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【サーフィン研究所特大渾身号】大寒と多神教について_キャッチサーフの歴史10(最終章)_(1855文字)

Photo by @supertakibishiyasu

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北風が強いが、

そこまで冷えてはいない。

一昨日の大寒が過ぎ、

季節は春に向けて進み出したと感じている。

出発前に波チェックすると、

かなりのナゲット(nugget:価値があるもの)がやってきていた。

ここはSS氏が大好きなピークで、

今日も無人で美しい波だった。

出発前は、

玉前神社へお詣りした。

お詣りを続けているが、

これから向かう先では数々の密教の寺に行くのだ。

とすると、

私は無宗教か、

多神教ということがここに書かれている。

私の心には、

ラカ法王もいるし、

タキビ神もいるので、

分析すると多神教なのだろう。

これは金曜日。

前述のシバちゃんとノースジュクオンに向かい、

波チェックしていると、

リョウくんが偶然やってきた。

ならば、

一緒にサーフしようとパドルアウトすると、

メイン・ピークがナゲット感高く、

イン・ビトイーンもまたすばらしく、

一同は感動的な波を得た。

余韻というか、

サーフィンのことを語ろうと、

KOHOというカフェに集まった。

キャロットケーキの上に純正クリームチーズがあり、

正直安心素材のうれしさと相まってストーブの前で話は弾んだ。

冬も悪くない。

昨年、
総計13000字となるキャッチサーフの歴史を書き上げた。
今日はその最終回。
上画像はコアとアレックスのスミス・ブラザーズ。

ソルトクリークの干潮時間はたいてい空いている。

そこに休憩中に行き、

社内セッションを楽しんだときの画だ。

 

バリー・マッギーまでもが、

キャッチサーフ世界に賛同して、

4年間デザインしてくれた。

10
スーパー・ヒューマンJOBとキャッチサーフの未来

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キャッチサーフを表す言葉はたくさんあるが、

私の好きなタグライン(キャッチコピー)は以下のものだろう。

The Ultimate Surfing Machine
We are not superboards,
we are Catch Surf

スマートフォンの発達で、

SNS、

YouTubeで億単位を稼ぐサーファーが現れた。

ミスター・パイプラインと呼ばれるジェイミー・オブライエンである。

ジェイミーことJOBは、

ノースショアのライフガードの長男として、

パイプラインの前で育ち、

伝説的なバレルの数々をメイクしてきた。

しかしコンテストという30分間だったり、

勝ち抜き戦には当てはまらない壮大なスケールが彼にはあった。

そこでJOBは、

風雲たけし城とか、

クロコダイル・ハンター系の主題である

「危険」を撮影することを公開し始めた。

キャッチサーフでパイプラインのボイルセクションから、

ボーナスまでメイクする映像が流れると、

業界は騒然となった。

なぜなら、

このパイプラインでボイルからボーナス・セクションをもメイクできるボードというのは、

非常に吟味されたものでなくてはならない。

これまでは、

「魂のシェイプ」とか、

「至宝」といった重文の重みがあるものだけがパイプラインでサーフされてきた。

文字通り命をかけて波に乗るので、

サーフボードは宝刀に他ならず、

つまりキャッチ・サーフは、

かのディック・ブルーワーやジェリー・ロペス、

フィル・エドワーズたちの系譜に名を連ねたのだ。

のみならず、

それからワイメア・ショアブレイク、

惑星で一番危険なケイキ、

さらには強烈なバレルで知られるパスクアレス(メキシコ)や、

カリフォルニアのウエッジの激烈もメイクし、

キャッチサーフの性能と安全を世界に知らしめて今に至っている。

それに追従したYouTuberがベン・グレービーで、

彼もまたJOBのようにアメリカ全土、

そして世界各地でキャッチサーフ、

またはそのエントリーモデルであるウェーブ・バンディットで波に乗り続けている。

この広大なる露出によって、

さまざまな会社や団体が、

このソフトボードに目を付けたのは当然ともいえるだろう。

各社はそれぞれライダーだとか、

シェイパーを連れてきつつ、

あの手この手でいまも展開しているが、

どれもキャッチサーフに近づくことすらできないようだ。

これで初回に書いたジョージ・アルゼンテの

「世界一のサーフボードを作りたい」という野望が実現したが、

彼はさらなることを狙っているという。

いつかの機会にまたこのキャッチサーフにまつわる詳細だったり、

歴史を振り返る編を書いてみたい。

全10回、

総計12,800字ものお目通しをありがとう!

これからもみなさんが楽しくサーフできますように。

Happy Catch Surf!!

(終わり)