新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、サーフライターで知られるNAKIのコンセプトサーフショップです。

naki's blog

AVISO主宰ジョン・オモハンドロによるチューンナップと、AVISO純正リペア方法

先日お約束したAVISO主宰ジョン・オモハンドロによるチューンナップと、AVISO純正リペア方法を一挙掲載します。

まずは「先日修理したけど、まだ水が入る個体(今回は俺のBD3)」のリーシュプラグを外し、そこからホースで全量水を入れてしまいます。

それに再びリーシュプラグで栓をして、デッキを下にして平置きし、

強い息でプラグ内の水を全部吹き出します。

それから乾いた布で個体を全て拭き取ります。

それから上下左右に強く振ると、ノーズの修理跡から水がジワリと出てきたので、これが犯人だと、ここをマークしました。

さらに他の穴を探しましたがどこからも水は出てこないので、プラグを開けて排水します。

プラグ周りの汚れを先ほどの乾いた布で良く拭き取り、プラグに付いているOリングにシリコングリースを塗ります。

これがシリコングリースです。
ダイビングショップ、またはNAKISURFコムでもスペアプラグと一緒に取り扱っています。

個別販売も始めますのでお待ち下さい。

これでプラグ周りのチューンナップ、そしてピンホールの見つけ方の部を終了しました。

次に修理に入ります。

まずはリーシュプラグを外します。

ジョンによると、温度差でボード内の空気が膨張、または収縮するのを防ぐためです。
(修理の際に膨張してしまうと、穴が塞がらなくなるのを避けるため)

今回の修理に必要とした道具は

カッターナイフ

はさみ

カーボンファイバー(グラスファイバーでも可)

5分硬化型 2液性エポキシ樹脂(透明)

荒削り用の紙ヤスリ(80番)

耐水ペーパー(180番、320番)

サンディング用の木片

料理用クリアーラップ

焼き鳥用の竹串

ワックスリムーバー

マスキングテープ

後はエポキシ樹脂を混ぜる台紙となる段ボールか、厚紙のようなものがあればばっちりです。

「修理で一番大事なのは準備なんだ」

と言いながらジョンがその穴の開いている付近を削り始めた。

「とにかく、削って削って、修理箇所周辺がきれいになるまでつるつるにすること」

と前回フレちゃんが直してくれた修理箇所まで耐水ペーパー(紙ヤスリ)とカッターナイフで削りとっちゃいました。

ジョンによると、フォームを使用していない*AVISOはエポキシ樹脂でもポリエスター樹脂でも使用できるのだが、やはりエポキシ樹脂の方が長期間の接着が可能なので、できればエポキシを使って欲しい、ということでした。

*ポリエスターでも溶けない高耐圧PVCシートは使用しています

前回塞いだ穴までこうしてグリグリして取り去りました。↓

この修理作業のコンセプトは「歯医者」。

ということで、悪い場所を全て削り取り、それで新しい樹脂とカーボンをパッチする(足す)ということです。

さらに耐水ペーパーで磨き、前回の修理を全て取り去ってしまいました。↓

次にエポキシA液とB液をボール紙の上に同量出して、

両液を素速く、そして確実に混ぜます↓

それを竹串を使って、亀裂と穴に入れ込みます。

この位の量を修理箇所に盛りました。

すぐにジェル状(完全硬化の7?8割程度)になるので、そうしたらカッターナイフで削ります。

削ったら、軽くサンディングして終了です。

次の第二行程に入ります。

カーボンファイバー(これはAVISO修理キット内に入っているものです)を用意します。

それを織り目に対して45度の角度で、修理箇所よりやや大きくカットしてください。(写真参照)↓

切ったら編み目がほどけてしまわないようにそっと持ちます。

そして修理箇所をマスキングテープで養生します。↓

先ほどと同様に、今度は少し多めにエポキシ樹脂をA、Bと出して、また同様に攪拌します。

それを修理箇所に薄くのばします。
これがカーボンファイバーとの接着剤の役目をするので、隙間ができないように、そして樹脂の硬化が始まらないように迅速に作業します。

次はそこに先ほどカットしたカーボンファイバーを載せて、エポキシ樹脂を上からかけて、浸透させながら修理箇所になじませます。

すばやくここまでをやるのがコツですね。

樹脂がカーボンファイバーの上下に行き渡ったらクリアーラップで修理箇所をこのように覆います。↓

そのクリアーラップの四隅を

マスキングテープで留めます。

そうしたら硬化が始まってくるので、クリアーラップの上から指やワックスリムーバーなどで表面を整えます↓

ある程度硬化したら(9割程度)クリアーラップ、マスキングテープを剥がします。

サンディング前なのにこんなにツルツルです↓

拡大写真↓

ここから100%の完全硬化まで10分ほど時間をつぶします。

ジョンは自称ゴルフの達人ということで、「『ペブルビーチの波濤』を制覇したんだよ」と自慢されました。

硬化したら、通称「水研ぎ」と言われるウオーターサンディングの開始です。

耐水ペーパー180番に水をかけ、修理箇所の荒削りをします。

次は木片に耐水ペーパーを巻き付けて、修理箇所がおよそ平らになるまで水研ぎします。

デッキ側もジャリジャリ。

レイル角度もザッザッっと手を休めずに削ります。

最後に耐水ペーパー320番で、手の感覚で細かく削って終了です。

YES!修理完成!!

昔からここにあったようにカーボンファイバーがボードになじみ、さらにはピカピカです。

さらにはジョンの裏技があって、それは

「太陽にボードを当てて、熱くなったら少しのサーフワックスを修理箇所に塗り、それをキッチンペーパーできれいに拭き取ると、こまかい気泡部分にワックスが入り込み、かなりピカピカになるそうです。

これがAVISO純正修理法です!

(おまけ)
フレちゃんにこの修理法を伝えたら、

「クリアーラップのかわりにワックスペーパーでやってごらん、もっとツルツルになるぞ」とのことでした。

さすが長老、なんでも知っていますね。

(おまけのおまけ画像)


6 thoughts on “AVISO主宰ジョン・オモハンドロによるチューンナップと、AVISO純正リペア方法

  1. 鈴木君

    うちのAVISO2本は今の所浸水する気配はありませんが、その際はこの修理方法でばっちりですね。

    毎週のように海に行く奥さんに(ここ最近は黙ってAVISOを持ち出す始末w)しばらくAVISO禁止令を出しマイボードで上達して下さいとお願いしました。

  2. Fg

    AVISOならではのリークチエック方法ですね。
    裏技まで公開とは恐れ入りました。
    これで安心ですね。(笑)

  3. じーじ

    NOSEの『N』かと思ったら
    2ヘッドイーグルステッカーホワイトの『N』でした。

    勉強になりました。
    でも、わたしはBD3にもしもの事があったら迷わずThe Area 51に行くことにします。

  4. ふなき

    はい、この修理方法でばっちりです。
    水を吸わないので、壊してもすぐにパンク修理のように出来るので、海でささっと直したらかっこいいな、と夢想しました。

  5. ふなき

    はい、こうして穴を見つけるとは夢にも思わなかったです。
    もう安心してください。(笑)

  6. ふなき

    テイルには『T』と貼ってあって、レイルには『R』とあるんですよ。
    こうしておくと向きを間違えないのでお奨めです。