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【サーフィン研究所】わかっちゃいるけどやめられない_波の墓標_カビゴンの性質_(1017文字)

Cosmos Surfboards

The Classic 8’0”

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台風10号からのうねりはすっかりと小さくなり、

折からの南風で水温は急激に低下した。

私はアイスバスや水風呂の愛好家であるので、

冷たくなると喜んでパドルアウトするが、

ただそれは外気が暑い夏限定の話だ。

サウナの水風呂もしかり、

運動後のアイシング、

真冬の温泉….。

要は急激な温度変化が身体に良いのだと信じている。

波乗りは徒労である。

そうと知りながら波がどうなのか、

どうなっているのかと知らずにいられない。

さらには波を見ると、

パドルアウトせずにいられない。

これを「いられない」症候群というのだと、

スカシーの河合さんが教えてくれた。

昭和の時代から、

「わかっちゃいるけどやめられない」

としてカテゴライズされている。

スーダラ節1961年。

(巻末リンク*2を参照ください)

「〜いられない」

ことを止め続けると、

雲みたいに不安が拡がり、

自身が追いつめられたようになってしまう。

それは原始的な本能だと、

または私たちは常に何かに追い続けられているのだと観念している。

波に乗るために沖に出つつ、

または波から逃れようと腕をひきしぼり、

水平線に見えるうねりの線に胸を高鳴らせる。

情熱だけが自身を海の上に連れていくのだ。

波乗りは重く深く、

強く膨大なものを感じさせてくれる。

遠くからのうねりが、

膨張しすべてを覆うようにそびえ、

そして自分自身の前で砕けた。

圧縮が解放され、

膨大なる量の泡となり、

やがて大気と化していった。

いくつかの波を受けて、

無になりつつ浮かび上がっては、

またパドルアウトを繰り返しているとき、

苦悩と情熱と、

そして解放という文字が浮かんでは消えた。

追記:

映画を見に行くと、

モールのどまんなかに巨大なカビゴンが寝ていた。

このカビゴンのことを調べてみると、

「極めてぐうたらな性質で、
基本的に食べるか寝るかしかしない」

それはまるで誰かのようで、

その人に照らし合わせてカビゴンをしばらく眺めていた。

夕方月が上がってくるのは、

満月に近くになったからで、

その月を取り囲むように鳳凰のような雲がひろがった。

サーフィンのもつ副産物というか、

人生のおみやげみたいなものもある。

【巻末リンク:全体主義者のはんたいとは?】

【サーフィン研究所】土用の丑の日_パクチー市内とスカシー・パウンドケーキ_(1323文字)

【巻末リンク*2:わかっちゃいるけどやめられない】

Happy Surfing and Happy Lifestyles!!