか、
ジョニーはスキッパーフィッシュをそれは見事に乗った。
ガォー!
こういうときの私は、
8フィート以上のボードに乗る。
すると、
感覚的にショートボードでは、
胸肩くらいの速度感を受けることになる。
こういうボードを乗らない人は、
今から述べることを信じないかもしれないが、
大きなボードで小波に乗ると、
その波が大きく感じられる。
ショートボードでこの波サイズに乗るには、
誰とも顔を合わさずに沖をにらみ続けて、
セットの中の一番良い波を、
さらには最も良い位置から、
しかも最速で漕ぎ出さなくてはならない。
よって繰り返してしまうが、
この波に40リットル以下のボードで乗るためには、
星飛雄馬(©巨人の星)の
『昭和43年の巨人軍入団テスト』並の真剣さと、
汗と涙と根性が求められる。
それにくらべ、
この8フィートモデルなら、
波に乗るのは崩れそうなところからどこでも、
きちんとセクションからテイクオフすると、
たった二漕ぎくらいで波の上を滑り始めている。
やたらと速度が出るので、
こんな膝以下のセクションに、
胸肩程度の波に対してアプローチが可能なのである。
体積が86リットルあるので、
ターンのコントロールはむずかしい。
けれど、
これではまるで、
大リーグボール養成ギプスのように抑制しつつ、
鍛錬するのかと思われがちだが、
じつは違う。
パドリングでは、
最高速度を長時間維持しつつ自身を鍛えていく。
背中を反らし、
体幹をきっちきちに締め、
丹田とボードを最接着させつつガンガン進み、
激速パドリングとなるが、
人の波は決して取らないのが作法である。
「人の波」
ここまで書いてしまったので、
どれがそうなのか、
このことを説明したいが、
書きはじめると、
およそ5000字くらいを要するので、
そのことはいつかここで書いてみたい。
ジョニーは、
エジプトの特殊部隊を脱退し、
その荒んだ精神をヨガで落ち着けていると、
あっというまにヨガの先生になってしまったという。
それからは、
SURF YOGISというサーフ&ヨガのブランドを立ち上げ、
天然素材の日焼け止めを完成させた。
今では、
彼のサーフィンが好きが高じて、
世界の良波の場所を求めて旅をしている。
ずっとGランドにいて、
それ以前がバリ、
もっと前がオーストラリアといった具合だ。
私たちが掲げる
「デューク・カハナモクのハッピーサーフ思想」
に共感してくれているのもすばらしい。
(デュークのことは巻末リンク*2に)
ジョニーは卓球の腕前がすごく、
やってみると、
ワールドクラスの動きをして、
精確な球運びをする。
私では物足りないだろう。
そこでこのあたりでは、
元オリンピック選手という経歴を持つお母さんの元を訪れることにした。
このお母さんこと、
小嶋(おじま)タマさんの動きがすごく、
ジョニーは軽く手玉に取られた。
タマさんはその佇まいから連想して、
北方水滸に登場する武術師範「王進」のことを思い出した。
子午山に隠棲された達人師範にからめて、
「玉進(タマシン)さま」と名付けた。
するとジョニーは史進か。
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【巻末リンク:特製2021カレンダー情報はこちらです】
【巻末リンク*2:ハッピーサーフ思想について】
Happy Surfing and Happy Lifestyle!!
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