台風16号ミンドルは、
WBPサード・リーフでうねりをブレイクさせた。
——通常は——
普通の台風ならば、
せいぜいセカンド・リーフまででこのサードが割れるのは珍しい。
だが、
あれだけ猛列な台風がこのコースを通れば、
ここで波が崩れるのは当然といえば当然なことだろう。
ちなみに陸から近い方をファーストと呼び、
その次の沖の根がセカンドという具合だ。
The2+1
6’8″x 19-5/8″ x 2-1/2″ at the WBP
Shape, Design and glass by @hiroyuki_maeda
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これはファースト・リーフ。
硬い斜面。
重い波先。
「経験」とは、
サーフィン世界ではよく聞く言葉だが、
こういった波でやっていると、
突如大波がやってきて喰らってしまう、
セットを喰らって岩場に引きずりこまれるという非情がある。
そんな非情のかけらを集めて、
それらを積み重ねて乗る波なのだと、
沖で波を待っているときに気づいた。
WBP at
@sky_and_sea_muroto
.
サーファーは、
いかにその非情を味わっているかで、
乗る波を豊かに感じるのか、
緊張するのかの度合いが変わってくるのだろう。
さらに書くと、
いい波が目の前にやってくるのは、
それまでの人生でどれだけ非情波を喰らったか、
または天変地異だと身を持って感じた回数と比例するようだ。
上が6’8” 2+1で、
下が1973スティング。
ボトムにワックスがわりと付いているが、
これはサーフボードに粘着物質を付けておきたいからのあらわれで、
それはデッキ側で顕著になるが、
こうしてボトムに付くのも歓迎している。
(6’8” 2+1とスティングについては巻末リンク*1〜2を参照ください)
以前、
私のボードのワックス状態を見て、
「遅くなるよ。しかもプレーニング・エリアにステッカーを貼っているし」
さらには、
「これは不調だよ、(滑走が)遅いでしょ」
と伝えてきた某シェイパーがいるが、
それからその人の言うことには、
信憑(しんぴょう。信頼)性がなくなったことも追記しておく。
大穴が開いているのならともかく、
たかがワックス程度で遅くなったことすらない。
サーフボードの起伏というのは、
広い面で見ると重要だが、
こういった粒はゴルフボールと一緒で、
多少の起伏があった方が速いとすら思える。
波斜面の傾斜角度が上がると、
ツイン・セッティングが良いと気づいた。
このことにいたるのは、
バリのビッグロック波がTWツインだったことを思い出し、
あの感覚をもう一度とやってみたら完璧になった。
やはり経験なのだろうな。
(このTWツインについて巻末リンク*3を参照ください)
Tyler Warren’s Big Fish 6’7″
at Big Rocks, Canggu, Bali
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そのビッグロック波とTWツイン。
摂政瀧朗は、
じつは〈さかなクン〉並に魚類に詳しい。
ウナギが、
桟橋の下に沈めたワナ(網)で獲れたのでジマンすると、
「これは黒アナゴですよ。ウナギとは全く顔が違います」
「へー。わからないものだね。でも大きいでしょ?」
「こいつら(黒アナゴ)はこの10倍くらい太くなりますよ」
「そんなに!」
「地方名ではベエスケとかクロベエ。
カラス、バカと呼ばれています」
「なんでバカなんだろうね」
「そんな顔をしているからではないでしょうか」
「おいしいの?」
「このサイズのものはおいしいです。大きいとあんまりですが」
「やった!」
「炙りタタキとか煮付けは絶品ですよ。
見た感じですと脂が多いのでワサビ塩がいいと思います」
今朝未明の月。
月齢28日。
明日の夜は新月だ。
よい月(ハンター・ムーン)となりますように。
🙏
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【巻末リンク:6’8” 2+1の生涯波】
【巻末リンク*2:1973スティング】
【巻末リンク*3:TWツインについて】
Happy Surfing and Happy Lifestyles!!
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