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ハロウインはお盆説_Doc師匠の現代シェイピング”Modern Surfboard Shape by Doc”中編_(2533文字)

こんにちは、

新しい週をいかがお過ごしですか。

こちらはハロウイン一色です。

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この習慣というか、

イベントの意味がイマイチわかりづらいのだが、

日本で言うところの

『お盆』だと理解するとすっきりした。

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さて、今朝は来たる南うねりの興奮からか、

深夜から起きてしまい、

夜明けを待てずにソルトクリークへ。

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夜明け前だというのに、

集まってくるサーファー。

左は、はるばる日本からやってきたOMF大谷さん、

そして700km南下されてきたサンフランシスコ阿部さん。

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新・カーブボール三兄弟。

左から5’3″Poly

5’3″ Keahana

5’6″ Black Label(阿部さん)

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強いオフショア風にあおられてしまったようで、

思っていたよりも小さかったが、

その代わりに圧縮系のバレル天国。

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フラッフィーを誰よりも愛する猫好き大谷さん。

北米大陸に初上陸だというので、

彼にまつわるドキュメントを撮って、

『プロジェクトX』で放映したくなった。

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サンフランシスコのオーシャンビーチで鍛えた腕前の阿部さんは、

ロペスばりのボトムターンをおニューなカーブボールで刻む。

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ヤスと一緒に鍛えたバレルライドで、

この円弧の中を高速滑走する至福。

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セクションに次ぐセクション。

それはまるで、

新月干潮時のウルワツコーナーと同じ波質で、

全員でちょっとしたトリップ気分を味わった。

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9時頃から風が止まって、

ご覧のようなエピックコンディション。

でもその代わりにバレルは少なくなってしまった。

一長一短という言葉があるが、

まさにその通り。

【先週からの続き】

現代サーフボードシェイプbyドック

Modern Surfboard Shape by Doc.

(ご注意)

サーフボード製作にご興味のない方は、

どうぞ最後までスクロールしてお読みください。

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(ここまでのところ)

https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/48337

ドッキーのSurf Prescriptions工場に行って、

NAKISURFのデモンストレーション用に

3本のボードをオーダーしてきました。

ヤスが「シェイプ作業を一度見てみたいです」

と言うので、

ドッキー師匠のシェイプ予約を取っておきました。

フォードアーズからスタート。

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「次は5’6″ではイカガデスカ?」

というドッキー師匠のアイディアだったが、

「いや5’10″でお願いします」

となったフォードアーズ。

渦浮力の方がいいのです。

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ロッカー曲線や浮力のバランスを画面上で確認するドッキー。

幅もここで決まりました。

バランスが大事です。

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ブランクスを持ってプレカット・マシーンへ行く。

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先ほどのデータをマシンに入力し、

圧や水平、

そして軸角度を決定してマシンON。

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ちょうど片面15分かかるので、

45回転の12インチシングル版を思い出した。

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FMラジオからメタリカの

“The Unforgiven”が流れたのは偶然だろうか。

これがツインフィンの誕生曲となった。

What I’ve felt

What I’ve known

Never shined through in what I’ve shown

Never be

Never see

Won’t see what might have been

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デッキ面が終了し、そしてボトム面に進みます。

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レッドホットチリペッパーズの曲と共に終了したフォードアーズ。

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マシンから外して、

長い時間ボードの全容を眺めていた。

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こういう場に立ち会うと、

サーフボードはやはり魂を吹き込まれていると感じられる。

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シェイピングベイに行き、

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バリ取りというか、

マシンがカットしたものを揃えていく。

ここまででロッカー、幅、長さ、

そしておよその厚みがマシンによって表現されている。

しかもブランクスのネジレや歪みを矯正する正確さ。

ハンドシェイプでの70分近くを短縮できるマシンは、

現代シェイプにはなくてはならないものになってきた。

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まずはプレーナーでストリンガー部を削り落とす。

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簡単そうに見えるが、

かなり難しい作業であります。

大工さんのカンナかけと似ています。

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ボトム面も同様に。

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ラウンドサンダーでノーズ側のフォルムを出していく。

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次はスピンサンダーで荒削り。

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ここで全体のフォルムが浮かび上がってきます。

デッキボトムと各10分程度かけたら、

テイルのシェイプです。

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テイル位置を決め、

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ムーンテイル用のテンプレートで曲線を描きます。

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そのラインを糸ノコで削り落とし、

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ペーパーでディテールをつけていく。

まるで円空鉈彫のようです。

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ステップ・コンケイブなので、

そのアウトラインもフォードアーズ・オリジナル。

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フィッシュ系のテンプレートから

淡い曲線が引かれていく。

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コンケイブ以外のボトムコントゥアー(曲線輪郭)

のためにまずはVEEをプレーナーで出す。

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途中からコンケイブ内側に入り、

かなり複雑な角度を付けていきます。

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ワタクシ、

通算シェイプ2本の若輩ものですが、

この作業の難易度はわかります。

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プレーナーの部終了。

サンドペーパーで細かい起伏を出していく。

手が、

まるで水が流れていくように動いていく。

そうでないと波を滑る最良の起伏にならないのだろう。

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ストリンガーをフォームより低く削り取り、

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また詳細傾斜サンディングという根気のいる作業でした。

マシンカットがあってもここまでの作業ですから、

その昔はボード一本が一日がかりだったというのも納得できますね。

どの道も大変ですが、

ドッキー師匠はこの道40年ですので、

それはもう身についた動きで、美しい芸能とも感じました。

To be Continued…

(続きます)

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ショートボードにめざめたらこのうねりが届き、

そして南うねりだから100%レフト波。

「バックサイド一筋」

と、それはまるで職人の肩書きみたいな日となりました。

バックサイドは、

グラブレイルでボードをハイラインに引き上げやすく、

さらにはクローズアウトしても安全だということで、

もしかしたらフロントサイドよりもメイクしやすいのではないか、

という仮説まで立てられるほど安定してきました。

それでは今日もすばらしい日に、

そしてすてきで柔らかい週になりますように。

ちなみにこちらは真夏日です。


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