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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その5_(707文字)

【日曜日の連載シリーズ】

銀鯖道の夜

ジロバンニはぢつとタマサキを見ながら考へました。
(ぼくはもう、
サーフしてしまひたいといふ氣持がするのでした。
陸からはなれて、
波壁へ、
どこまでもどこまでも飛ぶやうに滑つてしまひたい。)

ジロバンニはタマサキから遠くひろがつた海を見わたしました。
そこから父ちやんの車の音が聞えてきました。
父ちやんの車は銀いろの日産キヤラバンですが、
それは青いろのホーミーといふ型のやうに見えました。
けれどもその中には居るはずの父ちやんが見えませんでした。
(次の原稿幾枚かなし)

【解説】

この青いホーミーは、

旧版にはかかれておらず、

第四版で加えられた章である。

銀鯖道の旅を読み進めるにあたり

父ちゃんの車が日産キャラバンなのか、

ホーミーなのかというのは、

物語のなかで重要な役割を果たしている。

賢明な読者なら気がついただろうが、

すでに物語の鍵となる、

「夢のなか」といった概念が読み手に提示されはじめたのだ。

さらにこの章では、

ジロバンニのサーフィンに対する気持ちが描かれている。

長く続く波壁が好きなこと。

タマサキの波のすばらしさ。

この一節を通じて、

読み手はタマサキ波の美しさを思い描き、

その波とジロバンニが今後どのように関わっていくのか、

期待をふくらませることになるのである。

そしてこの後の原稿が失われているので、

物語はさらなる空想となることがわかります。

(6へ続きます)

文責:華厳旭 D.G.P.

このたびの能登半島地震により被害を受けられたみなさまに

心よりお見舞い申し上げます。

みなさまの安全と被災地の一日も早い復旧を願っております。

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【サーフィン研究所連載】銀鯖道の夜 その2_(729文字)

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