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naki's blog

トイボードと精密ボードの違い_ひとりセッションにタイちゃんが来た日_(1872文字)

こんにちは、

バクダン低気圧は大丈夫でしたか?

台風は目の周りだけというか、

通過するのは短いが、

低気圧の場合は、

前線の長さまで長時間荒れるということを知りました。

自然の猛威はすごいです。

このブログを見ている人ならご存じのように、

最近はトイボードの魅力にはまっている。

やわらかくて、ぶつけても平気で、

値段は安く、周りは油断し、

博愛のサーフボードともいえる。

ただ、加速の出足が遅れたり、

ターンの決着が予想とは違ったりするのだが、

波は定規で測るようなものでないので、

多少のズレは、

もしワイプアウトしたとしても笑って受け止めていた。

トイボードの大らかさというか、

良さであり、欠点であるところ。

話は変わって本日。

南西は南南西うねりとなり、

北西と西北西の三種混合うねりが届いている。

昨日サンオノフレレフトでサーフしたとき、

北西が強かった気がしたので、

今朝はロッキーショアだと直感し、

波チェックもせずに行ってみた。

ソルトクリークは日曜日ということもあって、

岬、ミドルス、

グラブルズ含めて200人以上が入っていて驚いた。

サーフィングというのが流行となっているのですね。

こうして層が厚くなるのは大歓迎なので、

多くの人にサーフしていただきたい。

で、混雑を覚悟しながらロッキーショアに降りて行くと、

なんと無人だった。

というのも新月満潮で、

岩が隠れてしまっているので、

このサイズだと岩が見えず危険なので敬遠したようだ。

俺はここで泳いでいるので、岩の位置は知り尽くしている。

迷わずパドルアウトしていった。

これは最大セット。

南南西うねりは南半球から届いているので、

パワフルでワイド。

これは抜けられる位置より

(俺が)ほんの少し後ろ側に入っていたので、

テイクオフできなかったが、

極上波の姿がここに写っていた。

いつかまたこれを乗ってみたい。

このサイズで無人。

しかも日曜日の午前中。

信じがたいが本当の話であります。

ただ、満潮時はむずかしいコミットメントでありました。

見えない岩の前でこれだけ切り立つと、

畏怖してしまい、

なかなかテイクオフできない。

いい波に乗って、

フルスピードで斜面を駆け下りるのは至福以上、

失神以下の感覚でありました。

この波で気づいたのが、

カーブボールのターン精度がやたらと高く、

ミリ単位でボードを任意の位置に運ぶことができた。

その確実さがうれしく、

波乗りのおもしろさを再確認した次第であります。

ハイパフォーマンスボードと、

トイボードとの違いは「正確さ」だったのですね。

そんなことを気づいたセッションでありました。

3本目に美しいバレルを得た。

テイクオフしてそのままハイラインに飛び込んでいった。

だけど、マンガのようにうまくいくわけがなく、

このバレルは後少しのところで涙を飲んだ。

あと少しで完全試合はダルビッシュさんでしたが、

今度は俺の番だったようだ。

乗っている本人(俺)は、

この高速バレルの中での記憶が5回あって、

それは、

1.バレルに包まれた瞬間

2.穴蔵が突然閉じて、ボードを引き上げたとき

3.波内部を走っていって、ねじれるようになった段を乗り越えたコマ

4.滑走部が泡だらけになって、ボードが穴の中に吸い込まれていくところ

5.落ちながら、バレルの外に出て、視界に拡がる波壁

ダルビッシュさんは「なんでやねん」と思ったそうだが、

俺は「嗚呼、あと少し」だった。

最後の泡のところで全ての力を抜いて、

ふわりと泡の上を滑ったらよかったのだろうか?

そうするには穴が狭すぎて動けなかった。

という反省と回想をしているところです。

このバレルの後に、

笑顔のサーファーがひとりやってきた。

なんとタイちゃん(タイラー・ウオーレン)で、

「あのバレルは惜しかった。あと30cmだったね」

というさすがで的確な意見をいただいた。

ありがたき幸せ。

ひとりだけの桃太郎セッションにイヌが来た気分となったが、

タイちゃんこそが桃太郎であるので、俺がイヌなんですね。

ちょっと違うか。

この日にここでサーフするセンスが、

自由な考えのタイちゃんの真骨頂で、

それは美しいフォームで波に乗っていった。

上品で高級なターンと言えばいいのか。

彼は言わば、

サーフィン界のロールスロイスな人であります。

WCSK

美しいバレルも得るタイちゃん。

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でも、

ハイパフォーマンスボードの正確さが楽しく、

キチッと進む確実なボード位置のすごさ、

大事さを知った日であります。

新しい週が始まりましたが、

どうぞすばらしいものとされてください。

グリーンフラッシュをここに添えて、

それではまた明日ここで。

読んでくださってありがとうございました。