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【サーフィン研究所真実の現場号】ポスト春分の日_グルービー・フィン・シリーズ7、渾身のキール・フィン_(1863文字)

春分の日は、

ニューエイジ族とか、

私たちのような*ドラグラ派にも大きなことで、

さまざまな啓示と教えを受けた。

*ドラゴン・グライド・プロダクションズの略

Cosmos TheOne6’4” Groovy Fins Twinzer/by @hiroyuki_maeda Photo @nakisurf_chiba

これは千葉南。

ウェッジする波があり、

その3枚のウエッジの真ん中からテイクオフすると、

うねりの押しが尋常(じんじょう)ではなかった。

グルービー・フィンの、

シリーズ7のキール・フィンが届いた。

前回のビンテージシリーズでは、

このキール・フィンは、

数分で全セットが売り切れてしまったので、

このブルー・レッド・アシュベリーシリーズでスポット復刻したのだ。

一枚、

また一枚とガラスクロスを重ねることを積層(せきそう)という。

グルービーフィンの特徴は、

四国の海沿いで、

修行40年の熟練職人が正直に重ねて作っているものだ。

私は、

サンクレメンテのサーフボード工場に数年住んだ。(本当)

その工場に職人はやってきて、

自身の工程をサーフボードに施していく。

時給でも月給でもない。

完成した本数が報酬となる。

ここで稼ぐヒントは時短であるので、

硬化剤を発火しそうなほど、

PU樹脂に混ぜることも多々あった。

そうすれば最短時間で硬化する。

歩合制なので通常硬化を待っていられないのだ。

PU樹脂は、

化合物を揮発しつつ、

ときに発熱しながら硬化する。

グラスファイバー製の織りのことを私たちは、

「クロス」と呼んでいるのだけど、

これを重ねてグラス・フィンは作られている。

PU=ポリウレタン樹脂に、

イソシアネート(硬化剤)を混ぜると硬化する。

この硬化剤の量を多くすると、

より早く硬化する。

なのだが、

このとき化合物が大量に揮発するので、

ものすごい匂いとなる。

私のときは、

二階のグラッシング・ルームから階下のサンディング・ルームまで漂ってくるので、

「やったな…」

そうやってすぐにわかった。

だが、

このことが他の職人にばれると、

自身の評判を落とすので、

サンクレメンテのフィン職人(メキシコ移民)は、

夜にやって来てその急硬化の得意技をかましていた。

これが彼の「イノキ・ボンバイエ」である。

なのだが、

その結果、

積層板を弱くしてしまう。

本末転倒の極みであるが、

すぐにばれないのと、

彼のブランドでもないので関係ない。

「どこもこんなことをやっているよ」

油断した若き職人くんはそう自慢していたが、

その13年後、

こうしてここで公開されるとは思っていなかったのだろう。(笑)

グルービー・フィンは、

すべて熟練職人のかっきんが一人で、

のんびりと作る傑作だ。

とにかく正直に誠実に、

そしてサーフ後の波の余韻をかみしめながら、

気温と湿気に合わせて硬化剤の量を変えていく。

しかも一枚一枚、

その硬化剤の割合が違うだろうが、

当然のように配合を適正に変えていく。

すべては完全硬度とするためなのと、

フィンは自身の作品であり、

生涯の工芸品だと知っているからだ。

四国特有の、

「時間のんびり体制」で、

積層板を作っていると書いておけば間違いない。

この積層は、

ブルー10枚、

イエロー2枚、

レッド12枚の重なりだ。

さらには、

博士や私たちが選んだ殿堂デザインを完全具現化しつつ、

安全にと、

丸められるところは、

ていねいに刃先を付けないようにとフォルムしていく。

これはセールストークではなく、

エボルブ・フィンのあまりの出来の良さに博士から連絡先を聞いて、

かっきんに正式にお願いしていまに至るのだ。

その信頼たるや、

いままで一本の不具合を出していないことからもわかる。

キール・フィンはツインの大判で、

尋常ではないほどの水流変化が付けられる。

テカリを抑えたフィニッシュ・コート仕上げです。

FCS用だが、

FCS2にも完全装着が可能です。

その場合はイモネジが必要なので、

備考欄にFCS2とタイプしてください。

イモネジ4本を同封します。

このブルー・レッド・アシュベリーを透かすとこうなる。

見事なほど美しい。

限定数ですが、

ご希望の方はこちらのリンクからどうぞ!

https://www.nakisurf.com/product/groovyfin_blue-red-ashubury-vintage-2_keel/

【巻末リンク:グルービー・フィンのこと】

【サーフィン研究所渾身号】4連符のざわめき_グルービー・フィン_室戸キントキとバター_グライダー9’8”_(2250文字)

【巻末リンク*2:コスモスの別ブランド「ロマンチカ」のご紹介】

【サーフィン研究所ノマディック回想編】マジックボードのクローン・サンプル『ブライト・ロマンチカ』!!_(1693文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyles!!