こんにちは、
新しい週をいかがお過ごしですか。
こちらはハロウイン一色です。
この習慣というか、
イベントの意味がイマイチわかりづらいのだが、
日本で言うところの
『お盆』だと理解するとすっきりした。
さて、今朝は来たる南うねりの興奮からか、
深夜から起きてしまい、
夜明けを待てずにソルトクリークへ。
夜明け前だというのに、
集まってくるサーファー。
左は、はるばる日本からやってきたOMF大谷さん、
そして700km南下されてきたサンフランシスコ阿部さん。
新・カーブボール三兄弟。
左から5’3″Poly
5’3″ Keahana
5’6″ Black Label(阿部さん)
強いオフショア風にあおられてしまったようで、
思っていたよりも小さかったが、
その代わりに圧縮系のバレル天国。
フラッフィーを誰よりも愛する猫好き大谷さん。
北米大陸に初上陸だというので、
彼にまつわるドキュメントを撮って、
『プロジェクトX』で放映したくなった。
サンフランシスコのオーシャンビーチで鍛えた腕前の阿部さんは、
ロペスばりのボトムターンをおニューなカーブボールで刻む。
ヤスと一緒に鍛えたバレルライドで、
この円弧の中を高速滑走する至福。
セクションに次ぐセクション。
それはまるで、
新月干潮時のウルワツコーナーと同じ波質で、
全員でちょっとしたトリップ気分を味わった。
9時頃から風が止まって、
ご覧のようなエピックコンディション。
でもその代わりにバレルは少なくなってしまった。
一長一短という言葉があるが、
まさにその通り。
□
【先週からの続き】
現代サーフボードシェイプbyドック
Modern Surfboard Shape by Doc.
(ご注意)
サーフボード製作にご興味のない方は、
どうぞ最後までスクロールしてお読みください。
(ここまでのところ)
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/48337
ドッキーのSurf Prescriptions工場に行って、
NAKISURFのデモンストレーション用に
3本のボードをオーダーしてきました。
ヤスが「シェイプ作業を一度見てみたいです」
と言うので、
ドッキー師匠のシェイプ予約を取っておきました。
フォードアーズからスタート。
「次は5’6″ではイカガデスカ?」
というドッキー師匠のアイディアだったが、
「いや5’10″でお願いします」
となったフォードアーズ。
渦浮力の方がいいのです。
ロッカー曲線や浮力のバランスを画面上で確認するドッキー。
幅もここで決まりました。
バランスが大事です。
ブランクスを持ってプレカット・マシーンへ行く。
先ほどのデータをマシンに入力し、
圧や水平、
そして軸角度を決定してマシンON。
ちょうど片面15分かかるので、
45回転の12インチシングル版を思い出した。
FMラジオからメタリカの
“The Unforgiven”が流れたのは偶然だろうか。
これがツインフィンの誕生曲となった。
What I’ve felt
What I’ve known
Never shined through in what I’ve shown
Never be
Never see
Won’t see what might have been
デッキ面が終了し、そしてボトム面に進みます。
レッドホットチリペッパーズの曲と共に終了したフォードアーズ。
マシンから外して、
長い時間ボードの全容を眺めていた。
こういう場に立ち会うと、
サーフボードはやはり魂を吹き込まれていると感じられる。
シェイピングベイに行き、
バリ取りというか、
マシンがカットしたものを揃えていく。
ここまででロッカー、幅、長さ、
そしておよその厚みがマシンによって表現されている。
しかもブランクスのネジレや歪みを矯正する正確さ。
ハンドシェイプでの70分近くを短縮できるマシンは、
現代シェイプにはなくてはならないものになってきた。
まずはプレーナーでストリンガー部を削り落とす。
簡単そうに見えるが、
かなり難しい作業であります。
大工さんのカンナかけと似ています。
ボトム面も同様に。
ラウンドサンダーでノーズ側のフォルムを出していく。
次はスピンサンダーで荒削り。
ここで全体のフォルムが浮かび上がってきます。
デッキボトムと各10分程度かけたら、
テイルのシェイプです。
テイル位置を決め、
ムーンテイル用のテンプレートで曲線を描きます。
そのラインを糸ノコで削り落とし、
ペーパーでディテールをつけていく。
まるで円空鉈彫のようです。
ステップ・コンケイブなので、
そのアウトラインもフォードアーズ・オリジナル。
フィッシュ系のテンプレートから
淡い曲線が引かれていく。
コンケイブ以外のボトムコントゥアー(曲線輪郭)
のためにまずはVEEをプレーナーで出す。
途中からコンケイブ内側に入り、
かなり複雑な角度を付けていきます。
ワタクシ、
通算シェイプ2本の若輩ものですが、
この作業の難易度はわかります。
プレーナーの部終了。
サンドペーパーで細かい起伏を出していく。
手が、
まるで水が流れていくように動いていく。
そうでないと波を滑る最良の起伏にならないのだろう。
ストリンガーをフォームより低く削り取り、
また詳細傾斜サンディングという根気のいる作業でした。
マシンカットがあってもここまでの作業ですから、
その昔はボード一本が一日がかりだったというのも納得できますね。
どの道も大変ですが、
ドッキー師匠はこの道40年ですので、
それはもう身についた動きで、美しい芸能とも感じました。
To be Continued…
(続きます)
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ショートボードにめざめたらこのうねりが届き、
そして南うねりだから100%レフト波。
「バックサイド一筋」
と、それはまるで職人の肩書きみたいな日となりました。
バックサイドは、
グラブレイルでボードをハイラインに引き上げやすく、
さらにはクローズアウトしても安全だということで、
もしかしたらフロントサイドよりもメイクしやすいのではないか、
という仮説まで立てられるほど安定してきました。
それでは今日もすばらしい日に、
そしてすてきで柔らかい週になりますように。
ちなみにこちらは真夏日です。
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