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【サーフィン研究所:連載】彼女の島-10_(735文字)

【サーフィン研究所:連載】彼女の島-9_(323文字)

〜9号までのあらすじ。

1970年代、ノースショアに住む「ぼく」は、

タウンに向かう途中でマウイ島に住む美女と再会する。

ワイキキでサーフする約束を車内でし、

カカアコで軽い食事をするため、

食堂にやってきたところで、

ぼくは、

彼女に抱く気持ちを伝えた。

10.

ぼくたちを乗せたフォード・ランチェロは、

KAM、

キャームと呼ばれるカメハメハ・ハイウエイを背に、

アラモアナ大通りをほぼ東にむかって走っていた。

ぼくは、

ラジオのチューンを830

(KHVH=Kaiser Hawaiian Village Hotel / KIKI)にした。

放送局が近くにあるからか、

しばらくのあいだヒスノイズがなくなった。

ちょうどレッド・ツェッペリンの、

『天国への階段』がかかった。

8分にわたるアルペッジョから始まる楽曲だ。

アコースティック・ギター

「ハーモニーH1260」の柔らかい音へ、

リコーダーが重なる。

劇仕立ての、

伝説物語のような、

ロック変奏曲だ。

クラシック音楽界の帝王カラヤンですら、

これを「完璧」だと絶賛しているという。

そして「パーシー」こと、

ロバート・プラントによるワイドレンジなアジテーションが始まった。

パーシーの持つ、

信じられないほどパワフルなボーカルによって、

ぼくはこの曲に内包されている

「何か」

を聴くたびに受け取っていた。

And a new day will dawn for those who stand long,
新しい夜明けを受ける人は、
And the forests will echo with laughter.
すべての幸せに満たされるだろう。

世紀を超えたサウンドが先導するように、

奇跡のカルチャーが極まっていくのを、

ぼくは楽曲から感じ取っていた。

(11に続く)